パワハラ「される」も「する」もありうるお年頃!仕事の人間関係で大切なこと
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これまでは「される」イメージだったパワハラ。でもキャリアを重ねると今度は「する」立場になる可能性も…。怒鳴ったり無視したりはもちろんしないけれど、あんなこともこんなこともパワハラになるかも…。リーダー育成のプロに、考え方を聞きました。
どんなことでも、パワハラになるし パワハラにならない…そんな時代です
これって“パワハラ”...?私たちも悩んでいます
⚫︎初めてのチームリーダー。プレイヤーとして仕事しながらだから、つい仕事を背負い込んでしまって悩み中。(N.Nさん29歳)
⚫︎細かく丁寧に指導せねば、と新入社員育成に力が。と思ったら急に「退職します」メールが届いて、大ショック…。(T.Nさん31歳)
⚫︎私はこう教わってきたからと部下に接していたら「パワハラですよ」と指摘され…。狭間の世代、どうすれば?(R.Mさん30歳)
リーダー育成のプロに聞いた!パワハラを「しない」ためには...?
1.些細なことでも報告できる環境を
パワハラを防いで、結果を出すには「メンバーが何を言ってもよくて、何を言っても叱られない」環境を作ること。僕も昔上司に「ミスをしたくてする人なんていない」と言われたことがあって、今でもそれが忘れられないんです。上司が怖かったり、緊張感がある人で「手を煩わせるかな」と悪い意味で部下が上司を思いやる関係性になってしまうと、些細なことを報告できない環境になる。ミスを報告できない環境をそのままにしてしまうと、何か大きなことが起きたときに結局は自分が重い十字架を背負うことになるし、過酷な任務が続いてしまいますよね。
2.「仕事なんだから、やって当たり前」?
それから、「仕事はやって当たり前だから感情を入れるな」という時代が長くて、感情に目を向けてこなかったと思うんですけど、今の時代最優先するべきなのは感情。感情次第で、パワハラになったり、ならなかったりする。目的を共有しメンバーを思いやる関係ができていれば、何かあってもハラスメントだと受け取られることは減り、逆にこれができなければ何を言ってもハラスメントになってしまうでしょう。仕事も結局は人と人。言い方や態度など表面的なことだけでハラスメント対策をしようとせず、一体感と信頼づくりに目を向けてみてください。
3.信じて待つ、が上司の仕事です
で、部下を思いやるというのはやっぱり自分の気持ちに余裕がないといけなくて。いろんなことが気になるだろうけど、リーダーとしてできるのは「開き直り」。部下に任せると決めたらそうする。一度疑いはじめると、その疑いの心って消えないし、何に対しても確認しちゃうじゃないですか。仮に確認を取って「大丈夫です」と言われても、なんかスッキリしない。結局は自分が嫌な気持ちになるし、そこで「何か問題があるのではないか」と確認しようものならそれは不誠実だし、部下が信用されていないと思ってしまう。だから、もし連絡がなかったとしても「今きっと最高のものにしようとして動いてくれているんだな。信じて待とう」と割り切る。そうするとお互いにラクなんですよ。で、何か成果があったときには相手にありがとうと言えると思います。
相手の年齢・職歴・性別にかかわらず、大事なのは『リスペクト』!
「一番大事なのは、相手を尊重してリスペクトすること。叱責も注意も、目指すべきゴールを伝えた上で、相手の成長を想ってのものであればパワハラにはなりません」(五十嵐さん)
教えてくれたのは…
五十嵐 剛さん
リーダーズクリエイティブラボ代表取締役CEO。NECに約37年勤務。数多くのプロジェクトリーダーを歴任し、NEC社長賞を4度受賞。現在はその経験をもとにリーダー育成など幅広く展開。著書に『結果を出すチームのリーダーがやっていること』(すばる舎)。
撮影/水野美隆 取材/野田春香 編集/小林麻衣子 再構成/Bravoworks,Inc.