田畑智子さん(44)「韓国版の大ファン。自分が演じるなら『この人』って思っていた」【『私の夫と結婚して』インタビュー】
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12歳でデビューしてから、人生のほとんどを俳優として過ごしてきた田畑智子さん(44)。朝ドラや大河への出演など、華々しいキャリアをお持ちですが、ご自身はとても人当たりがよく、柔らかい雰囲気の方でした。身近にいたら人生の先輩として、いろいろなことを相談したくなりそうです。そんな田畑さんは、配信中のAmazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』でも、主人公を優しく見守る会社の先輩を演じています。日韓合同プロジェクトの現場の雰囲気や共演者とのエピソード、さらに田畑さんが俳優として歩んできた年月についても話を聞きました。
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Profile
1980年12月26日生まれ。京都府出身。1992年、オーディションで8253人の中から選ばれ、主演映画『お引越し』でデビュー。2000年にはNHK連続テレビ小説『私の青空』で主人公に抜擢。その後も大河ドラマ『利家とまつ』『新選組!』『しあわせは食べて寝て待て』、映画『血と骨』『ふがいない僕は空を見た』『空白』など、数々の作品に出演。また、03年のディズニー映画『リロ・アンド・スティッチ』では、主人公リロの姉・ナニ役で声優に初挑戦した等身大かつリアリティのある演技が多くの人々の共感を呼んでいる。現在、舞台『華岡青洲の妻』に出演中。
韓国ドラマ版の大ファン。自分が演じるなら「この人」って思っていた

――まず、ご出演中のAmazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』についてお伺いします。田畑さんは、大ヒットした韓国ドラマ版はご覧になっていましたか?
もちろん! 韓国ドラマはいろいろと見てきましたが、かなり上位に入るくらい大好きな作品です。でも実は、はじめはタイトルで少し敬遠していました。私も夫がいる身なので、結婚生活にまつわるネガティブな要素を取り入れたくなかったんです。だけど、当時のマネージャーさんが「絶対におもしろいから!」と何度もすすめてくれて。覚悟を決めて見てみたら、まんまとハマってしまいました。物語の軸には復讐というテーマがありつつも、コメディ要素もたっぷりで、ポジティブな気持ちで見ることができたんです。おもしろくて、思わず一気見してしまいました。
――ということは、今回のお話は田畑さんにとって、とても喜ばしいことだったんですね。
そうなんです。お話をいただいたのが、全話見終わってすぐの余韻が冷めやらぬ時期で。しかも役柄が、もし自分が演じるならこの人がいいと思っていたキャラクターだったので、なんて素敵な巡り合わせだろうと思いました。
生の韓国語が聞ける現場に、ちょっとウキウキしていた
――ちなみに、これまでも、そんな不思議な巡り合わせを感じたことはありますか?
私は、どこかで「願いは口に出すと叶う」と信じているような気がします。ご一緒したいと思っていた役者さんの名前を口に出していたら、共演できたこともありますし。それこそ、「いつか韓国ドラマに出てみたい」とも、ずっと言い続けていましたね。
――本作は、日韓合同プロジェクトということなので、念願が叶ったともいえますね。
はい。現場に行くとき、ドラマで聞いていた韓国語が生で聞けるんだって、ちょっとウキウキしていました(笑)
――日本の現場と比べて、撮影方法や演出で新鮮だったことはありますか?
スピード感が違いました。あまりテストをせず、すぐに本番に入るので、しっかり準備をして臨まないといけなくて。日本だと、現場でテストを繰り返すなかで、徐々に形にしていくことも多いので、最初は周りの共演者のみなさんも少し戸惑っているような雰囲気はありました。
みんなでご飯や飲みに行くのが大好き! 幹事を買って出ることも
――そんななかで、田畑さんは現場でどんなことを意識していたんですか?
とにかく、自分の準備は家で終わらせていくことを意識していました(笑)。あとは、ふだんとそんなに変わらず、いつも通りでしたね。私は基本的に現場では、俯瞰で見ているというか、客観的な立場にいるのが自然で。今回は、役柄もほかの登場人物たちを見守るような立ち位置だったので、そのままの自分でいられたかなと思います。
――共演者の方々とは、どんな雰囲気で過ごされていましたか?
