【2026ラン活】何色を選べばいい?男の子が“赤”を欲しがったら…ママたちのエピソード
多様性の時代にあって、ランドセルは年々カラフルに。性差に関係なく「好きな色」を選ぶ子どもが増えている一方、息子に「赤いランドセルが欲しい」と言われて、ドキッとしてしまったというママの声も。読者のエピソードとともに、専門家に意見を伺いました。
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ダメって言いそうになるけど、ふと立ち止まりたい
赤いランドセルを持ちたい男の子を
応援できる親になりたい
ランドセル長冠鞄コードバン¥298,000(黒川鞄工房)※参考商品 その他スタイリスト私物
読者エピソード
息子の「赤いランドセルが欲しい!」
に躊躇してしまいました
EPISODE 1
F1好きな息子が欲しいと言ったのは「赤」。多様性が大事だと理解しているし、ダメとも思わなかったのですが、内心動揺を隠せず。それでも2カ月悩み、夫婦で「本人に任せよう」と決心。でもいよいよ買う段になった時、急にドラえもんにハマって、本人が青がいいと方向転換、最終的に青に。ほっとしたのも事実です…。
(M・Sさん・6歳男の子のママ)
EPISODE 2
本人は赤も青も同じように気に入っていて悩んでいたのですが、やはり親の方が躊躇。先生や周りから変わった親だと思われたくない、目立ちたくないと思ってしまい一生懸命「青、かっこいいね!」と言いまくって、青に着地させました。他の子は赤でもいいと思うけど…自分の子だとつい全力で止めてしまいました。
(S・Aさん6歳男の子のママ)
INTERVIEW 1
ファッション史を研究する
蘆田裕史准教授に聞きました
◉PROFILE
蘆田裕史准教授
京都精華大学教授。著書に『言葉と衣服』(アダチプレス)など。本と服の店「コトバトフク」の運営メンバーも務める。
❝「男の子が青、女の子がピンク」の
イメージすら偶然の産物。
色は自由でいいはずです❞
歴史を遡ると、19~20世紀のベルギーやフランス語圏の国では男の子にピンク、女の子にブルーをあてがう価値観があったとも言われます。アメリカでも、20世紀初頭は百貨店によってどちらの色を割り当てるべきだと考えるかが異なっていたようです。ただ、男の子がブルーで女の子がピンクの絵が流布し、イメージとして定着したのではないかという説があります。だとすると何かが違えば今の「常識」は〝男の子=ピンク〟だったかもしれません。現代、男性は黒や紺のスーツを着ることが多いですが、これは19世紀から始まった200年ほどの歴史に過ぎず、18世紀までの王侯貴族はカラフル。歴史の浅い〝ダークスーツ=男性〟の価値観が、ランドセルにも投影されているのではと個人的に思います。服装も男性は女性よりも選択肢が少ないですよね。
我が家には小学生の男の子がいるのですが、4歳のころスカートをはいてみたいというので、一緒に買いに出かけたことがありました。気に入って、家ではいていたのですが、出かけるときにもはきたいと言うので、悩みつつ周りから何か言われる可能性を話したうえで出かけましたが、やはり出先でいろいろ言われ傷ついてしまったことがありました。服装の制限に限らず、男は青だ黒だと決めつけることで個人が生きづらくなる弊害はあると感じます。しっかりした関係性が築けている場合を除き、着ているものや見た目で判断せず、思っても口に出さないことが大切だと思います。ランドセルも同じ。妻とは本人の好きなものを、と話しましたが、近所に黒を選んだ女の子もいて、そういう子が周囲にいれば多様な選択をしやすくなるし「ブルーやピンクの価値観すらたまたま」と親が知るだけで、見え方も違ってくるかもしれません。
INTERVIEW 2
発達心理学を研究する
森口佑介准教授に聞きました
◉PROFILE
森口佑介准教授
京都大学大学院文学研究科准教授。著書に『子どもから大人が生まれるとき』(日本評論社)、『10代の脳とうまくつきあう』(ちくまプリマー新書)など。
❝ジェンダーステレオタイプは
7歳で確立。ジェンダーに基づいた
言葉がけは避けましょう❞
7歳時点で〝男性の方が賢い〟というジェンダーステレオタイプが生じることが、研究の結果で明らかになりました。4〜7歳の子ども565人を対象に、男性と女性に見立てた棒人形を用意、「賢いのは誰か」「優しいのは誰か」と選ばせるテストを行ったものです。前提として幼い子どもほど自分の性を贔屓目に見る傾向がありますが、「優しさ」については、4歳から7歳までどの年代の女児も、女性の方が優しいと思っているということがわかりました。ところが「賢さ」は、4歳時点で両性とも自分の性の方が優れていると思っていたのに、7歳になると女児は〝男の子の方が賢い〟と思っている子が多い。どの年代も大抵女性の方が成績が良いことが多いので実態に即しておらず不思議です。理由としては、メディアに出てくる学者や総理大臣など子どもが「賢い」と感じる人の多くが男性で、家庭でも難しいことを「パパに聞きなさい」という場面があるからではと考えます。
社会の影響を、7歳時点で内面化しているのかもしれません。〝優しい=女性〟なのも、世話を焼いてくれるのが多くは母親=女性だからだと考えます。育児分担が日本より進んでいるアメリカでは「優しさ」が女性にここまで偏っていません。私にも娘がおり、ジェンダーステレオタイプで女の子が将来を狭めることになってほしくありません。7歳は就学時期で、ランドセルは、ジェンダーを意識する象徴的なアイテム。私たち親は、ランドセル選び一つとっても「男の子だから」「女の子だから」と、ジェンダーに基づいた言葉を子どもにかけないことや、対等な夫婦関係を築くことも大切。また、総理大臣や科学者など、女性のロールモデルの登場も影響が大きいはずです。
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撮影/渡辺謙太郎 スタイリング/池田 敬 ヘア・メーク/福川雅顕 モデル/タクミ ピュ 取材・文/有馬美穂 編集/城田繭子
*VERY2024年4月号「赤いランドセルを持ちたい男の子を応援できる親になりたい」より。
※本記事は過去掲載記事を元に再編成したものです。掲載中の情報は誌面掲載時のもので、変更になっている場合や商品の販売が終了している場合がございます。