亜希さん(56) 50代ど真ん中! 「すべての経験を糧にして、今の私が一番好きです」【インタビュー後編】

4月で56歳のお誕生日を迎えた亜希さん。いつもポジティブで明るい亜希さんですが、弱い自分でさえも世間に見せる飾らない強さが女性たちの共感を生むのかもしれません。50代も折り返し。40代の時の自分と比べて変化したこと、今だから思うことなど等身大の亜希さんを語っていただきました。
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亜希さんProfile
1969年生まれ。2人の男の子の母。2008年〜2010年までSTORYのカバーモデルを務める。現在はアパレルブランド「AK+1」のディレクターを務めながら、テレビのコメンテーターや料理家として活躍中。日テレ系の情報番組「DayDay.」にて木曜レギュラー(隔週)出演。YouTube「亜希の母ちゃん食堂」では登録者数19.7万人と人気を誇る。『家 ごはんと野球』(CCCメディアハウス)、『亜希の「ふたが閉まるのか?」弁当〜母ちゃんと息子2人、笑と涙の18年の弁当記録〜』(オレンジページ)『人生はプラマイチャラ』(幻冬舎)、ほか好評発売中。
腐らない自分でいるために、自分で決めたスケジュールは必ずこなします

___50代に入り、40代と比べて生き方や考え方など変わったことはありますか?
40代とか50代とか区切ることではないけれど、昔に比べて確実に変わったのはマインドです。「やれるうちにやる」というのが私の教訓。いつ倒れるか分からないし、今日という日は今日しかない。なので決めた一日のスケジュールは絶対に崩しません。ジムに行く日なら、雨が降ろうが、疲れていようが決めたことは絶対に崩さない。行きたくなくても「決めたことはやれよ」って自分に自答して、自分に向き合い、鞭打ってでもこなします(笑)。それこそ昔はやらない理由を探していましたね。忙しくもないのに「忙しい」とか言ってね。でもそういうことを積み重ねていくと自分が腐っていくのが分かるんです。もう50代後半になったら、とにかくやれるうちにやれることをする! 若い時は元気だし、欲張りだし、色々なことに目がいって楽しいほうに流されてしまいます。だけど後から「この時間なくてもよかったかも」とか考えてしまい、もったいないなと思うようになったんです。人生は有限ですからね。自分が抱える不安を跳ねのけるリセット力は自分にしかできないから、40代で下を向いてる人を見ると「大丈夫! まだまだいけるから」って背中を押したくなります。当たり前に朝なんて来ないって思っているので、目覚めた時は「朝来たじゃ〜ん。おはよう〜」って必ずベッドの上で一人声を出して言っています(笑)。

___朝起きた時に声を出すの良いですね。毎日を丁寧に過ごせる気がします。亜希さんは自分が思い描いていた50代を生きていますか?
う〜ん、40代のときは毎日が必死だったし、将来のことを思い描くことはあまりなかったかも。子育ても判断も選択も全部自分一人でしたからね。父親役と母親役の二役をこなし、先頭に立つことで強くなれた気がします。格好悪い生き方を子どもたちに見せたくなかったんですよ。想像しないことが起こるのが人生だと思うんです。パートナーっていなくなると自由で楽だけど、その反面すごく孤独を感じることもあります。時には誰かに寄り添いたくもなるし、頼りたくもなる。だけど逆境や孤独や壁があった方が生きる力が湧くのも事実で、マグマのように血が湧いてくるんです(笑)。何か問題が発生しても「ついてこいよ。幸せにしてやるよ」って男前に子育てしてきましたからね。離婚して10年が経ち、やっと自分らしくいられる気がします。SNSが怖いと思う時もあったけど、家族全員ネットニュースに出てる時があって(笑)、それ以来覚悟ができました。子どもを隠そうとしていた時期は、隠すことが守ることだと思っていたけれど、自然にあの子たちが野球を選び、堂々と顔を出して世の中に出ていった時に「あぁ、もうこれはこの子たちの人生だから」と見守るようになりました。それぞれの人生を、それぞれが歩もうとしていることを違う形で応援してあげたいと思っています。
「自分の人生に責任を持つ」当たり前だけど心に刻んで生きています

___50代折り返し地点にきて、残りの50代をどう生きようと考えていますか? 将来の目標を教えてください。
DayDay.のコメンテーターもヴァイオリンも新たなチャレンジで、3年前の自分では想像もしていなかったから、また3年後の自分がどんな新しいことにチャレンジしているか楽しみです。実は始めて口に出して言いますが、フルマラソンに挑戦しようかと思って(笑)。来年の東京マラソンとか? ホノルルマラソンも行ってみたいですね。やれる時にやりたいと思ったら今しかないかなって思って。元々ポジティブだったけど、昨年からジムに通い出して確実に変わったと思います。体力がついてきたら「なんとかなるさ」ってマインドになって、意外と怖いものがなくなりました。はじめた時に長男から「また3日坊主だろ」と言われてそれがすごい悔しくてスイッチが入りました(笑)。まだまだカラダはそんなに変わらないけど、そのまだまだって感じが心地良いんです。いろいろなことに手を出すと、全部が中途半端に終わるって昔は思っていたけど、最近は一つのことに拘って他がチャレンジできないのも違うかなって思うんです。中途半端って言葉は聞こえが悪いけど、一回試してみて違うと思ったら次をまた試せばいいなって。ちょっとした変化や経験が自分を強くしてくれるんだって、55歳になって気が付きました。いろいろ経験して、歳を重ねた「今の自分が好き」って心から思います。
撮影/古水 良(cheek one)、ヘア・メーク/岡野瑞恵(STORM)、取材・文/北野法子
ジャケット¥59,400、ベスト¥39,600、パンツ¥35,200(すべてChaos)お問い合わせ先/Chaos△GINZA△SIX 03-6264-6805