【会場編】“これが私たちの理想の結婚式”——CLASSSY.ライター下田さんに、気になるアレ全部聞きました!
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結婚式は、一生に一度の大切な節目。おしゃれ感度の高いCLASSY.ライター・下田真里衣さんは、どんなふうにその一日をデザインしたのでしょうか?会場やドレス、演出から引き出物の選び方まで、先輩花嫁ならではの視点と経験がたっぷり詰まったインタビューをお届けします。これから結婚式を考える方にとって、ヒントになること間違いなしです!
会場は「アンダーズ東京」。“おしゃれなダイニングで同窓会”がテーマ
@アンダーズ東京

結婚式を挙げたのは、東京・虎ノ門ヒルズにあるラグジュアリーホテル「アンダーズ東京」。
数ある式場の中からここを選んだ理由には、下田さんならではの視点がありました。
「実は学生時代、結婚式場でアルバイトをしていたんです。当時は専用式場で働いていて、サービスの質や会場の運営体制について思うところがたくさんあって…。その経験から、ホテルウェディングであることと、スタッフのホスピタリティが高いことを重視していました。」
アンダーズは、開放感と重厚感が共存するデザインや、1日最大4組限定でほかの花嫁とバッティングしない配慮など、まさに理想を叶えてくれる場所。そして、ふたりが選んだ会場「東京スタジオ」は、東京タワーを一望できる前面ガラス張りの空間。装飾は最小限に抑え、ゲストとの距離感や空間の心地よさを何よりも大切にしたそう。

さらに特筆すべきは、持ち込みの自由度の高さ。ドレスや小物類、ブーケまで持ち込み料が一切かからず、自分たちらしいセレクトが叶う点も大きな魅力だったといいます。
「“アンダーズって高そう…”という印象を持たれることも多いのですが、外注や持ち込みをうまく活用すれば、むしろコストを抑えることもできるんです。自由度が高いからこそ、自分らしさを大切にしたい人には本当におすすめです。」
装花は、景色を引き立てる自然体のアレンジに

メインソファの後ろに広がる、ガラス越しの絶景。その景観を生かすためにも、装花はあくまで控えめに。
「寂しくならないように木を配って高さを出しつつ、会場の雰囲気に合わせてピンクと白を基調にまとめてもらいました。」
会える歓びを演出する、最初のひととき

ゲストを迎えたのは、会場前にある「シェフズスタジオ」。
ドリンク片手に会話を楽しめるよう開放し、披露宴が始まる前から和やかなムードに。

装飾は、自作のイラストと2人の馴れ初めボード、ウェルカムボードと席次ボードのみ。
「ヴェールをつけた状態でたくさん写真を撮れて、『こんなに早く話せると思わなかった!』という声ももらえてうれしかったです。」
ケーキは、シンプルで洗練されたデザインにアクセントを

「デザイン性のあるシンプルなケーキにしたくて、段ごとにクリームの模様を変えてもらいました。」
中央には会場の装花とリンクした生花を添え、フルーツは全体を引き締めてくれるブルーベリーをチョイス。ドレスや装花とのバランスを考えた、統一感のある一台に仕上がりました。
ペーパーアイテムはこだわりの自作

招待状や席札などのペーパーアイテムは、すべて下田さんの手作り!
「ウェルカムスペース同様、写真は使わずカリグラフィーのみでシンプルにまとめました。こだわったのはフォントの美しさ。会場の装花に合わせて、白地にオリーブグリーンの文字色を選びました。」
特に席札は、紙の折り方の美しさにも気を配り、綺麗に折り曲げられるよう専用キットまで用意したそう。細部まで抜かりのない、控えめだけれど品のあるペーパーアイテムが、会場全体の雰囲気をさりげなく引き立てる要素に。
ドレス選びで大切にしたのは、自分に似合うかどうか

「海外ウェディングのようなシンプルな白ドレスに憧れて、たくさん試着したんですが、なかなか『これ!』という一着に出会えず…。ブランド名で一目でわかるものは避けたかったし、個性的すぎるデザインも似合わず、完全にドレス迷子でした(笑)」
そんな時、「あなたは絶対、華やかなものが似合う!2ヶ月後にぴったりのドレスが届くから信じて待ってて」と背中を押してくれたのが、インポートドレス専門のアトリエ「marry me regina」のオーナー・マヤさん。
「アンダーズのような洗練された空間では、マーメイドドレスのイメージが強かったんですが、自分にはしっくりこなくて…。そんな私に、『それじゃない』と正直に言ってくれたのがありがたかったですね。」

1着目は、繊細なレースが美しいイタリアブランド「Maria Pia(マリア・ピア)」のドレス。肩パッド入りでスタイルよく見せてくれる、華やかさとラフさのバランスが絶妙な一着。2着目は、ビジューがあしらわれた韓国ブランドの白ドレスで、大人っぽさと可愛さが同居するデザイン。

