ExWHYZ mayuの「日々、ぼやき。」#13 懺悔室

©Takuya Iioka/光文社

4人組ガールズグループExWHYZ(イクスワイズ)のメンバー・mayuさんのエッセイ連載の第13回。ラジオ番組での「リスナーお悩み相談」が核心を突きすぎる……と高いコメント力で話題の彼女が、JJ世代の一女性として等身大の“もやもや”を赤裸々に綴ります。本編に入る前にちょっと深呼吸していただき、ぜひ一気にお読みください。

こんばんは、ExWHYZmayuです。

わたしは記録というものが苦手です。

記録をすることが苦手というか、記録を見ることが苦手なので出来ればやりたくないといったかんじです。

なんか、ずっと、生きていて恥ずかしいんです。

(前回のコラムで生きるぜ!ってテンションのこと書いてたくせにね)

1秒でも時間が経てば、物事に幅を持たせてしまう癖があるので振り返ると爆発しそうになります。

「こうすれば良かったのかなあ」

「この時はこれで良いと思ってやったんだけどね」

「こうすれば良かった、ってどの観点から思ってる?」

「変に思われたかもしれない」

「体裁が気になる、と」

「自分がめんどくさい人間だって事を再確認して嫌になった」

「寂しい、と」

「あとなんかもうそもそもダサかった」

「でも全力出してダサかったのは仕方なくない?」

「ダサいと思えるってことは成長してるってことだよね」

「でもその時にいた人にとってのわたしはその時のわたしで止まってるよな」

「それはそうだけど……人間にはこれからしか来ないよ」

~色々考えたのち~

「「「ウワー!!全部消し去りたーい!!」」」

となるので、たまに他人との会話でも懺悔の時間になってしまう時があります。

それも反省。相手はわたしのために存在してない。自分はなんて暴力的なんだろう。などと思い始める。だから黙って文字にする。

そしてこのようにして文字にすることで、誰かの「こう思ったり、そうしていた自分は罪深かったのか」などという疑念になったらどうしよう? っていう考えも浮かんでくる。このコラムをわざわざ読んでくれる人なんてどうせ優しい人だから!

心配しないで大丈夫です。ここはわたしの懺悔室だと思ってください。ここにはわたし1人なんです。誰も関係ないのです。ごめんなさいね、ここ狭いんですよ。お茶でも出したいんですけど、くつろぐところでもないので、すみませんね。

というわけで続けさせてもらいます。

 

自己肯定感ってやつがなさすぎる、他人のことを気にしすぎている、大丈夫だよって言ってほしいだけなんだと思いますけど、傷付けてないか心配になるしこわい。てか生きてたら傷付けてしまう時があるんだもん。どうしても譲れないこととか、まだわからないことや出来ないことがあるから。そのときはごめんねと思いながらやるしかないじゃん。あとからでもごめんって思うしかない。それで終われればいいけど。
未熟でごめんなさい。でもやっぱりできたら傷付けたくないから、誰も近付かせないようにしてしまう時がある。大切に思いすぎている。でも大切に思わないと大切にされないじゃないか。でもこんなに思ってるやつは「重たい」とか言われて遠ざけられますよね? ということは最初から近付かない方が自分も相手も傷付かないで済むよね?(あとなんか相手を思ってる感じで話進めてるけど結局自分が傷付きたくないだけだから、このへんでそこ押さえさせてもらいますね~。)
なんだかんだ人との接触をやめようと思ってやめられるならいいけど、やめられないのが人間なのかもしれないな。誰かに伝えるためにいろんな技術や芸術があって、触れるし、わかったりわからなかったりするし、わたしを人間たらしめてるのってこれだよね? だからやめたいなら人間やめるしかないよね、やめたーい、肉体手放したーい、脳みそだけになったらなー。なんて思ってるけど、こんなものは痩せたーいって言いながらたらふく食うみたいなもので健全な証拠じゃん。やったー! あと脳みそだけになりたいっていうのは知識とかっていうより自分の魂のようなものに価値を感じているってことだと思うけど、わたしの肯定できるラインってそこなんだ。そしてなぜそれは残したいと思うんだろう? 生きてるから?

いきすぎてる、たぶん。

ごめん!!!!!!で終われるくらいがいいんだと思います。

\ごめんで済むなら警察いらねーだろ!/

誰ですか、静かに。ここはわたし1人の空間なので。

記録も記憶も仕事も人間関係も「めんどくさくなったら消しちゃえばいい!」っていうのは人生を乗り切る術のひとつではあるけど、わたしはそこまで切り替えが早い方ではない。

忘れてしまえばいいのかもしれないけど、忘れようと思えば思うほど忘れられないものなので(書いてて思い出したけど都市伝説で二十歳になるまで覚えてたら死ぬといわれている単語あったな、ウケる、死ななかった)、都度折り合いをつけて上書き保存していくしか自分には出来なさそうです。

反省ばっかり! だけど、それでいい。

のかな?

 

まあとりあえず今は、やれることを一生懸命やって、ずっと未熟者の顔をしていようと思う。

未熟者の様相でなめられるのは慣れたし、もうそれで構わないとすら思ってる。本当は諦めたらダメなのかもしれないけど! 諦めたら伝わるかもしれないことも可能性が0になるだろうから! いつか威勢なんか張らなくても大丈夫になりたいな。それまでは、やってみたいと思ってしまいます。

どうせ消せないから、めちゃくちゃ残すし思い切りやってみる!

 

今日はこのくらいで許してあげよう。

とあることから過去の自分に「お前あんま自分を美化すんなよ」と釘を刺された気分になったので、書きました。

 

それではまた。

©mayu/WACK、光文社

profile/mayu (ExWHYZ)

2017年8月に事務所の先輩グループBiSHのイベントでお披露目された「EMPiRE」の初期メンバーとして活動をスタート。同グループは2022年6月に突如解散し、同じメンバーで「ExWHYZ(イクスワイズ)」を結成。2023年5月には、所属事務所・WACKのグループとしては初となる日本武道館ワンマンライブを開催し、成功させる。EMPiRE時代から作詞や振り付け、チームのまとめ役を担い、また個人としても、冠ラジオ番組にコンビニご飯のコラム執筆など、マルチに活躍。
5月より全国11都市を巡る「ExWHYZ TOUR 2025 ‘(unfinished) odds and ends’」を開催中。7月30日に1stシングル「iD」をリリース、8月2日には活動3周年を記念したワンマン公演「ExWHYZ 3rd Anniversary Special Live ‘Our Step→Future’」をLINE CUBE SHIBUYAにて開催する。

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photo/Takuya Iioka
styling/Erika Abe
hair & maku-up/Yuri Ikeda[éclat]