MEGUMI さん(43)が経た結婚、出産「お金も仕事も減って…でも辞めなくてよかっ た」

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10 代でデビューし、長くキャリアを築いている MEGUMI さん。俳優として活動しながら、コスメブランドや美容本も手掛け、ボーダレスに働く姿は、私たちにとっても憧れの存在です。26 歳で出産し、CLASSY.世代の頃は、子育て真っ只中。ライフステージが変わる過程で感じた焦りや葛藤との向き合い方を聞きました。

Profile

1981年生まれ、岡山県出身。1999年に芸能界デビュー。以降、バラエティ、ドラマ、映画とジャンルを問わずに活躍。近年の出演作は、テレビ朝日「東京タワー」、日本テレビ「ホットスポット」、『おいハンサム!!』『劇場版 それでも俺は、妻としたい』など。待機作に『蔵のある街』(8月22日公開)がある。美容家としても人気を集め、『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)、『心に効く美容』(講談社)を出版。コスメブランド「Aurelie.」も手掛ける。

“ママタレ”としてカテゴライズされ始めて違和感を覚えた

――今、20代半ば〜30代を振り返って、大変だったことや苦労したことは、どんなことですか?

26歳で妊娠して、世の中からの見られ方がいきなり変わったことが大きな変化でした。それまでは全力でバラエティに出演していましたが、妊娠した瞬間から、「冷蔵庫の中身を見せてください」のようにママタレントとしてカテゴライズされ始め、世間からの扱われ方と自分との距離が開いてしまったように感じてしんどいな、と思っていました。ママになるけれども、自分自身は大きく変わったわけではない。だからと言って、これまでのようにバラエティを続けていくテンションでもなく、「じゃあ、何をするの?」というモヤモヤが生まれた時期でもありました。

芸能界で言うと当時、30代は“少し中途半端な世代”とも言われていたんです。お母さん役がハマるわけでもないし、強い女役を演じるにはまだ若い。役も少なくなるし、仕事が一気に減る印象があって、大変だろうな、と漠然とした不安も抱えていました。

――周りから求められるイメージと自分とのギャップには、どう向き合ってきましたか?

そのギャップを打破したかったから、自分は何がしたいのか、自問自答し続けました。今はかなりボーダレスになっていますが、昔は映画の人、グラビアの人、バラエティの人、と細かくカテゴライズされていた時代。元々映画が好きだったけれど、バラエティに出ていた私が「映画に出たいです」と主張すること自体、おこがましいと思っていました。

けれど、人生を考えるタイミングで自分の中から出てきたのは、「ちゃんとお芝居に向き合いたい」という言葉。そこから、先生についてお芝居を本格的に学んだり、ファッションを変えたり。普段見ていた映画も、作品ごとに感想を言語化するようにしたり。筋トレのような感覚で、次のステージに向けての勉強を始めました。

大事にしていたのは、世間から求められるイメージよりも、自分のやりたいことを貫く、ということ。周りに合わせて自分をすり減らしちゃうと続かないと思っていたので、理想に近づくためにやるべきことや受けるべき仕事も見極めていました。だから、一時期、収入もすごく減って、お金がない怖さも経験しました。今でこそ、その経験があってよかったし、必ず道は拓けると言えますが、当時は仕事でかなり悩んでいましたね。

幼稚園の先生に「子供が離れてからの人生の方が長い」と言われた衝撃

――26歳で妊娠、出産し、ママになって、環境の変化に不安はありましたか?

ありましたね。男性は比較的、変わらずに仕事も続けられるけれど、女性は体型も変わるし、髪も抜けるし、子どもとしか接しない日々が続いたりする。TVを見ると同世代がキラキラ輝いて活躍しているから、「このまま私は世の中から忘れ去られちゃうのかな」という異常な焦りもありました。

そんな苦しい時期を救ってくれたのは、息子が通っていた幼稚園の先生の「子どもが離れてからの人生の方が長いから、薄くてもいいから仕事を続けておきなさい」という言葉でした。もちろん専業主婦の選択肢もあるけれど、間を置いて働き始める際に、不安や怖さが出てしまう場合もある。やりたいことを薄くても続けていると、働くハードルも下がるし、可能性も広がるから、という話をホームルームの時間にしてくださったんです。その話を受けたことで、子どもが離れていくことを想定して、お芝居の勉強をしたり、「自分が動けるようになったら、いつでも仕事を引き受けられる体制を整えておこう」という思考を持つことができました。

私自身、妊娠する前は専業主婦になるつもりでいたんです。でも実際に産んでみたら、外に出たい気持ちが強くて、それは自分でも意外な発見でした。出産後、育児に専念したいのか、働き続けたいのか。それは産んでみて初めてわかることなんだな、と実感しました。

――アラサー世代の頃にやっておけばよかったこと、やっておいてよかったことは、どんなことですか?

やっておけばよかったのは、子どもをもっといろんなところに連れて行ってあげることかな。当時の自分としては、できることを精一杯していましたが、息子が16歳になり、親元から離れた今、「夏休みに、ああいうところに連れて行ってあげたかったな」とか「もっとしっかり料理をすればよかったな」と振り返ることもあります。

やっておいてよかったのは、お芝居の勉強。どんな仕事も20代前半くらいまではなんとなく若さで乗り越えられる部分もあると思うんです。でも、30代になると技術が求められる。勉強を始めてしばらくは役者の仕事に恵まれず、もがいた時期もありましたが、10年くらいかけて少しずつ映画やお芝居の世界で仕事が増えたり、繋がりも生まれていったので、腐らずに続けていてよかったな、と。

今となっては、20代後半〜30代って、次の時代に向けてもがくことが大切な時期だと思います。ファッションひとつとっても、スカートの丈感や素材感を見直さなきゃいけないし、会社でのポジションも中堅になってくるから、振る舞いも仕事の仕方も変えなきゃいけない。結局人は、苦しまないと次に進もうとしないし、自分の人生を振り返っても、苦しんだことが今に繋がっています。アラサー世代は、もがきながら思考して、アップデートする重要な時期なんじゃないかな、と思います。

人と比べてばかりいても、結局自分が苦しいだけ

――仕事、結婚、出産と、CLASSY.読者は周りとライフステージや働き方が変わり、人と比べてもやもやしてしまうこともあります。MEGUMIさんは、人と比べて悩んだことはありましたか?

芸能界だから、余計に人と比べてばかりいましたね。自分が仮で決まっていた作品に、別の人が選ばれていて、悔しい思いをしたこともたくさんあります。でもその感情に浸かり続けていても、結局苦しいのは自分。腐らずに、「なんだよ!」とか言いながら、勉強したり、スキルや技術を磨く方向に持っていかないと、しんどくなってしまうし、何も生まれないと思うんです。だからなるべく早く、負の感情が現れる場所から距離を置くことが大切。チャンスが来たときのために準備を万全にしておこう、というマインドに切り替えた方が自分もハッピーだし、チャンスを引き寄せられると思います。

衣装協力
Agua/Agua Diamond.(03-3831-0780)
DEPAREILLE/デパリエ 伊勢丹新宿店(03-3351-0005)

撮影/河内彩  ヘアメーク/エノモトマサノリ  スタイリング/斉藤くみ 取材/坂本結香 編集/越知恭子