【JJ創刊50周年記念】新連載♡ 【JJ昭和レトロ学園】「レッツチャット」グッズ10選 アメリカンポップなアヒルの虜に!:中編

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『JJ』が2025年で創刊50周年を迎えたのに合わせて新連載をスタートします! この「JJ昭和レトロ学園」では、令和の今でも思わず「かわいい♡」とキュンとときめいてしまう1980年代のファンシーキャラクターに注目♪ ’80年代を中心としたレトロでかわいいガーリーカルチャーの魅力を日々発信し続けている”ゆかしなもん”さんを先生に迎え、当時のファンシーキャラクターについて気になることをあれこれ質問して、たっぷり教えてもらいます! そんな特別授業の第1回はアヒルのキャラクターがかわいい「レッツチャット」(1980年頃登場/ソニー・クリエイティブプロダクツ)をピックアップ。

昭和時代、売れっ子アイドルの本物の自宅部屋が雑誌で紹介されることも!

(前編からのつづき)

令和JJガール:アイドルが使っているものが欲しくなるのは今も同じですね。

ゆかしなもん先生:そう、昭和はアイドルの子のガチの自宅のお部屋が雑誌で紹介されていたりして、当時のティーンたちは写りこんだ愛用アイテムをマネして買ったりしていましたよ(笑)。

令和JJガール:えー! そんな個人情報を公開している時代があったんですね! びっくり。

ゆかしなもん先生:ありました、ありました。歌番組も自宅から生中継で歌うとか。ご両親や友達も顔出ししたりと、すごい時代だったんですよ。今ではあり得ませんよね。

令和JJガール:当時学校で「レッツチャット」を持っている子ってやっぱり今で言うインフルエンサー的な子だったんですか?

ゆかしなもん先生:’80年代初期はファンシーグッズも出たてで、同じ時期に様々なキャラクターが出始めていましたし、大人っぽい派など、好みやタイプが分かれるところもありました。確かに、クラスメイトのお洒落なコが持っていてそこから流行るという図式がありました。逆に「私は同じものを持たない」とかいう個性を出すコもいましたけど(笑)。

令和JJガール:どんなお店で買ってたんですか?

ゆかしなもん先生:ファンシーショップです。”昭和の少女の社交場”的存在で、みんな行きつけのファンシーショップに行ってました。当時はカタログを見て全国のファンシーショップのオーナーさんが商品を仕入れる仕組みで、都会も田舎も日本全国で同じ商品が売られていました。今ではあまりファンシーショップを見かけなくなりましたよね。

令和JJガール:確かに行ったことないですね。ファンシーショップってどんなお店なんですか?

ゆかしなもん先生:今だとキディランドのようなお店かな。文具からインテリア、ファッション雑貨、食器まで売られていました。お誕生日プレゼントはそこで選ぶのがデフォです。ラッピングの仕方やリボンのスタイルなどもトレンドやお店で個性が出ていたりと、少女たちはファンシーショップのとりこでした(笑)。そういえば、包装紙やスタンプカードまで「レッツチャット」などのキャラクターものが使われていたことも。あまりのかわいさに捨てないできれいに保管していた子も多かったですよ。

令和JJガール:「レッツチャット」の包装紙まで! すごい。今じゃ、そんなお金がかかりそうなサービスないですよね。ファンシーショップ行ってみたかったです~(泣)。

ミラー付きも!アイドル写真をマグネットで貼る女子もたくさん♡

④缶ペンケース

当時価格<左上>350円<左下>380円<右上>350円<右下>500円

令和JJガール:缶ペンケースはわたしの学生時代にも流行りましたが、こんなにかわいいものはなかったです。形もカラーも、ミラー付きなのもおしゃれ♡ もっとシンプルなものにプリクラ貼ったりという感じでしたけど、どのように使ってたんですか?

ゆかしなもん先生:もちろんデザインを楽しみましたし、カスタムすべく香り玉を入れてみたり、マグネットシートにお気に入りのシールを貼って切り取ってフタの裏にくっつけたり、駄菓子屋のくじで引いたアイドルの名前のマグネットを貼ったり。カンペンのフタの裏はその人の趣味や興味が垣間見れる部分でした。今の推し活と同じかもしれませんね。

令和JJガール:なるほどー。それは確かに推し活ですね。ミラー付きというのも初めて見たかも。授業中に身だしなみチェックができるってナイスアイデアですね。当時の缶ペンケースって大体おいくらくらいだったんですか?

ゆかしなもん先生:これはですね、(缶ペンケースの裏面を確認)380円ですね。ミラー付きは少し高くて500円。

令和JJガール:え、待って。値段がプリントされてるんですか?

ゆかしなもん先生:そうか、こういう部分も令和のコたちにとっては新鮮ですよね! 当時は消費税がなかったので、この価格そのままで買えたんですよ。ファンシーショップでお買い物するときも計算しやすかったです。

スマホ時代の今や幻アイテム!?

⑤アドレス帳

当時価格各400円

令和JJガール:これは何ですか? アルファベットが付いているから、メモパッドではなさそう……。

ゆかしなもん先生:スマホ世代はご存知ないですよね。アドレス帳です。当時はどの家庭の電話機の横にもアドレス帳があったんですよ。親戚や知人、お店の番号を手書きしたもので、家庭用なのでデザインも無機質なものが多かったんですけど、それとは別に、自分だけのお友達で埋めたアドレス帳を持つのがおしゃれでした。よく電話をかける親友の家の番号とかは暗記してますけど、基本、これがないと電話をかけられない。ほんとにアナログですよね。お気に入りキャラのかわいいアドレス帳は自分だけのものとして気合入れて番号を書き込んでいくんですが、お友達が少ないと親戚の番号で埋めがちで、同じ苗字なのでそのページだけ密集してしまうっていうね……(笑)。

令和JJガール:なるほど(笑)。今は家の電話がないところも多いですから、消えていくアイテムのひとつかもしれませんね。

色使いもデザインも可愛すぎる!

⑥レターパット

当時価格各280円

 

令和JJガール:色使いもデザインもかわいい! レターパットもダイカットがあったんですね。中もカラフル。

ゆかしなもん先生:当時はなんでも手紙で伝える時代。遠くに住む友達と文通するのも流行ってましたから、当時の少女は便箋をたくさん持っていました。そうそう、昔は封筒は別売り。その後、次第にセットとして売られるようになっていきましたけど。

令和JJガール:LINEやメールで連絡とれちゃうので”お手紙を書く”って特別感があります。お友達にあげるときはTシャツ型に折ったりしてました!

ゆかしなもん先生:それはきっと私たちの時代が生み出したものですね。授業中の回し手紙などでその技のバリエーションが求められていましたから、当時色々な折り方がありましたよ! 令和のみなさんにも浸透しているなんて嬉しいですね。

ゆかしなもんさん PROFILE 

1975年生まれ。1970〜80年代の文具・玩具・漫画・アイドル・映画・音楽など、昭和のガールズカルチャーを懐古し、SNSなどで発信している「昭和的ガーリー文化研究所」所長。膨大なコレクションを紹介した著書の数々や80年代のガーリーカルチャーの入門書『ゆかしなもんの’80sガーリーカルチャーガイド』(グラフィック社)が話題に。

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※掲載している商品は全てゆかしなもんさんの私物で、現在販売されていません。

撮影/山下忠之 取材・文/加藤文惠 編集/齋藤菜月