女優・萬田久子さん(66歳)「私が生きるつもりの109歳まで余命43年。アクティブでいたい」!
前回、還暦のタイミングでご登場いただいたのが2019年3月号。あれから5年。ファッショニスタとしておなじみの萬田久子さんが、オール私物&セルフスタイリングによるファッションブックを今秋上梓。いつまでもファッショナブルで美しく、そしてチャーミングなその理由とは?
◆あわせて読みたい
▶元フジアナ・阿部知代さん(61歳)「白髪も自分の一部なのに、悪者扱いするのはかわいそう」
オシャレが大好き。 着たい服を着て、 ファッションを楽しむために ボディメイクは欠かしません
《PROFILE》
’58 年大阪府出身。’78 年ミス・ユニバース日本代表選出を経て、’80 年NHK 連続テレビ小説「なっちゃんの写真館」でデビュー。以降、数多くのドラマ、映画、舞台で活躍。昨年、ドラマ「グランマの憂鬱」で主演を務め話題に。唯一無二のファッションアイコンとして注目され続け、現在、著書『萬田久子 オトナのお洒落術』(講談社)が発売中。
3年前からあれほど好きだったお酒をストップし、ソバキュリアンに。お酒を飲める人があえて素面を楽しむというライフスタイル、ソバーキュリアスを実践している人のこと。ちょうどコロナ禍で、家でひとりで飲んでいてもちっとも楽しくない。お酒が好きというより、お酒を飲む場が好きだったのかなと思ったタイミングで、偶然にもソバーキュリアスに関する本が自宅に送られてきたの。お酒ってね、その場だけを切り取れば、もう絶対に楽しいのですが、ちょっと辛いこともある。飲みすぎて翌日が辛いとか、気持ちも寂しいとか、友達が隣にいるうちはいいけれど、翌日孤独感を感じることも。若い頃は、アンニュイという言葉に酔っていたけど、もうそんなことを言っている場合じゃないわ。うふっ。
昔は朝からシャンパンを飲んで「朝シャン」なんて言っていたけれど、50代までは無理はできても、60代からはさすがに厳しい。自然な流れだったと思います。人生100年時代。私は109歳まで生きるつもりですが、そうすると余命43年。微睡んでいるよりアクティブでいたいもの。
お酒の香りが漂ってくると、いろんな出会いを思い出すわ。今のところそんな誘惑には負けないの。でも、韓国ドラマを観ていると、チャミスルを美味しそうに飲んでいるじゃない? 今後もしかして韓国で恋したら「お酒をやめていたけれど、あなたとならまた飲んじゃおうかな」って殺し文句を言おうかな。フランスならワイン、イギリスならスコッチ、キューバならモヒートね(笑)。
「仕方ない」と言ってる暇があったら、とにかく一生懸命やるしかない
お酒を飲んでないと、肌も髪も爪も絶好調! 美容には良いことだらけ。飲んだ翌日は肌のメンテナンスからしなければいけなかったけど、今は長年使っているHABAの化粧水・美容液・オイルというシンプルなケアで十分潤うようになっています。でも毎日体調は変化するから、その日の自分の肌の状態を知って、化粧水にしても手でたっぷり入れる日もあればコットンのほうがいい日もあります。一日中家にいるとき、太陽に当たる日、スケジュールによってもケアは変えています。
髪はシャンプー&コンディショナーは自分に合ったものを見つけるのがマストですが、何より洗い方だと思います。私はukaのスカルプブラシ「ケンザン」の硬さの違うものを2個使いで地肌マッサージをします。気持ちいいし、地肌は元気になるし、なくてはならないものです。最近ヘアメイクさんにも「髪、元気になったね」と言われるんです。愛情を持ってケアするとボリュームも増しますね。
年を重ねるといろんなところにメンテナンスは必要ではあるわよね。だから体とよく向き合って、自分に合ったメニューを作り出してね。「仕方ない」と言っている時間があったら、とにかく一生懸命やるしかない。
徒歩圏内にお気に入りのリトリート空間を!!
