4児ママ・加藤夏希さん(40)の後悔。「20代のときに、もっと出産について学べばよかった」
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俳優、タレントとして活躍しながら、プライベートでは4児の母でもあり、1歳になったばかりのベビーもいる加藤夏希さん。前回の記事では、ご自身のキャリアや仕事と家庭とのバランスについて語っていただきました。今回は4人のお子さんに囲まれ、夫さんとハッピーに暮らす加藤さんの幸せの秘訣をお聞きしました。
Profile
1985年7月26日生まれ。秋田県出身。14歳で俳優デビュー。雑誌「JJ」の専属モデルとして絶大な人気を博し、「花より男子2(リターンズ)」「リアル・クローズ」をはじめドラマ・映画に多数出演。現在は俳優、タレントとしてドラマやバラエティに出演、舞台のプロデューサーとしても活躍している。プライベートでは4児の母、食育アドバイザーの資格を持つ。Instagramはnatsukikato_official
夫婦仲良しの秘訣は、相手を変えようとしないこと

――俳優やタレントとしても活躍される一方で、4人のお子さんを育てている加藤さんですが、夫婦が仲良くいるために心がけていることは?
結婚して10年ほどになりますが、意識しているのは「相手を変えようと思わないこと」です。変えようと頑張ってしまうと、勝手に期待して、勝手に裏切られた気持ちになってしまうし、しかも結局相手は変わらないんですよね。結婚して数年経って気づいたコツです。
長く一緒にいると、「こういう言い方をすると怒るよな」とか 「こういう時、夫婦関係が悪くなるな」とか、ツボが分かってきます。私たち夫婦は、そのポイントを回避しつつ、たまに「ここはちゃんと言わなきゃいけない」と思った時はきちんとぶつかります。お互いを手のひらの上で転がし合っているような関係というか、「そう来ると思った」「こうしてほしいんでしょ」と、自然と理解し合っている感覚です。
たとえば、私は暑さが苦手で、夏に動物園に行くとテンションが下がって、つい空気を悪くしてしまう。一方で夫は、お腹が空くと不機嫌になるタイプ。買い物中にちょっとイライラしてるなと感じたら、「あ、お腹空いてるんだな」と察して、私から「ねえ、お腹空いたから先に食べに行ってもいい?」と声をかけます。そうすると、「あ、いいね。そうしよう」とすんなり機嫌が直る。
――そこで「あなたが」ではなく「私が」お腹が空いたから行こう、と声をかけるんですね?
そうなんです。きっと彼も、「自分がお腹空いてるのを察して言ってるんだな」って、わかってると思うんですよね。だからこそ、「私が空いたからごはん行こう」って言ったほうが、思いやりが伝わる気がして。
最初はつい、「お腹空いてるでしょ?」って直接言っちゃったこともあったんです。そしたら「分かってるなら、言う必要なくない?」って返されて…そこで「あ、言い方って大事なんだな」って気づいて。それからは、同じことを言うにしても、相手に気を配った言い方をするようにしています。
本音の自分でいられたことと仕事への理解が結婚の決め手
――加藤さんは、夫さんのどんなところに惹かれたのでしょうか?結婚の決め手があれば教えてください。
彼と付き合うまでの恋愛では、相手の“理想の彼女像”に自分を寄せていくタイプだったんです。メークやファッションもその人に合わせて変えたりしていました。でも、今の夫はもともと友達で、取り繕っていない私を知っていた人。「オシャレな店で食事とかじゃなくて、家でゲームするのが楽しいタイプなんだよね」「だけど相手についつい合わせちゃって」なんて話もけっこうしていました。彼に対しては「役作りのように自分を相手の好みに演じなくていいんだ」「この人とずっと一緒にいるとすごく会話も楽だな、いいな」と思ったんです。
もう一つの決め手は、私の仕事への理解があったこと。当時の私は仕事が最優先で、プライベートの時間がほとんど取れなかったのですが、それを無理に変えようとせず「そういう仕事だからしょうがないよね」と受け止めてくれました。
たとえば「この日、みんなでご飯行くからおいでよ」と誘われて「行く行く!」と返事していたのに、撮影が全然終わらなくて行けなかったことがあって。そのときも、「こんな時間なのにまだ終わってないの?」と責めることもなく、周囲をなだめながら「そういう仕事だからね」と言ってくれて。そういう柔軟さに、「結婚するならこういう人かも」と自然に思えたんです。仕事に理解があるかどうかって、結婚する上でとても大事なポイントだと思います。
一人焼肉も平気だったのに今は出張先で一人だと寝付けない

