『かくかくしかじか』出演・見上愛さん「周囲の評価と自分の評価は分けて捉えています」

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話題作への出演が絶えず、来年の朝ドラでは主演を務める、俳優の見上愛さん。俳優業と学業の両立を経て、着実にキャリアを積み上げている今。周りからの評価を受けやすい立場でありながら、評価との向き合い方はとてもフラット。潔く割り切った姿勢に、見上さんの芯の強さを感じるインタビューでした。

中高は「失敗は沢山しなさい」という校風。お風呂が沸くまでに反省は終わらせます

大学を卒業してから、仕事の向き合い方が変わった

大学在学中にデビューした当初は、俳優の仕事にも一生懸命向き合いつつ、どちらかと言うと、重きは学業にある感覚でした。でも卒業後、同級生たちが就職して働いているのを目の当たりにしたときに、「今、私に残されているのは役者の仕事なんだな」と実感して、仕事観も変わりました。いちばんの変化は、現場を作る責任感が増したこと。それまでは、現場で起こることに対して自分が我慢して済むならそうするし、自分が楽しんでいられたらいいと思っていました。ですが、私が我慢することで、それが当たり前になり、年下の世代が主張しにくくなってしまう実情に気づいた瞬間があったんです。以来、できるだけ全員が気持ちよく働ける現場を目指すようになりました。ここ数年で、みんなが心地よく仕事できた方が、よりいい作品になることも見えてきました。多くの人の時間と労力を割いて作り上げている、という自覚が強く芽生えた今は、居心地のいい環境作りのためにできることにも注力しています。

周りからの評価と自己評価は切り分ける

昔から比べることが得意ではないので、周りとの比較は全くしないです。比べると消耗するし、その疲れを自分が受け止められない、というのも理由のひとつ。だからこそ、できているところも、足りていない部分も、自分を客観視した基準で測ることを大事にしています。人からの評価を受けやすい職業なので、「一切、影響を受けていない」と言うと嘘になりますが、周囲の評価と自分の評価は分けて捉えています。自分の全てを見せられているわけではないし、人によって求めている“私”の像も違うから、評価が異なるのは当たり前。当てはまっていこうとすると大変だし、楽しめなくなるので、そこに縛られないように意識しています。

失敗は人生を豊かにする。学生時代の経験が今に生きています

中高時代の先生からは「とにかく失敗をしなさい」と教えられてきました。失敗に対して、恥ずかしいとかダサいという印象よりも、「学びを得て成長できるから、むしろカッコいい」と植え付けられたのは、大人になってありがたみを感じています。映画『かくかくしかじか』は、漫画家の東村アキコ先生と恩師の物語を描いていて、作品を観終えた後には、お世話になってきた先生たちのことを少しずつ、思い出しました。そういう大人が向き合ってくれたおかげで今は、「失敗しても意味がある」と思えるし、失敗のたびに人生が豊かになっている気がします。せっかく失敗するなら、後悔ではなく分析に焦点を置いて、プラスに考えたいな、と。私はその日の終わりに反省会をするので、「あれ、言わなきゃよかった」とか「もっと面白い返しができたな」と内省することもよくあります。でも、ベッドに入ったら考えません。お風呂を沸かしている間だけ、と時間を決めて、ひとしきり反省して終わりにする感じです。「あー、失敗しちゃったな」ではなく、なるべく思考を次への打開策に持っていき、一日の最後は前向きに終わらせます。

【取】
忙しくても、ものづくりの時間は大切に。最近陶芸の窯を買いました

友人きっかけで陶芸を始めた時期に、アイスランドを訪れ、アトリエで作家さんの話を聞いたことでさらに興味が湧きました。家でも焼けるように窯も購入。今は練習期間で、器やマグカップを作っています。ろくろを使わず手で仕上げる技法もたくさんあるので試行錯誤中。ものづくりは得意ではないですが好き。小学生の頃から勉強よりもノートをデコっている時間の方が長いタイプでした(笑)。仕事以外のことを考える時間になってリフレッシュにもなります。

【捨】
「なくても思い出せる」ものは、感謝を伝えて手放しています

とりあえず取ってあるものが多いので、ちゃんと感謝を伝えて、役目を終えたものは処分したり、ものによっては人に譲ったりして、家の中を整理しています。手放すときの判断基準は、こんまり先生のメソッドで、“ときめくか、ときめかないか”。実用的なアイテムだけでなく、思い出とともに残してあるものが大多数を占めるので、「もの自体がなくても、思い出せる」と感じたら、手放します。自分で作った器や絵、DIYした小さなボックスとか。これからも色々創作したいし、新しいものが仲間入りするだろうから、作ったときの記憶が残っているものは、一旦断捨離するのがマイルールです。

上手い下手関係なく楽しめるボーリングに夢中
久しぶりに友達と行ってみたら、みんながハマったボーリング。そのメンバーが揃う機会はなかなかないので、家族を招集して行くことも。私自身はあまり運動が得意ではないのですが、ルールがシンプルで上手い下手関係なく楽しめるところにも惹かれています。ハイタッチもうれしい瞬間。親しい友達でもハイタッチってあまりしないし、一緒に喜び合えるのも好きです。

見上愛さん
2000年生まれ。東京都出身。2019年デビュー。主な出演作は、フジテレビ「119エマージェンシーコール」、テレビ朝日「マイダイアリー」、映画『不死身ラヴァーズ』など。NHK大河ドラマ『光る君へ』では藤原彰子を好演。待機作に映画『国宝』がある。さらに、主人公の一ノ瀬りんを演じるNHK連続テレビ小説「風、薫る」が2026年春放送開始予定。5月16日公開の映画『かくかくしかじか』では、永野芽郁さん演じる主人公・明子のクラスメイトで、クールなミーハー女子・北見を演じる。
映画『かくかくしかじか』は2025年5月16日(金)公開。出演:永野芽郁、大泉洋、見上愛、畑芽育、大森南朋 配給:ワーナー・ブラザース映画