体外受精の姉に「30代でセックスレスレスはヤバい」とマウントを取る妹の呆れたひと言とは【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】
日本では半数以上の夫婦が陥っているといわれるセックスレス。フリーライターのまほさん(仮名、36歳)は、運輸・物流系企業のシステムエンジニアである夫・伸さん(仮名、36歳)と結婚して10年。9歳と7歳の息子がいて、いずれも体外受精による出産です。育児の忙しさの中でセックスレスに悩むことなく生活してきましたが、最近、33歳で妊娠した妹からの「レスじゃないマウント」に頭を悩ませているといいます。
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■恋愛体質ではない2人が、24歳で早婚へ

「夫とは大学のサークル仲間で、24歳の頃に結婚しました。もともとそんなに早く結婚するつもりはなかったんですが、『同棲したい』と親に言ったら『籍も入れずに一緒に住むなんてとんでもない』と猛反対されて。『じゃあ入籍しちゃおうか』と結婚に踏み切ったんです。交際4年目でした。『28歳くらいで結婚できたら』という人生設計よりは早まりましたが、後悔はありません」。
別々の大学に通っていたまほさんと伸さんが出会ったのは、インカレ系のボランティアサークル。
「海の清掃活動をしたり野良猫の保護をしたり、合間にマリンスポーツを楽しんだり。学生時代は有意義に過ごしていました。夫も私も異性には奥手。恋愛にそこまでエネルギーを向けないタイプです。でも映画やアニメの趣味が似ていたり、まったりした空気感が心地よかったりして、自然な流れで付き合うようになりました。夫にとって私が初めての恋人だそう。私は3人目の彼氏でしたが、3ヵ月以上続いたのは彼が初めてでした」。
保育士の資格も持つまほさんは子供が大好きで、「お母さんになるのが夢だった」といいます。
「結婚当初はまだ同棲気分で、気楽に仲良く暮らしていましたね。当時は性交渉もありました。それでも1年経っても子供ができませんでした。あるとき、月経不順が続いたので婦人科を受診したところ、妊娠しにくい体質だとわかったんです」。
20代という若さで体外受精を選び、採卵して受精卵を凍結。
「採卵して受精卵になった2つが長男と次男です。セックスレスになったのも、体外受精の方向で妊活を始めた頃からだったと思います。アラサーでセックスレスなのは早いと思われがちですけど、子育てで忙しい20代30代がレスでも不思議じゃないと私は思っています」。
■在宅ワークで仲良く暮らすレス夫婦
セックスレスであることをまったく気にせずに暮らしていたというまほさん。
出産と同時にそれまで務めていた会社を辞めてフリーの編集ライターに転身。その頃、伸さんも在宅勤務の多い会社に転職したそうです。2人は建売住宅の中2階を仕事部屋にし、マイペースに仕事と育児を分担しながら、平和に暮らしていたといいます。
「そんな平和を乱しにやってきたのが、私の妹・ゆい(仮名、35歳)です。妹とは普段は仲がいいんですが、性格が真逆。私が早く結婚したときは『20代前半で結婚した夫婦って離婚しやすそうだよね。だって20代後半って女が一番モテる年齢じゃん』って“自由恋愛マウント”を取ってきて(笑)。自分が31歳で結婚して33歳で出産した後は、“レスじゃないマウント”まで。本当にめんどくさいんです」。

■妹の「レスじゃないマウント」に悩む
まほさんとゆいさんは年子で、顔も体型も似ているそうですが、趣味趣向は子供の頃から違っていたとか。
「妹は陽キャなギャル、私はどちらかというとオタクな漫画好きです。妹は女子大の服飾系学科を卒業して今はWebデザイナーをしています。妹が選んだ夫は、元ラグビー部の体育会系で派遣会社の営業マン。妹より年上の40歳で落ち着いた雰囲気ですが、学生時代は“陽キャグループだけど硬派”だったと妹からのろけのように聞かされました。見た目は、元マッチョが中年になってちょっと肉がついた感じです」。
その義弟は年齢のわりに体力があり、男性ホルモンが満ちているのか、ゆいさんは妊娠後期と産後以外は一度もレスになったことがないと話しているそうです。
「2人目の妊活中だという妹に『やっぱり基礎体温とか計ってるの? 女の子がいないから3人目妊活とか考えてる?』と聞かれて、『体外受精だし3人目はもうないかな。そもそもレスだしね』と返したら、『信じられない。カウンセリング行きなよ』と盛大に驚かれてしまいました」。
ゆいさんいわく、老夫婦ならともかく30代でセックスレスなんて「夫婦円満とは言えない」。
「聞いてもいないのに『うちは週2であるよ。あるでしょ、普通。今からレスだとそのうち浮気されるんじゃない?』と“自分の普通”を押し付けてきて」。
あまりに何度も言われるので、つい売り言葉に買い言葉で、イライラして言い返してしまったというまほさん。
「『うちは仲がいいし円満だよ。そっちこそそんなに精力が有り余ってるなら、外で若くてかわいい子に近づかれたら浮気しやすいんじゃない?』と言ってしまいました。それが図星だったのかはわかりませんが、『円満って言うならセックスレスについて夫婦で話せる? どうせ恥ずかしくて話せないんでしょ? そんなの円満夫婦じゃないよ。そんなんじゃ男の子のママなのに性教育もできないんじゃない?』と反論されて、大ゲンカになりました」。

ゆいさんは子供の頃から「寝たら忘れる」タイプだそうですが、自称「粘着質」のまほさんは今でも少し怒っているそうです。
「放っておいてほしいと思いつつ、妹は妹で私を心配してくれたわけで……。『男の子ママなのに性教育もできない』は図星かもしれません。“家に性の匂いを持ち込みたくない”という気持ちがあって、『学校で学んできてくれたらいいな』って思ってしまっています。もし夫が浮気したり何か問題が起きたりしたらカウンセリングに行くのもいいかもしれません。でも今はふたりとも子供に夢中でいつも家にいますし、平和で快適なのにわざわざ気まずい思いはしたくないというのが本音です」。
※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。
取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA
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