MEGUMIさん(43)の仕事術「やる気が出ない日は、あえてスイッチは入れません」【映画イベントのファウンダーとしても活躍】

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タレント、俳優、美容家と活躍の幅を広げているMEGUMIさん。2022年からはプロデューサーとしても活動し、現在は日本映画を通じて国際文化交流を目指すイベント「JAPAN NIGHT」のファウンダーも務めています。立ち上げのきっかけから、歩みを止めない中で大事にしているスタンスを教えてもらいました。

プロフィール

1981年生まれ、岡山県出身。近年の出演作は、テレビ朝日「東京タワー」、日本テレビ「ホットスポット」、『おいハンサム!!』『劇場版 それでも俺は、妻としたい』など。待機作に『蔵のある街』(8月22日公開)がある。美容好きとしても人気を集め、『キレイはこれでつくれます』(ダイヤモンド社)、『心に効く美容』(講談社)を出版。コスメブランド「Aurelie.」も手掛ける。

日本の作品がもっと海外にわたっていったらいいなと思っていた

――ファウンダーを務める「JAPAN NIGHT2025」を立ち上げた経緯を教えてください。

2022年にプロデューサー業をスタートさせて、様々な映像作品を作る過程で、「日本の作品がもっと海外に渡っていったらいいな」と漠然と思っていました。そのタイミングで先輩のプロデューサーの方から、「カンヌ(映画祭)を見に行きなさい、勉強になるから」とアドバイスをいただいて、実際にカンヌまで足を運んだんです。

現地を訪れて1番興味深かったのは、世界中の映画が野菜のように売られているフィルムマルシェ。国によって設えや見せ方が全く違うところも勉強になりましたし、活気づいた環境で映画が売買されているのも衝撃的でした。同時に映画自体のチャンスや可能性を再認識するきっかけにもなりました。

それから、ヨーロッパでは、黒澤明さんをはじめとする偉大な日本人の方々が手掛けた作品が今もなお、愛され続けているんです。そういった日本映画ファンのヨーロピアンの方々に「先人たちが作った作品を、今の時代に再解釈して、映画に落とし込んだらいいのに」というアドバイスもたくさんいただきました。カンヌでのひとつひとつの経験や気づきが繋がって、映画界の発展や日本文化の拡大も見据えて、「JAPAN NIGHT」を立ち上げました。

コロナ禍で実感した「私たちの仕事はずっと受け身」という現実

――2022年にプロデューサー業を始めるきっかけとなったのは、どんなことですか?

コロナの緊急事態宣言のときに、「私たちの仕事はずっと受け身だったんだな」と痛感しました。仕事がないときはないし、「待つのが仕事」と言われたりもして、そういった浮き沈みを自分でコントロールできないことがすごくキツくて。SNSのスターがたくさん現れて、自ら発信する世界に変わる中で、「いつまで待てばいいんだろう」というジレンマもありましたね。

〝自分で仕事を作っていく〟という新しい概念に変えなきゃいけないとわかっていても、TikTokで踊るわけにもいかないし、メイクアップ動画を上げ続けるのもなんか違う。悶々と考える中で、行き着いたのがインスタドラマでした。

以前から抱いていた「こういう映画があったらいいのに」を形にすることにしたんです。当時は、誰にも会えない状況だったから、グリーンバックを買って演者の方に送ったり、脚本家やアニメーターの方にもリモートで入っていただきました。ひとり、ふたり、と仲間が増えて、自分のアイディアが作品になるプロセスが楽しかったですし、「毎日楽しみにしています」とか「鬱屈としていた気持ちが晴れやかになりました」というリアクションもいただいて、この一連がめちゃくちゃエモいな、と感じて。「これからはプロデューサーとして映像を作り、発信することも仕事にしよう」と決心しました。

――今回2回目の開催となった「JAPAN NIGHT2025」。プロジェクトを通じて、どんな未来を見据えていますか?

昨年、初めて開催した際は、来客者数300人を想定していたのですが、実際には1000人を超える方々に来場いただき、海外の方が約8割を占めていました。今年は開催地をウディネ・横浜・カンヌ・ヴェネツィアの4箇所に拡大し、さらにアップデートした構成に。カンヌでは懐石料理や和栗のスイーツなど日本の食でおもてなしをし、海外映画界のトップランナーたちに、日本人とは違う視点で、黒澤明さんや今村昌平さんといった巨匠作品の魅力を教えてもらうシンポジウムも開催しました。

今年のノミネートは9作品。新しい才能がグローバルに広がるきっかけにもなったと感じています。今後も日本食や文化もPRしつつ、国際的な文化交流や日本映画界の活性化の一翼を担える場を目指していきたいです。

やる気のない自分で仕事することを「許可する」

――〝自分で仕事を作っていく〟というスタンスで挑戦をし続ける中で、メンタルが落ちることや、やる気が入らないときはありますか?

ありますよ。やる気が出ないとき、スイッチは入らないと思っています。だけどやらなきゃいけないから、もうひとつの目線を持って、「あ、今日はやる気ないな〜。ま、そこと付き合いながらぼちぼちやるか」という姿勢で向き合います。手をつけずにタスクが溜まっていくと、あとで苦しむのは自分。だからと言って、無理やり気分を上げようとするとストレスにもなるから、やる気のない自分でやることを許可する感じです。結局、タスクに向き合うことになるのですが、少し目線を変えるだけで、奪われるエネルギーが全然違うと思います。

――CLASSY.世代にとってMEGUMIさんは、人生を切り拓いている憧れの存在でもあります。キャリアでも私生活でも、選択をする場面において、何を大事にしていますか?

最初の直感は合っているな、と思います。例えば、仕事の人間関係でも、「ん?」と引っ掛かることがあったまま関係性を続けようとすると、結局あとで問題になる。私の経験上、初めの直感は大体合っているしので、自分の感覚を大事にしています。それはファッションも同じ。「これ、可愛い!」と直感で感じたら、年齢だったり周りからの目線は気にせずに、素直に従って楽しんでいいと思いますね。

衣装協力
Agua/Agua Diamond.(03-3831-0780)
DEPAREILLE/デパリエ 伊勢丹新宿店(03-3351-0005)

撮影/河内彩  ヘアメーク/エノモトマサノリ  スタイリング/斉藤くみ 取材/坂本結香 編集/越知恭子