ExWHYZ mayuの「日々、ぼやき。」#6 声と生活

©Takuya Iioka/光文社

4人組ガールズグループExWHYZ(イクスワイズ)のメンバー・mayuさんのエッセイ連載の第6回。ラジオ番組での「リスナーお悩み相談」が核心を突きすぎる……と高いコメント力で話題の彼女が、JJ世代の一女性として等身大の“もやもや”を赤裸々に綴ります。

こんばんは、ExWHYZのmayuです。

ツアー初日で声帯を悪くしてから約ひと月ほど、ずっと悪いです。

今までたまーに悪くすることはあったけど、こんなにひどいのは初めて。

少し無理するとすぐハスキーになってしまいます。

ぽぇ〜。

歌を始めて最初の頃は声が出なくなったりすることはあまりなくて、むしろ強い方な気がしていました。

3年目くらいの時、グループ内で変化があり、自分も人として変わっていかなければならない!という気持ちもあったので、心の変化と共に声を発する(=自分を表現する)ということに対して変化があったように思います。

 

自分の性格も顔も、以前は今よりもっと自信が無かったので喋ったり笑ったりするのとかも苦手だったし、人前に出ている時はがんばっているつもりだったけど、普通に過ごしていたら自分は人の気持ちを下げる人間なのかもしれない……と自覚させられることも人とたくさん関わる中で多かったので、ちゃんと人と関わるために「自分は変わらなきゃいけないんだ!」と思い、それからは自分の感覚を疑いながら、良いと思う方に矯正していく生活になっていきました。

そのときは自分らしさをある程度投げ捨てて(どうしても人なので完全に消えることはないけど)がんばっていたのかな〜?と思います。

あんまり自分が努力していると思えたことないからわからないけど。。。

今思えば、まあ無理はしていたのだろうけど、でもそうやって変わっていきたいと思って行動していること自体が自分らしいことだと思うので、それも必要な歩みだったとは思います。

何事もそれなりにやろうと思ったら無理は必要だしね。

おつかれ!

てなわけで、そういう自分の意思やファンの人からのあたたかい気持ちを受けて、前よりかは目の前の人に明るく接することが出来るようになったと思うし、素直によく笑えるようになったと思います。

そんな中でグループにまた変化があって、とにかく「自分を変えなければ!」という意識が常に強くある状態でした。

やりたくない、の気持ちは掻き消して、
やらなきゃ!の気持ちだけがありました。

やらない選択じゃなくてやる選択だけがいつも自分の中にありました。

だって、そのままの自分で認められたいと思えないから! こういう仕事なので。だからやり方が正解かどうかはわからないけど、当たり前のことかな?って思います。

 

活休を経て思うのは、自分を変えていきたいという意志はとても大切だけど、本来の自分らしさを認めてあげた上でじゃないといつか無理がたたってどこかが壊れはじめてしまうのかなってことです。

わたしは「自分はダメなやつだから」のところから出発しちゃっているから、いくら自分が良いと思う方へ自分を進めてみても”ずっと自分の側にいる自分”のことは満たしてあげられなかったように思います。

それで身体と心がバラバラになっていった気がします。

気がするってだけだけど!

 

話は戻りますが、ここ最近の声が出せなくなってからの生活は基本的に発声を控えている状態です。

そうなると自分的には”やっていない状態”になっていて。。。

最初の方は本当に声が出なかったから、強制的に発声を禁止されていて、自分が何もしてないことに焦りと不安があったし、こんなんで大丈夫なのかなー!?!? ってずっと思っていました。

でもだんだんその生活が続いてくると、自分が”喋りたいと思っているとき”と”喋らなきゃいけないと思っているとき”の違いがわかってくるようになりました。

あ、なんか、そんな無理に喋らなくていいかも?

って思ったらずっと自分の側にいる自分の気持ちを認めてあげられたようで、すごく気がラクになりました。

(仕事上、発声することは当たり前のことなので出来るだけ喋りたいのですが、最近は本当に声が枯れやすいので歌を優先しておしゃべりは少し控えめでお届けしています、すみません)

なんか普段はそんなに頑張らなくても大丈夫っぽい。

人とのコミュニケーションを自分が勝手に課題に感じすぎていたのかもしれないです。

喋らない方向じゃなくて喋る方向で解決しようとするのパワー系すぎる。汗

歌の面でも、今まではパワーで解決していたことがそう出来なくなってしまったので、そうじゃない方法でやる術を身に付ける期間にできそうな気がしています。

 

声が出なくてかなり落ち込んでいましたし、今でも申し訳なさとかもあるのでめちゃくちゃ気にしていますが、無駄にはしないぞ〜という心意気で過ごすことはできています!

自分の気持ちを聞くことと、違う技術を身に付けて、これからも楽しく表現していきたいです!

はやくよくなれ〜。

全てよくなれ〜〜。

おまじない。信じてないけど! やる!!

 

それではまた。

©mayu/WACK、光文社

profile/mayu (ExWHYZ)

2017年8月に事務所の先輩グループBiSHのイベントでお披露目された「EMPiRE」の初期メンバーとして活動をスタート。同グループは2022年6月に突如解散し、同じメンバーで「ExWHYZ(イクスワイズ)」を結成。2023年5月には、所属事務所・WACKのグループとしては初となる日本武道館ワンマンライブを開催し、成功させる。EMPiRE時代から作詞や振り付け、チームのまとめ役を担うコアメンバー。また個人としても、冠ラジオ番組にコンビニご飯のコラム執筆など、マルチに活躍。2025年5月より『ExWHYZ TOUR 2025 ‘(unfinished) odds and ends’』の開催を予定している。
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photo/Takuya Iioka
styling/Erika Abe
hair & maku-up/Yuri Ikeda[éclat]