山本美月さん『子どもの頃から愛し続けている』漫画愛を語った!推しの5冊
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約2年間続けてきたこの連載も今月がラスト。今回は、満を持しての「マンガ」がテーマ!マンガ好きな人もそうでない人も、熱量たっぷりのお薦めコメントにきっと心が動かされるはず。コンシェルジュ美月がナビゲートするマンガの世界へ、いざ!
私という人間を作る大切な要素!美月とマンガ。
\語り出したら止まらない!/

子供のころから今に至るまでずーっと愛し続けているものといえばマンガ。読むのも自分で描くのも、アニメで見るのも大好きだし、私の人生に欠かせない、むしろ私を形成する主要成分。ファンタジーが好き。シュールな笑いが好き。世界が滅んだ後に生き延びた系のお話が好き。何も起こらない静かなストーリーも大好き。好みのジャンルはいろいろだけど、譲れないこだわりもいっぱい!今回厳選したのは、どれもお気に入りの自信の5冊。この面白さをみなさんにも共有してもらえたら…♡連載最終回、マンガに託す私からのメッセージです。
近くにいる人には有名な、美月のマンガ愛。満を持してのマンガ談義、始まります!
――マンガを読むようになったきっかけ、覚えてる?
「お父さんがマンガ雑誌をたくさん買ってたから、小さい頃から身近にあったの。初めて読んだのは、たぶん『星のカービィ』じゃないかなぁ。月に一冊だけ好きなマンガ雑誌を買っていいことになっていて、『ちゃお』が始まりでした」
――マンガの師匠はお父さんなんだね。
「マンガだけじゃなく、私のオタク気質の原点がお父さん!私、マンガを読むと没入しちゃって他のことが何もできなくなるんです。誰にも話しかけられたくないの。たとえば『鬼滅の刃』を読んでる時とかに話しかけられるともう本当にイライラ。“今戦ってるんだよ、こっちは。生きるか死ぬかの時によそ見できないんだから!”って(笑)」
――世にマンガは数多あるけれど、美月ちゃんに響くのはどんなもの?
「昔からファンタジーが好きです。『鋼の錬金術師』は殿堂入り。『COJI-COJI』とか『赤ずきんチャチャ』みたいなコメディも嫌いじゃない♡ゲラゲラじゃなくてクスクス、鼻の奥がくすぐったいようなシュールな笑いが好きなの。それとは真逆で、静かな何も起きないような作品も読みます。マンガの取材でいつも挙げている志村貴子先生の作品は全部好き!」
――美月ちゃんは自分でも絵を描くし、好きなタッチで選んだりもする?
「そんなに描き込まれていない画が好み。シンプルでラフなタッチというか、余白があって空気感を楽しむような作品に惹かれます」
美月の推しマンガ5選、どんな人にオススメか聞いてみました!

――なんとなく好みが分かってきたところで、お気に入りの厳選5冊についても詳しく聞きたくて。
「なるべく新しいもので、読む人を選ばず、ちゃんと読めばみんなが面白いはず!というものにしてみました。でも5冊選ぶの、難しかった~!普段からよくオススメのマンガを聞かれるのですが、好みって本当に人それぞれだから、まずその人の好みや求めているもののヒアリングから始めます(笑)」
――では美月レコメン1冊目『映像研には手を出すな!』。これはどんな人にオススメしましょう?
「遊び心あるものが好きな人、細かい設定を楽しみたい人。舞台になっている学校にはいっぱい秘密があるんだけど、この学校の歴史とか独自の文化とか…細かい設定が楽しいの!主人公やその他のキャラも可愛くて。ごちゃごちゃなんだけど、ちゃんとまとまってるのがすごいなぁ、って読むたびに感動しちゃう。作者の先生が楽しみながら描いているのが伝わってくるんです。私はアニメを見てからマンガを読んだのですが、アニメとマンガどちらも素敵なの。だから、両方ともそれぞれの良さを楽しんでほしい作品かなと思います。」
――2冊目は『葬送のフリーレン』。
「現実や人間関係に疲れている時や、心洗われたい人に読んで欲しい。勇者が魔王から世界を救った後の物語なんだけど、その始まりが好き。主人公はエルフだから年をとらないし死なないし、人間の感情も知らないの。だけど少しずつ人間らしさを身に付けたり、気づかずにいた他人の思いを後で知ることになったり、すごく切なくて。旅に出て、いろんな出会いがあって…冒険とかファンタジー好きな私のツボを突いてくるんです」
――「このマンガがすごい!」の常連でもあるんだよね。
「こんなに切なくて美しい物語が評価されていることが、素直にうれしいって思います。残酷なシーンもあったりするけれど、絶対に負けない、絶対に死なない、主人公が絶対的に強いという安心感もいいのかも」
――今の世の中、みんなマンガにも安心感を求めているのかな。
「そうなのかもしれない。ハラハラドキドキ、裏切られたりしたくない時代なのかな?これは本当に、優しいお話なんです」

