草彅剛、2年半ぶりの民放連ドラ主演!照れながら語る恋愛シーンへの挑戦「よくやったな…(笑)」
映画、Netflix、舞台とさまざまな分野でご活躍されている草彅さん、今回2年半ぶりとなる民放連ドラ「終幕のロンド」への主演が決まり、注目が集まっています。草彅さんが演じるのは遺品整理人のシングルファザー。ドキッとさせる、道ならぬ大人の恋愛模様も描かれます。インタビューでは民放連ドラへの想い、ご自身のお父様との思い出、恋愛ドラマへの意気込みをお聞きしました。(3回中1回目)
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子どものときからテレビドラマで育った僕にとっては、特別な想いがあるんです
2年半ぶりなんですね…、やっぱりテレビドラマっていいですよね!今の時代は配信ドラマなどで一気見したり、次のエピソードにすぐいける楽しさもあると思うんですけど、子どものときからドラマを見て育った僕にとっては民放ドラマって特別な想いがあるんですよね。週に1回決まった時間に放送されて、すぐ次のエピソードに進めないのがまた良くて。1時間の放送のなかでもCMが入ることで、その間に「歯磨き終わらせちゃおう!」って急いで行動したり、すごくいいところで終わっちゃうから次の回を想像しながら1週間待ったりね。待ちわびてドキドキする感じも若い世代に楽しんでもらいたいし、僕はそれが民放の良さだと思っていて好きなんですよね。日本の民放ドラマが作ってきたものって計り知れないものがあるし、僕にとってはやっぱり特別な想いがありますね。
父親役は今まで何度もやってきたけど、子役の方の演技に学ぶことが多いんです
今までも父親役を何度か演じてきたんだけど、今回はシングルファザーの役なんですよ。父親の役をするときって当たり前だけど、相手が子役さんで。今回は永瀬矢紘さん演じる、陸(りく)くんの演技が本当に素晴らしくてね。本気の演技をしてくれるから僕も自然と陸の父親に入り込むことができましたね。子どもって感情表現がとてもピュアじゃないですか?楽しい時は本気で楽しむし、悲しいと思って泣くことも、屈託のない笑顔も嘘がなくて。演技といえば演技なんだけど、僕自身も学ぶことが多かったですね。

やっと父親の愛情を理解できた気がする、すごく遅いんだけど
僕の父は新しいもの好きな人で、子どものときにバイクのおもちゃを買ってくれた思い出が記憶に残っているんですよね。あとはゴリラのお面をどこかで買ったのか、被って帰ってきて僕を驚かせたりしたこともありましたね、面白いお父さんで。
そんなおちゃめな一面もあったんですが、小さい子って、段差に登ったり、チョロチョロ動き回るでしょ?僕もそういうときあったから、よく怒られてましたね(笑)。僕が幼い時の父は厳しく怒ることもあって、どこかで怖い父親に見えてました。でもこの歳になると愛情あってのことだったんだなって理解できるんですよね。「なんであんなに怖かったの?」って聞くと「お前が心配でついつい怒っちゃってたよな」なんて言って、歳を重ねてから誤解が解けたりね…。でも本人は「そんなことあったっけ?」ってそこまで明確には覚えてなかったりするみたいだけど、怒られた方って衝撃があると覚えてるじゃないですか?そういうのも段々腹割って話せるようになったんですよね。親への感謝を気づくのにはすごく遅いんだけどね(笑)。若い時はそんなこと考えられなかったからね。
うちの両親はこの業界に入るのも応援してくれてて、映画やドラマ、舞台といつも見てくれてるんですよ。でも親って勝手だから、好き勝手な感想を言ってくるんですよね。良かった時はいいんだけど、ダメ出しもありますよ(笑)。ネガティブなことって誰も言ってくれないから、有り難かったりするんですけど、苦笑いするしかないよね(笑)。

自分的には挑戦だった恋愛の大人なシーン、今見返すと恥ずかしさもあります(笑)
今までカンテレさんの作品では復讐系のドラマが多かったのですが、今回の作品では恋愛の要素も入っていて、一つ上のレベルに上がれたような気がして、嬉しいですね。僕、あんまり恋愛要素のシーンは撮影してきてないからさ(笑)。僕にとってはそういう大人なシーンはチャレンジなところもあって。役作りでわざわざ恋愛ドラマ見て研究なんてことはしないけど、一所懸命演じて…。完成したドラマを見ると「よくやったなと…(笑)」って見てて恥ずかしくなっちゃう。それも踏まえて大人ぽくロマンチックな恋模様も楽しんでいただきたいですね!

『終幕ロンド -もう二度と、会えないあなたにー』
10月13日スタート
月曜よる10時 ~(カンテレ・フジテレビ系)
5年前に妻を亡くした鳥飼樹(草彅剛)は、小1の息子を育てながら遺品整理人として働いている。ある日、孤独死した女性の部屋を新入社員・久米ゆずは(八木莉可子)と訪れた樹は、遺族に捨てられようとする遺品の中から、故人の想いを感じる品を見つける。
一方、絵本作家の御厨真琴(中村ゆり)は、多忙で冷淡な夫・利人(要潤)との愛のない結婚に苦しんでいた。そんな中、清掃会社で働く母・鮎川こはる(風吹ジュン)が余命3カ月と知り、真琴と樹の運命が交錯していく。
【草彅剛さんprofile】
草彅剛さん。1974年7月9日生まれ、埼玉県出身。91年、CDデビュー。俳優として、「黄泉がえり」(塩田明彦監督/2003年)、NHK大河ドラマ「青天を衝け」(21年)、NHK連続テレビ小説「ブギウギ」(23~24年)など多数の作品に出演。17年には「新しい地図」を立ち上げ、20年公開の「ミッドナイトスワン」(内田英治監督)では第44回日本アカデミー賞最優秀作品賞・最優秀主演男優賞に、24年公開の「碁盤斬り」では第48回日本アカデミー賞・優秀主演男優賞に輝いた。
撮影/平井敬治 ヘアメーク/荒川英亮 スタイリスト/黒澤彰乃 取材/小出真梨子