上白石萌歌「自己受容のほうが大事だったりするのかな」25歳のリアルを語る

女優・歌手の上白石萌歌さんにインタビュー。25歳になった今の気持ちや、自分との付き合い方、ちょっとした日常の楽しみまで、素直な言葉で語ってくれました。

25という数字に自分がカチッとハマった感覚

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最近よかったエンタメはありますか?

映画『E.T.』。少し前に映画館で特別上映されていたんです。実は観たことがなくて、せっかくなら初めてを映画館で味わおうと観に行ったんですけど、もう本当に素晴らしくて。ボロボロ泣きました。メッセージ性のあるストーリーもそうですし、子役の方をはじめ役者の方々の凄まじい演技力にも圧倒され、長く愛される名作にはやっぱり理由があるなと思いました。

忙しいなかで自分を見失うことや自分の軸がブレそうになる瞬間はありますか?

あります。ついこの間もキャパオーバーになって、自分がどうしたいのかわからなくなってしまったときがありました。ただそういう場面で成長したなと思うのは、ダメな自分を責めるだけじゃなくて、受け入れられるようになったこと。年を重ねるごとに完璧じゃない自分も許すことが得意になってきて、そうしたら自然と気持ちも早くリセットできるようになりました。自己肯定感というワードを今ではよく耳にしますが、個人的には自己受容のほうが大事だったりするのかなと思います。

心を休めるために何をしますか?

家で音楽を聴きます。レコードプレイヤーをセットしたり、お気に入りの曲をスピーカーから流したり。ちなみにこのスピーカーは本体とスマホを直接ケーブルで繋がないといけないもので、自分からスマホを離すという意味でも、ちょっとしたデジタルデトックスに役立っています。私もスマホをなかなか手放せない人間なので、家にいるときくらいは、と始めてみたら結構リラックスできてよかったです。

デジタルデトックスは難しいですよね。SNSをするうえで気をつけていることを教えてください。

いちエンタメとして見ること。これは以前アンミカさんから教えていただいたことでもあるんですけど、流れてくる情報を真に受けすぎると気がつかないうちに心をすり減らしてしまうと思うんです。なかにはエピソードを面白くするためにちょっと誇張して書かれているものだってあると思いますし、SNSというコンテンツを好きだからこそ、いい距離感で付き合うというのは今後も大事にしていきたいです。

25歳を迎えて何か心境の変化はありましたか?

思っていたより25という数字に自分がカチッとハマった感覚がありました。やっぱり仕事を始めた年齢が早かったので、自分の見た目と考えていることにズレを感じる瞬間が結構あったんです。まわりからの見られ方に違和感を覚えることもありました。でもそういうものが25歳にしてなくなってきたというか、24歳までは感じたことがなかったしっくり感を感じたなと思います。

理想の大人像はありますか?

いくつになっても幼な心を大切にできる人でいたいというところで、その代表格が私のなかではリリー・フランキーさん。『The Covers』という音楽番組で一緒にMCをさせていただいているんですけど、童心を忘れない感じが素敵なんですよね。スヌーピーのシール集めがお好きだったり、BLACKPINKのJISOOさんを推していたり。いつもすごく楽しそうにお話ししてくださいますし、こういうチャーミングな大人になりたいなと憧れます。

この夏の予定や美容事情は?

ジャケット¥68,200/セイヴソン(ザ・PR)

自分自身の好きなところはどんなところですか?

声。話し声も歌声も好きです。程よく低くて暗そうな感じがいいなと。声って変えられないものでその人の大事なアイデンティティだと思いますし、自分だけじゃなくほかの人の声にも結構敏感なんですよね。

どんな声が好きですか?

Clairoというアーティストさんの声が好きです。ほんのりウィスパーで、角があまりないような感じ。あと身近なところでまわりの友達が自分の波形に近い声をしている人が多いような気がするんです。女性は耳で恋をする、なんていったりしますけど、実は無意識のうちに心地よく感じる声の人を選んでいたりするのかなとも思ったりしました。

夏を感じる瞬間はどんなときですか?

水泳が好きでよく市民プールに行くんですけど、そこに来る人が増えてきたときに夏だなと思います。子ども達のカラフルなスイミングキャップで景色が鮮やかになる感じもいいですよね。

この夏にやりたいことはありますか?

片付けです。忙しくなると部屋のなかが大変なことになるので(笑)、今年こそはきれいな状態を保てるようにしたいです。窓を開けて夏の空気を感じながら着手すれば、いい気分でテキパキ進められるはず!

行きたい場所はありますか?

台湾。休みができたら今すぐにでも飛んで行きたいくらい大好きな場所です。日本から飛行機で4時間くらいで行けますし、新幹線とかの交通機関の多くに日本語表記があることも大きくて。ひとりで行ったときも迷わず安心でした。ご飯も本当に美味しいですし、気に入った場所、これから行きたい場所は地図上にピン留めしています。どんな季節に行くのもいいですが、これからの季節は、かき氷屋さんを巡って食べ比べするのもいいですよね。

ファッションのこだわりはありますか?

最近自分のなかでブームが再燃しているのが総柄プリントの服。写真や絵がダイレクトにプリントされた個性的なデザインのもので、トップスからワンピースまで気に入ったデザインのものをいろいろ買っています。アートを全身で表現するような感じもいいなと思いますし、もともと服をあれこれ組み合わせて着るより存在感のあるものを一枚でパッと着るほうが好きだったりするので、かなり重宝しています。

ビューティ事情を教えてください。

最近使い始めたのがフェイスポインター。肌に垂直に押し当てるだけで筋肉のコリにアプローチしてくれるというペン型の美容器具です。私は首にも使っていて、ペン先がちゃんと骨と骨の間に入る感じとか、痛気持ちいい感じが癖になって。普段から持ち歩いては、移動中などに使っています。あとは、去年の秋に顔まわりの髪にレイヤーを入れてもらったんですけど、それをどう遊ぶか考えるのがすごく楽しいです。内巻きにしてウルフヘアっぽく仕上げたり、髪を結ぶときに前に残してポイントにしたり。なかなか自分で自由に髪型を決められる仕事ではないので、それを作ったことでちょっとした気分転換にもなりました。なかには美容室で私のヘアをオーダーしてくださる方もいるみたいでうれしいです。

何か集めている欲しいものはありますか?

おにぎり作りにハマっているので、いろいろな種類のふりかけが欲しいです。最近買ってよかったのは、梅ちりめんのふりかけ。シャキシャキした梅がたまらなく美味しくて、リピート買いしちゃいました。たまに現場のみなさんへ差し入れでにぎっていったり、最近は物産展でふりかけコーナーを見るのすら楽しいです。

上白石萌歌

2000年2月28日生まれ、鹿児島県出身。’11年開催の第7回東宝シンデレラオーディションにてグランプリを受賞。翌’12年に俳優デビュー。’18年、第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。俳優として数多くの映画、ドラマ、舞台に出演するほか、adieu名義で音楽活動も行う。全国公開中の映画『パリピ孔明 THE MOVIE』では、ドラマに引き続きヒロイン・月見英子を演じる。25歳を記念した写真集『charm charm』(講談社)は6月4日に発売。

Photography_Teruo Horikoshi(TRON) Styling_Aya Kurosaki Hair & Makeup_Tomomi Shibusawa(beauty direction) Interview_Yuri Tokoro Text & Edit_Megumi Shimbo