私は新しいジムやサロンを開拓するのが好きで、気に入ったところが年々増え、毎日何かしらスケジュールに入れています。フェイスだけやっても効果なし。顔だけマッサージしてもどうなのよ? だから、顔のエステ、ハンドマッサージ、ボディマッサージ、美容医療、筋膜リリース、ヘッドスパ、プール、空中ヨガ、筋トレ……という具合。全部家から徒歩圏内にあり、何パターンかルートがあるんです。ある日はプールの帰りに空中ヨガに行き、ボディマッサージ、ある日は溶岩浴からサロンに行き、フェイシャルマッサージへ。
最近特におすすめなのが、南インドのアーユルヴェーダです。血液の循環が良くなり、体の中から毒素を排出してくれます。施術自体は日本でも受けられるけど、本場、南インドのケララでは村全体がリゾートになっていて、その中でのトリートメントは格別。フィリピンのザ・ファーム、タイのチバソムなど、世界のリトリート施設もお気に入りです。
私はオシャレが大好き。着たい服を着て、ファッションを楽しむために日々のボディメイクは欠かしません。
運動は常に新しいものを取り入れて進化しています
でも、高校生までは体格が良かったんです。女子プロに入ったらと友達に言われたことも。母は洋裁を仕事にしていて、私のサイズに合わせて制服もリフォームしてくれていたので、太っていることに気づいてなかったの。でも、制服ってみんな一緒なのに、明らかに似合っている子がいて、なんでかな? と考えると、スリムでスタイルがいい。友達と「痩せなあかんね」と言い合って、初めて減量(なんと! 当時はダイエットという言葉もポピュラーではなかった)にチャレンジ。何度かリバウンドして、4回目で20キロ近く落としたんです。単純に体重が減るのがおもしろかったのですが、ある日母に「太腿と太腿の間から奥の景色が見える。もうやめなさい」とストップがかかりました。食の大切さにも気づかされ、高たんぱく低カロリーについての本を読んで勉強し、納豆やお豆腐などをきちんと食べるようにしました。運動に関しては、当時はジムなんてないから、家で拭き掃除とか、縄跳びやストレッチをして、体を動かす習慣がそのときに身につきましたね。
21歳で芸能界に入ってびっくりしたのは、みんな垢抜けていてキレイなこと。ジムというものがあることを知って即入会し、エアロビクスに没頭。汗を流すってこんなにも気持ちがいいものかと実感しました。周囲から刺激を受けることも体重に関わっています。
29歳のときにニューヨークで出産。女優を辞めるつもりで渡米しました。栄養を摂らなきゃと思う存分食べました。しかし女優再開。食事療法やエクササイズで体型を整えました。
今もマラソン、ジムでの筋トレ、エアリアルヨガ、スイミングなど、ほぼ毎日何かしら運動はしています。最近行き慣れたヨガサロンがクローズし、「わ、どうしよう」と思っていたときにマシンピラティスと出合いました。体に負担をかけずにインナーマッスルを鍛えられるのでハマっています。
アンテナを張っていると、自分が求めている情報が入ってくるもの。運動の種類も進化しているので、どんどん新しいエクササイズに挑戦して、やってみて自分に合わないものはやめて、日々更新しています。
食生活で今ハマっているのは干し芋。農家で作っている干し芋をまとめて購入し、冷凍保存。オーブントースターでカリカリになるまで焼いてつぶして、ドライフルーツと一緒にシリアルに混ぜ、ヨーグルトに入れて食べたりもします。
夕飯は17時が理想、遅くなっても食べちゃいますけどね。外食も多いですが自炊もします。自分で作るときは無農薬野菜と豚肉で鍋にすることが多いです。薬味が好きなので薬味ラー油やこがし醬油などを常備しています。
甘いものも大好き。白金台にあるショコラティエ・エリカのマシュマロ入りチョコレート「マ・ボンヌ」を切って瓶に詰め、常備おやつにしています。ドラマ「グランメゾン東京」を監修したカリスマパティシエ德永純司さんのお店「équilibre(エキリーブル)」のチョコレートも大好き。白金にあるデザートコースのレストラン「山‐Yama」も最近のお気に入り。旬のフルーツをふんだんに使ったスイーツのコースで、スイーツの概念がガラリと変わります。
萬田さんの美の秘密
私の美肌を30年以上支える信頼のスキンケア
HABA を使い始めて32 年。Gローションと美容液ホワイトレディで肌を整えてから、最後にスクワランオイルで蓋をしています。乾燥から肌を守り、ふっくらしっとりします。
香りはファッションの一部。アトマイザーにもこだわります
シルバーのアトマイザーはティファニー。手にのるほど小ぶりで携帯に便利。エレガントで可愛くて、ハート形を買い足したほど。お気に入りの香水を入れて持ち歩いています。
エルメスの香水ケースに黒豆を入れて常に携帯
小腹が空いたときに食べる丹波の黒豆をエルメスの革製レフィラブルアトマイザーに。忘れていたこのケースが目に留まり、使ってないものはどんどん使おうと黒豆入れ用に。
三味線のバチのようなデザインにひと目ぼれしました
ふらりと入った大阪のエルメスで「Nice to meet you.」あら女優ミラーだわ。これが割れたときは女優を辞めるって言っているくらい大切にしています(笑)。
撮影現場となった講談社の旧本館貴賓室に、パールピンクのパンツスーツで颯爽と現れた萬田久子さん。数々の文豪たちが打合わせをしたという由緒ある部屋は重厚感たっぷりで、ゴージャスな萬田さんのオーラにぴったり。「世界建築遺産と萬田久子っていう連載おもしろそう」と大盛り上がり。
《衣装クレジット》
ジャケット、パンツ、インナー、バングル(すべてトム フォード)
◆あわせて読みたい
▶【小林麻美さん・70歳】の現在「若さはあっという間だけど魅力は80歳でも消えない」
▶還暦ビキニ越え!?仁科亜季子さん(69歳)に「古希ビキニを依頼してみた」答えは?
▶南 果歩さん(60歳)還暦を迎え「いくつになっても夢を見続ける乙女オバさんでありたい」!?
2025年『美ST』1月号掲載
撮影/曽根将樹(PEACE MONKEY) ヘア・メーク/黒田啓蔵 スタイリスト/宋 明美 取材・文/安田真里