神山まりあさん「息子の成長を感じた出来事」
神山まりあさんの本誌人気連載「笑うママには福来る。」からもう一度読みたいエピソードを紹介します。「ずいぶん大きくなったなあ…」息子のディーン君の成長を感じた瞬間とは?
*VERY2021年11月号・連載「神山まりあの笑うママには福来る。」を再編集したものです。
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【連載】神山まりあの「笑うママには福来る。」Vol.33
「タオタオからの卒業」
幾度となくこのコラムで紹介してきたディーンの宝物。
それはピンクのタオル、通称『タオタオ』。
トイレの手拭き用タオルだったことは知らぬまま、生まれたときから一緒でどこに行くにも離さない。
よって、初代タオタオはとうにすべて紛失し、今や同じ生地のバスタオルサイズタオタオへと成長とともにサイズも進化している。
ディズニーランドへも持って行き、キャンプでも一緒。
車の中では必需品、寝るときは絶対に握ってタオタオの匂いを嗅がないと眠れない。
そんなタオタオは家族の一員のような存在で、どの家族写真にもピンクのボロボロのタオルは写り込んでいる。ピンクというかもはや洗いすぎて白くなってきてる。
でもタオルを抱えている息子を見ると、まるでスヌーピーに出てくるライナスみたいでかわいい。永遠にディーンはタオタオを抱いて過ごし、成人式や結婚式にもきっと抱いているんだろうと妄想していたら夫に笑われた。
その日は突然に
やってきた。
朝から晩まで水遊びやBBQをやる学校のクラス行事の日。
前日なんの疑問も持たず、いつものように大量の荷物の中に、ジップロックで香り諸共封印したタオタオをリュックに入れる。
すると、ディーンが横に座った。
「マミー、
タオタオ
いらない」
え?
思わず聞き返す。
タオタオなくてもいいの?
「僕もう5歳のおにーちゃんだから、タオタオいらない。恥ずかしいもん」
私は思わず泣きそうになった。
私のかわいいライナスが自立への一歩を踏み出そうとしている。
いつかはこの日がくるかもしれないと思っていたけど、それはあまりにも突然に起きた。
「5歳のおにーちゃんだから」
5歳という節目は彼にとってとても大きくて、誕生日を境にいろんなことに挑戦しようとしている。シャワーだって立ったままできるようになったし、プールもゴーグルのみで飛び込む。一人でバーバのお家に泊まりたいと言ったり、うちで寝るときは一人のベッドがいい。
大きくなった
もんだ。
ついこないだまで赤ちゃんだったのに、今や少年になってプチ反抗期まで迎えてる。
そんなディーンの成長が切なくも嬉しくて目頭が熱くなる。
学校の行事へは自分でコーディネートしたお気に入りの白Tに黒いハーフパンツを着て、タオルをたたんで整えたベッドの上に置き、彼は家を後にした。
ベッドの上に綺麗にたたんで置かれたタオルが「これでいいんですよ」と私に話しかけてくる。
その日の夜。
思いっきり楽しんできたディーンはニッコニコで帰ってきた。
手を洗ってうがいして、一目散に自分の部屋へ走っていく。
そっと部屋を覗くと、
ベッドの上でギューッとタオルを抱きしめていた。
愛おしそうに、タオルを抱いて気持ちよさそうな顔をしている。
それを見た私と夫はふふふと笑う。
そして、またタオルが「これでいいんですよ」と言ったような気がした。

◉神山まりあ
1987年2月17日生まれ。2011年ミス・ユニバース ジャパングランプリ。2016年ディーンくんを出産。2018年妊娠、出産、初めての育児を綴った著書『神山まりあのガハハ育児語録』(光文社)を刊行。インスタグラム@mariakamiyama。
イラスト/Apricots Art 編集/湯本紘子
*VERY2021年11月号「神山まりあの笑うママには福来る。」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のもので変更になっている場合がございます。
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