――4人のお子さんを育てる中で、価値観に変化はありましたか?
一人で何かする、というよりも「みんなで何かする」に変わりましたね。みんなでいるのが当たり前なので、地方で仕事がある時にホテルに泊まると、一人だとなんか落ち着かなくて眠れないんです。せっかくこんなに布団も枕もフカフカなのに!となる(笑)。普段子どもに挟まれて寝ているので、人のぬくもりがないと眠れない体質に変わってしまったみたいです。
カフェで一人でゆっくりするのも、落ち着かないんですよ。「私ここに一人でいるけど大丈夫かな?」という感じ。結婚するまでは一人焼肉とか一人カラオケとか、何でも一人でできていたのに、今は不安ですね。カフェに行っても、飲んだら帰る、みたいな(笑)。
ただ子どもたちは21時に就寝なので、それ以降は大人の時間。夫婦で話したり飲んだり、趣味のゲームをしたり、2人の時間にしています。
卵子凍結の知識は、もっと早く身に着けておけばよかった
――恋愛、結婚、出産と一通り経験された中で、「もっとこうすればよかった」と感じることはありますか?
出産に対する意識を、もう少し早く持っていればよかったなと思います。たとえば、ひとつの選択肢として、20代半ばのうちに卵子凍結をしておくとか。
最初の子以外は、病院に通って薬を飲んだり、注射を打ったり、卵子を元気にするための治療が本当に大変で…。特に一番下の子は、妊活に時間がかかりました。30代になってから、「自分の卵子ってこんなに元気がなくなってるんだ」と実感する場面が増えましたね。
だからといって、「30代だからもう遅い」というわけではないんです。でも、周りを見ても、40歳が近くなってから結婚して、「出産はもう無理かも…」と感じている人が多くて。もっと早い段階で、若い卵子を凍結しておくという選択肢を知っていれば、自分自身だけじゃなく、周りの人たちも救われたかもしれない。私も、もしかしたらもっと子だくさんになっていたかも(笑)。でも、そういうことって誰も教えてくれないんですよね。
――時間は戻せませんが、先生からもそのようなアドバイスがあったのですか?
「20代の卵子は一番元気だよ」とは言われましたね。特に4人目の妊活に行った時に「え、妊活またするんですか?」と驚かれて。そのときに「だったら前回の妊活の時にいい卵子を何個か取っておけば良かったな」と思いました。
「できるかな?」じゃなくて「やる」と断言すれば前進できる

――今の加藤さんから、アラサーだった時のご自身に声をかけるとしたら何を伝えたいですか?
アラサーの頃は、「こうなりたい」と思い描いていることはあるけれど漠然とした不安を抱えて自分を信じきれない時期でした。だからこそ、「自信をもって大丈夫。あなたは思い描いた通りになるように努力できる人だよ」と伝えたいですね。
それから、「できるのかな?」じゃなくて「やる」と断言したほうが、気持ちも前向きになるよ、とも言いたい。
舞台のプロデュース公演は4人目妊活中の時。「出産が無事にいくのか?その後の舞台の稽古や公演にも参加できるのか?本当に、このタイミングでできるのかな?」と迷いましたが、「大丈夫、やるんだ」と思い切って決めたら、不思議となんとかなったんです。
同じ秋田出身の先輩・柳葉俊郎さんも「どんな時でも歩き続けるしかないんだよ」って言っていて、まさにそうだなと。「たられば」を言って思い悩んでいても、それは進んでいないということなので、どんな状況でも、まずは進むことが大切だなと思います。
フットワークの軽い時期こそ、思い立ったら即行動して!
――現在アラサーのCLASSY.世代の女性たちにも、伝えたいメッセージやアドバイスがあればお願いします。
子どもが4人いる私からすると、お子さんがいない方や独身の方って、非常にフットワーク軽く動ける状況だと思うんですね。なので、もう思い立ったら即行動! 旅行に行きたいなって思ったら、すぐに行ったほうがいいと思います。それが後になって「あの時、突然あそこに行ったけどすごい良かったよな」と思える経験になったり、将来子どもに「ママはここに一人で行ったことがあるよ」と伝えられたり。後でつながることって、たくさんあります。
たとえば「語学留学したいけど、今じゃないかな」みたいに思い悩んでる人も多いと思うんですよ。行けるなら、すぐ留学したほうがいいですね。今持っているものや環境をどうするかは一旦置いて、自分が何をしたいか、自分に聞いてみてください。
私が一人の時にやりたかったけれどできなかったことは語学留学と海外移住。今やろうって思うと、なかなか非現実的で。もしそれが一人の時だったら、短期でも叶えられたのかなと思うので、みなさんにはぜひ叶えてほしいです。
取材/加藤みれい 構成/越知恭子