突然街で怒られて…読者の「キレられエピソード」と専門家に聞く対処法は

街中、電車、記者会見…最近、怒っている人多くないですか?読者から寄せられた「怒られた!」エピソードを紹介。さらに、怒りと付き合う方法も、専門家に聞きました!

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怒られた!

【エピソード1】47歳 派遣勤務

職場が入っているビルの廊下でおしゃべりしていたら、突然隣の会社の男性が出てきて「うるさい!全部聞こえてるんだよ!」と怒鳴られました。怒られたのもショックでしたが、ドアの薄さにも驚き、ここではすべてが丸聞こえなんだとびっくりしました…気を付けます。

【エピソード2】46歳 自営業

電車の中でイヤフォンで音楽を聴いていた時。私は左耳がほとんど聴こえないので少し大きめに聴いていたら、近くの男性が「もっと音量下げろよ!」と怒鳴ってきた。少し悲しくなり、それ以来右耳だけで聴くようにしています。

【エピソード3】25歳 会社員

道の真ん中で携帯をいじってしまって「どけオラ!」と怒られました!反省。

【エピソード4】47歳 会社員

お店で間違った場所に並んでしまい、後ろから「並んでるんですけど!」と言われて、先に人が並んでいることに気がつきました。すみません、分からなかったんです…。

【エピソード5】32歳 会社員

電車に乗っている時に隣の人に鞄が当たっていたようで、舌打ちをされてようやく鞄が邪魔になっていたことに気づきました。

こんなエピソード、アンガーマネジメント的にはどうですか?

後悔する怒りではなく「上手に怒る」を目指しましょう

怒りそのものは悪ではありません。人間にとって自然な感情で、嬉しい・楽しい・悲しい・悔しいと同じく誰もが持つもの。物価の高騰や給与が増えないなど社会的な背景に、美ST世代の女性は家族の問題や更年期などストレスも加わり、イライラしやすくなったという声もあります。

「なぜあんなことを言ってしまったんだ」とか「どうしてあの時怒れなかったんだろう」と後悔する怒りは人間関係に悪影響です。でも心や体の安全が脅かされそうになった時に生じる身を守るための防衛感情なので、大事なものが侵害されたり、自尊心が傷つけられて湧き上がったのだと自覚しましょう。

上手に怒ることができたら自分も相手も後悔しません。どう認識し表現するかが重要で、感情を細かく分け俯瞰するのがコツです。下図のように「こうあるべき」という価値観や期待が裏切られた時に発生しますが、誰もが自分の「べき」を持っているので互いの常識の違いが火種になります。まずは自分なりの怒るべきことと怒るべきでないことを分けて考えましょう。

例えば美容室で怒りが湧いたepisode7の場合「顔の形は事実だからまぁ許せるけれど…年齢のことを言うべきではないのでは?」などですね。「こう言われて嫌でした」と冷静に伝えられたら後悔しなかったでしょう。この線引きを助けるのがアンガーマネジメントで、怒りの感情と上手に付き合うための心理トレーニングです。例えば、イラッときたら6秒待つ。感情の爆発を抑え、余計なトラブルを避けることができます。怒りとうまく付き合えることはより良い人生に繫がるので、ぜひトライしてみてください。

怒りとは?こうある“べき”を破られた時に生じる防衛感情です

©一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

「怒るか」「怒らないか」を決めるには、図のように“こうあるべき”の境界線を明確にするとイライラが軽減します。迷った場合は後悔しないのはどちらか?という基準で判断すると◎。

よく聞く“6秒”って?理性が働くまでの時間です

©一般社団法人日本アンガーマネジメント協会

怒りは瞬間的ですが6秒で落ち着いてくる特性が。気持ちが収まる言葉を思い浮かべる、何が嫌か俯瞰する、怒った先の未来を想像するなどでまず待ってみよう。

お話を伺ったのは…

戸田久実さん
日本アンガーマネジメント協会 代表理事

アドット・コミュニケーション代表取締役。大手企業勤務を経て研修講師に。企業や官公庁で「伝わるコミュニケーション」をテーマに研修・講演を実施。

書籍『アンガーマネジメント大全』(日経ビジネス人文庫)など、多数執筆。

2025年『美ST』4月号掲載
取材/平井ゆみ 画像/PIXTA 再構成/Bravoworks,Inc.

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美ST