――それでは3冊目、『天国大魔境』はどんな人に薦める?
「没頭して読みたい、伏線回収好きな人にぜひ!私、世界が滅んだ後に生き延びた系のストーリーが大好きなんです。壁に囲まれた学園の中の世界と、大災害で文明が崩壊したあとの未来の日本…という2つの軸で描かれているお話で、荒廃した未来の日本で生きる主人公ふたりが「天国」を求めて旅に出るの。本当に謎が多くて、伏線がいっぱいちりばめられてる。複雑なストーリーなんだけど、謎解きして味わえるスッキリ感は最高!」
――それでは4冊目、『じゃあ、あんたが作ってみろよ』です。
「まさにCLASSY.読者にぴったり、と思って選びました。今の価値観を表現している作品。男性が望む“理想の女性”を目指して生きてきた女のコが、彼にプロポーズされるんだけど、これって本当に幸せなの?と思い始めて別れを切り出し、本当の自分の幸せを見つけていくんです。そしてその彼側も、ハイスペックでモテてきたはずなのにフラれた後パッとしなくて、自分にとってのあたりまえや常識にとらわれていたことに気づいていくの。彼女がよく作ってくれていた筑前煮が、実はすごく手間がかかる料理で作るのが大変ということを知ったり。第3巻が出たばかりだから、すぐ追いつけるはず!絵もすごく可愛いんです」
――では最後、『女の園の星』です。
「これはとある女子校の日常のお話。私自身女子校育ちなんですが、こういう感じが懐かしくて。みんな仲がよくて、先生にあだ名つけたり、いたずらしたり。ちょっと恥ずかしい思い出がよみがえってくるのもいいんです。授業中に変なマンガや小説書いてるコとかいたよね~。ていうか私のこと⁉(笑)みんな読んで感想くださいって授業中に回し読みしたりして。で、先生に見つかって没収されて怒られたり。懐かしい!そんな思い出を追体験できる作品なの」
――私も1巻を読んでみたんだけど笑いが止まらなくて困った(笑)。
「でしょ。これは日常に笑いが足りない人にもオススメしたい。作者の実体験なのかな、自分で考えたストーリーなのかなあ…どっちにしても天才!シュール系の絵もいいよね。マンガじゃなくて絵としても成立するような作風が大好きです」
――美月ちゃん自身、絵やマンガを描いたりするから、作家の先生の大変さも感じるんじゃない?
「ストーリーを考えて、作画して…本当にとんでもなく大変な作業。みなさんすごいと思います。締め切り前は徹夜だったりするかもだけど、無理しないで!って思います。次が読みたくて待ちきれないほど楽しみだけど、時間がかかってもファンは待ってますから♡」
――美月ちゃんがマンガから学んだことはどんなこと?
「うーん…これを学んだ、と言えないくらい、たくさんのこと!たとえば『宇宙兄弟』を読んで、私はなんで頑張ってないんだろう、もっと頑張らなくちゃ!と思ったりね。ドラマもあまり見なかったし、本も読まなかった私にとって、マンガがすべてでした。あらゆる感情、考え方…全部マンガから学んだの。自信をもって言えるのは、私はマンガで作られてる!ってことなんだ」

\選ぶの超難しかった~!/
美月的推しマンガ5

a.映像研には手を出すな!
大童澄瞳/小学館
2016年より『月刊!スピリッツ』で連載スタート。女子高生3人が「映像研」を立ち上げ、アニメを自主制作していく物語。妄想や想像がそのまま映像になって流れる演出が気持ちいい!
b.天国大魔境
石黒正数/講談社
マルとキルコという魅力的なキャラが「天国」を探して荒廃した未来の日本を旅するSFミステリー。多くの謎と伏線が少しずつ解決されていく構成や、美しく丁寧な絵と描写が魅力。
c.じゃあ、あんたが作ってみろよ
谷口菜津子/ぶんか社
イケメン御曹司と料理上手な恋人が交際6年目でのプロポーズを機に破局。従来の「あたりまえ」を見つめ直す。料理を通じて新たな人間関係を構築していく今どき恋愛ストーリー。
d.葬送のフリーレン
原作・山田鐘人、作画・アベツカサ/小学館
2020年から『週刊少年サンデー』で連載スタート。受賞歴は「マンガ大賞2021」大賞など。長命のエルフであるフリーレンが旅を通して人間の心を知っていく、切なく美しい物語。
e.女の園の星
和山やま/祥伝社
「このマンガがすごい!2021」オンナ編第1位をはじめ、受賞歴多数。ある女子高を舞台に33歳の男性教師と生徒たちとの奇想天外な掛け合いを中心に描くシュールなコメディ作。
【衣装クレジット】ブラウス¥13,000パンツ¥12,000(ともにバナナ・リパブリック)ネックレス¥198,000(マフ)
撮影/今城 純 モデル/山本美月 ヘアメイク/岡田知子(TRON) スタイリング/三好 彩 取材/西道倫子 編集/月田彩子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年6月号「山本美月 Crazy for…」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。