【コロナ禍の結婚式】ギリギリまで延期に悩み…「家族婚」だからこそできたことって?【グランド ハイアット 東京】
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結婚式は、一生に一度の大切な節目。今回は、CLASSY.カップルズの奈良七海さんにインタビュー。2020年11月、コロナ禍の真っただ中に「グランド ハイアット 東京」で家族婚を挙げた奈良さんご夫妻。「家族に成長した姿を見せ、感謝を伝える」というテーマのもと、 アットホームでありながらも、特別感のある一日を丁寧に作り上げたふたり。制約の多い時期だからこそ生まれた工夫や、家族婚ならではの温かなエピソードをご紹介します。

◾️Profile
奈良 七海さん/峻幸さん(34歳・アパレルプレス/34歳・IT関連企業)
約2年間の交際を経て、2018年12月にプロポーズ、2019年5月に入籍。2020年11月に、六本木の「グランド ハイアット 東京」にて挙式。自宅トレーニングや寺社巡り、ファッションなど、それぞれの趣味を大切に日々を送っています。
会場は「グランド ハイアット 東京」。非日常と上質が調和する空間に惹かれて
@グランド ハイアット 東京
数ある都内の式場の中から「グランド ハイアット 東京」を選んだ理由は、まずゲストへの配慮でした。
「地下鉄から雨に濡れずに来られるアクセスの良さや、待ち時間にショッピングも楽しめる環境が魅力的でした。特に女性ゲストは慣れないヒールで歩くことも多いので、そういった点を重視しました」(七海さん)

そして決め手となったのが、ホテル内のグランドチャペル。木の温もりに包まれた高天井の空間に、上階から生演奏が降り注ぐように響く幻想的な演出が印象的だったそう。
「音楽が上から降ってくるような感じで、すごく神秘的でした。百合の花の香りとホテル特有の香りが混ざり合って、帰宅後もずっと忘れられなかったんです」(七海さん)
コロナ禍での決断。ふたりが選んだ「家族婚」というかたち
「会場を予約したのは1年前。まさかこんな状況になるとは思いませんでした」と振り返る奈良さん。
当初は大きな会場で約100名のゲストを招く予定でしたが、2020年11月は感染者が増え始めた時期。「祖母に花嫁姿を見せたい」という思いがある一方で、延期すればいつ開催できるか分からない。迷いながらも「今できる最善のかたち」を模索し、最終的に家族のみの挙式を選びました。

掲げたテーマは、〝気張らずアットホームな雰囲気の中に、非日常の特別感を〟。
そして何よりも大切にしたのは、「家族に自分たちの成長を見せ、感謝を伝える」という想いでした。
不安な時期を支えた、ホテルスタッフの温かなホスピタリティ
会場が決まってからも、準備には多くの不安がつきまといました。
そんな中、ふたりを支えたのはグランドハイアット東京の丁寧な対応でした。

「ギリギリまでさまざまな選択肢を提示してくださって、本当に親身になって考えてくださいました。お花も海外からの輸入が難しい中、国内で似た雰囲気のものを探してきてくださって。動いてくださっていることが、すごく心強かったです」(七海さん)
最終的に選んだ披露宴会場は、感染対策を考慮し、あえて広めの空間に。
温もりとカジュアルさが調和する、心に残る装飾演出
装飾全体のテーマは「温もりを感じるアットホームな雰囲気の中で、ちょっと特別な時間を過ごせる場所」。
暖色系を基調にしつつ、秋らしい素材感でナチュラルにまとめました。
「秋の季節感と、少しカジュアルな空気を出したくて、会場装飾にはパンパスグラスという大きな植物を取り入れました。照明の光も柔らかく反射して、あたたかみのある空間に仕上がりました」(七海さん)
お花は会場提携のフローリストに依頼。コロナ禍で入荷が不安定な時期にもかかわらず、希望を叶えるためにギリギリまで対応してくれたといいます。
思い出を紡ぐ“ウェルカムスペース”にもふたりらしさを
ゲストを迎える空間にも、ふたりのこだわりが。
ウェルカムスペースには、コロナ禍での前撮り体験を活かして撮影した写真を多数展示。

実は、ふたりはカメラマンやヘアメークが練習モデルを募集していた時期に積極的に応募しており、何度も前撮りの機会に恵まれたそう。家族婚というスタイルに合わせて、あえてプロフィールブックは作らず、写真を通してこれまでの歩みを伝える形にしました。

さらに印象的だったのが、ふたりで夜な夜な手作りした「ウェルカムミラー」。人気で入手困難なミラーをなんとか手に入れ、水彩絵具やポスカで仕上げたという愛情たっぷりのDIYアイテムです。
「『クラシカルすぎるかも?』と迷った時期もありましたが、『好きだからこれでいい!』とふたりで納得して決めました」(七海さん)
日常に溶け込むギフトと、家族を包む穏やかな時間
もう一つのユニークなアイデアが、席札の代わりに用意されたオリジナルクッション。
「席札って紙だから、持ち帰ってもしまいきりになりがちですよね。だったら日常で使えるものの方がいいかなと思って、オリジナルクッションを作りました。家族婚だからこそできたDIYです」(七海さん)