1度、みんなでご飯を食べに行きました! はじめましての方が多かったので、ずっと行きたいと思っていて。撮影スケジュールのラストのほうに、ようやく集まることができました。
――田畑さんは食事会や飲み会を主催されることも多いんですか?
私は、みんなで食べたり飲んだりするのが大好きなんです。昔から、先輩たちがご飯に連れて行ってくれるのが、すごく楽しくて。私もぜひそれをやりたいんですけど……。このご時世なので、気軽に誘うのはちょっと怖いんです(笑)。だから、「お酒好き?」とか「ご飯どう?」とか、事前に探りをいれて。もちろん、そういうのが苦手な人もいると思うし、無理に来る必要はないんです。でも、本当に行きたい人同士で楽しむのは、いいことなんじゃないかなと思います。
デビューは12歳のころ「大人の世界に触れられるのが楽しかった」

――田畑さんは12歳のころ、映画『お引越し』でデビューされていますが、子どものころから芸能界で活躍されていて、大変だったことや辛かったことはありますか?
日常と違う世界を体験していることを、純粋に楽しんでいたような気がします。ただ、学業優先という約束があったので、夏休みや冬休みが仕事で潰れてしまうことは悲しかったですね(笑)。でも、学校も仕事も大好きだったので、とくに苦はありませんでした。
――10代のころから、お芝居が好きだったんですか?
正直、10代のころは、お芝居がどんなものなのか、よくわかっていなかったと思います。ただ、大人の世界に触れられることが、新鮮でおもしろかったというか。お芝居が楽しいという感覚が芽生えて、この世界でやっていこうと本腰を入れたのは、20代のころでしたね。
――そうなんですね! 俳優の仕事に本腰を入れたきっかけは何だったんでしょう?
23歳のとき、『ニンゲン御破産』という作品で、初舞台を踏んだことです。稽古のときから、みんなで1つのものを作り上げていく過程が、すごく楽しくて。「こんな世界もあるんだ!」と感動したのを覚えています。これをずっとやり続けたいと思ったのが、俳優として生きていく覚悟を決めたきっかけですね。今も、年に1本は絶対に舞台に立ちたいなと思っています。
年齢はとくに気にしない。39歳でも40歳でもどっちでもいい(笑)
――その後、30歳という節目を迎えるときに、何か特別な思いはありましたか?
とくに意識はしていませんでした。でも、当時の事務所の社長さんに「もう20代も終わりだから、30歳になる節目にこういう作品もやってみない?」と言われて。そういう考え方もあるんだと、ハッとしました。まだ考え方が幼くて、20代と30代で違いがあるなんて、思いつきもしなくて。そのときの映画が『ふがいない僕は空をみた』です。あの言葉がなかったら、何も考えずに30歳を迎えていたと思います。
――今も年齢については、とくに意識していないんですか?
そうですね。自分の年齢を気にしたことは、あまりないかもしれません。40歳になるときも「このまま39歳のままでも、明日すぐに40歳になっても、どっちでもいいや」と思っていました(笑)
演じた役の人生が、自分の中にも積み重なっている
――お話を聞いていて、田畑さんは年齢というより、作品との出会いが節目になっているのかなという気がしました。
たしかに、その作品の世界や、演じる役の人生を生きるので、少なからず影響は受けますよね。まったく違う考え方や価値観を持つ人を演じることで、自分の中にも、その役柄の人生が、どんどん積み重なってきたような気がします。
――なるほど。演じる役にも影響を受けているんですね。
そういうことが多いかもしれないです。今も、方言を使うお芝居の稽古をしているのですが、ふだんはまったく出ない関西弁を家で多用しています(笑)。はっきり切り替えるというよりは、役と自分が緩やかにつながっているようなイメージですね。
information
田畑さんが出演するAmazon Originalドラマ『私の夫と結婚して』は、Prime Videoにて世界独占配信中。全10話。第9話と第10話が7月25日(金)24:00から配信予定。夫と親友に裏切られて命を落とした美紗(小芝風花)は、なんと10年前にタイムスリップ。人生を生き直すことを決意し、力強く成長していく。
ドレス/furuta
問い合わせ先 https://maisonfuruta.com/
撮影/HAL KUZUYA スタイリング/伊島れいか ヘアメーク/陶山恵実 取材/近藤世菜 構成/越知恭子