両方ともホワイトにした理由は、「ウェディングドレスだからこそ、白の幅を楽しみたかったから」。小物やアクセサリーもトータルでレンタルし、韓国ドレス特有のレースアップ部分もお直ししてもらえるなど、親身なサポートにも助けられたそうです。
余興もサプライズもなし。対話を楽しむスタイルに
演出でいちばん大切にしたのは、ゲストとの時間をしっかり取ること。
そのため、よくある余興やファーストバイトなどは一切行わず、あえて自由時間をたっぷり確保。お酒を片手に各テーブルをまわり、ゆっくりと会話を楽しめる構成にしたそう。
「披露宴って、意外と新郎新婦がゲストと全然話せなかった…ということが多いと思うんです。だからこそ、自由にテーブルを回って、ちゃんと会話ができる時間を作りたくて。写真撮影も形式ばらず、自然な流れでできたのがよかったですね。」

また、空間全体の雰囲気づくりの一環として、音楽にもとことんこだわったそう。
「洋楽で統一して、80年代のポップスと最近のオーセンティックな楽曲をミックス。おしゃれなダイニングで流れていそうなプレイリストをイメージして、夫と一緒に作りました。BGMは記憶に残らないかもしれないけれど、空間を彩る大事な要素だと思ったんです。」
実際に、「音楽がすごく良かった!」という声がゲストからも多数届いたのだとか。
伝えたい想いをかたちに。心に残る3本の映像演出
〈プロフィールムービー〉
ふたりの生い立ちや友人との思い出を紹介するプロフィールムービーは、なんと下田さんの自作。
「Canvaのテンプレートを使って、ホームビデオのようなあたたかみを意識しました。両親や祖父母にも喜んでもらえるよう、写真のチョイスやメッセージの入れ方にもこだわりました。」

〈オープニングムービー〉
披露宴のはじまりを彩ったのは、手描きのイラストを動かして編集した、かわいらしいスケッチモーションのオープニングムービー。
「ミュージックビデオのようなかっこいい演出も素敵ですが、アットホームな雰囲気にしたかったので、自分で全て描いて編集しました。2人の思い出アルバムをめくるような、馴れ初め紹介ムービーです。」
動画づくりが趣味である下田さんだからこそ実現できた、手作りとは思えないクオリティ。
「動かす作業が一番大変で、完成まで3ヶ月以上かかりましたが、やってよかったと思える一番の演出でした。」

〈エンドロール〉
披露宴の締めくくりには、nayuta(@nayuta_wedding)さんに依頼したエンドロールを上映。
「『ここ!』という瞬間をしっかり切り取ってくれて、かつセンスよくまとめてくださったのが本当に嬉しかったです。お人柄も素敵で、お願いして大正解でした。」
引き出物は、“本当に喜ばれるもの”を伊勢丹で厳選
「カタログだと欲しいものが見つからなかったり、食器やタオルなどは好みに合わないと困ることも多くて…。だったら、自分たちで本当にいいと思えるものを贈ろうと決めました。」
下田さんが選んだのは、伊勢丹新宿店内にあるショップから自由にセレクトできる「時の場」経由の引き出物。女性ゲストには「BAUM(バウム)」のハンドケアセット、男性ゲストには「THREE(スリー)」のボディケアセットを。いずれも「自分ではあまり買わないけれど、もらったら嬉しい」という消耗品に。そして親族には、ご祝儀の金額に合わせて伊勢丹の上質なギフトカタログを用意したそう。
引き菓子とプチギフトは、味で選び抜いたとっておきの逸品を

引き菓子は、伊勢丹のデパ地下に何度も通い、ふたりで徹底的に食べ比べをして選定。
「最終的に、『間違いなく美味しい!』と満場一致だったのが、「LENÔTRE(ルノートル)」のサブレ・シトロン。焼き菓子やフィナンシェも絶品で、個人的にも大好きなパティスリーです。」
さらにプチギフトには、式場であるアンダーズ東京での打ち合わせ時に毎回出してもらっていた、思い出の「エクレアラスク」をセレクト。
「どちらのお菓子も、あとから『めちゃくちゃ美味しかった!』と感想をもらえて、本当に嬉しかったです。」
「結婚式をしてよかった」——その実感が、これからのふたりを支えていく

「準備は決してラクではなかったけれど、それ以上に『結婚式をして本当によかった』という気持ちが強いです。人生で自分の大切な人たちが一堂に会してくれる日って、本当に貴重。自分が当事者になってはじめて、そのありがたさを深く実感しました。」
結婚式を通して、ふたりの関係性や人生観にも大きな気づきがあったといいます。
「これまでふわっとしていた“結婚”というものに、しっかりと実感が持てたのが大きいですね。それが、これからの夫婦生活の土台にもなっている気がします。」
これから式を挙げる人へ——下田さんからのリアルなアドバイス
◆やってよかったこと
「とにかく、ゲストと話せる時間を最優先したこと。あえて余興や演出を入れずに自由に動ける時間をつくったことで、『ちゃんと話せてうれしかった!』という声をたくさんいただきました。自分たちにとっても、大切な人たちと向き合える時間になりましたね。」
◆やっておけばよかったこと
「オープニングムービーや感動的なシーンを、『撮っておいて!』と誰かにちゃんとお願いしておけばよかったです。みんな集中して見てくれていたぶん、意外と誰も撮っていなくて(笑)。動画好きとしてはちょっぴり後悔しています。」
取材・編集/藤井由香里