クッションには家族それぞれの名前と「Live Love Laugh And Be Happy」の言葉、そして挙式日がプリントされ、今でも家族全員が自宅で愛用しているそう。

家族との距離の近さを大切にした想いは、高砂の演出にも。
「当初は白とベージュを基調としたクラシカルな装花をイメージしていたものの、『久しぶりの家族団欒が心地よくなる空間を大事にしよう』と考え直し、ソファ席ではなくしっかりと食事を楽しめるテーブルスタイルに変更。ホテルウェディングでありながらも心が通うアットホームな空間を完成させました」(七海さん)
大切な家族と味わう、心温まるおもてなしの時間
「家族でご飯を美味しく食べよう」も、ふたりの結婚式テーマのひとつでした。
「時間がなくて新郎新婦が料理を食べられないとよく聞きますが、私たちは家族だけで時間がたっぷりあったので、全部ちゃんと食べることができました(笑)」(七海さん)
料理は当初のプランよりワンランク上のコースに変更し、ドリンクも少し贅沢なラインナップに。写真撮影で席を外すこともなく、同じペースで食事を楽しみながら、笑顔あふれるひとときを過ごしたそう。
「久しぶりに家族全員が集まって、ゆっくり会話できたことが本当にうれしかったです」(七海さん)
自然体で輝く、自分らしさを映したウェディングスタイル

「妥協しないでいこう」と決めて挑んだドレス選び。最初は「マーメイドラインは似合わないかも」と感じていたという七海さんですが、実際に試着してみると印象が一変。
「下半身が気になっていたんですが、逆にウエストが細く見えて、すごくきれいに見えたんです。そこからマーメイドの王道であるGalia Lahav(ガリアラハヴ)に決めました」(七海さん)
ガリアラハヴは基本オーダー制のため、Instagramでレンタルを見つけたそう。
「チュールの広がり、刺繍の繊細さ、ベージュの透け感がどれも絶妙で。お値段だけあって、本当に美しかったです」(七海さん)
ヘッドアクセサリーは、Maria Elena(マリア・エレナ)の華やかなビジュータイプをセレクト。ブライダルアクセサリー専門のでレンタルし、お団子ヘア全体にかかるようにセットしてドレスの刺繍とリンクさせました。
「装飾は決めていましたが、イヤリングとのバランスがなかなか決まらなくて。最終的に“当日の気分で決めよう”となり、ヘアメイクさんに全幅の信頼を置いてお願いしました。やりたくないスタイルと好みだけは事前に伝えていたので、すごく満足いく仕上がりになりました」(七海さん)
一目惚れした、ヴェラウォンのヌードヘイリー
お色直しのドレスに選んだのは、VERA WANG(ヴェラウォン)の「Nude Hayley(ヌード ヘイリー)」。

「これはもう一目惚れでした。ありそうでない色味で、ふわふわしているのに甘すぎない。着てみるとモダンで、これ以外考えられないと思いました」(七海さん)
ヘアは挙式時のシニヨンを崩して、ゆるやかなダウンスタイルにチェンジ。
「生花を添えたい気持ちはあったけど、どんな花が入るかわからなかったので、当日に決めようと。ヘアメイクさんが“崩したほうが可愛いかも”と言ってくれて、その場で完成しました。すごくお気に入りです」(七海さん)
アクセサリーは「FIO DA(フィオダ)」で購入。
リップは少し濃いめのオレンジとピンクを重ね、秋らしい深みをプラスしました。
想いを込めて贈った〝お色直しギフト〟。新郎へのサプライズプレゼント
披露宴での大きなサプライズは、新郎へのプレゼント。
「家族婚になったし、私はドレスにこだわらせてもらったので、旦那さんにも何かしてあげたくて」と、七海さんが用意したのはオーダーメイドのタキシード一式でした。
ファーストミートのタイミングで渡されたその一着は、深いブラウンのチェック柄に秋らしい花柄のネクタイを合わせた上品な装い。靴も七海さんが選んだブラウンで統一し、ジャケットの内側には前撮り写真をプリント。世界にひとつだけの特別なタキシードが完成しました。
「当日、すごく驚いて喜んでくれました。内側に写真があるので、『脱げない』って言ってましたけど(笑)。たくさんの人の協力で実現できて、本当にいい思い出になりました」(七海さん)
恐竜の着ぐるみで再登場!家族を笑顔にするサプライズ演出
もう一つのサプライズは、まさかの〝恐竜姿〟での登場!
「本当はファーストミートの時に着たかったんですが、ホテルのエントランスでお客様が驚いてしまうからと止められて(笑)。結局、お色直し後の再入場で実施しました」(七海さん)

「ちゃんとおもてなしをするのはもちろん、ふたりの思い出も作りたかったんです。タキシードのプレゼントと恐竜の登場、どちらもサプライズイベントとして大成功でした」(七海さん)
家族婚だからこそ叶った、感謝を伝える温かな時間
家族婚というスタイルを選んだからこそ、演出もより心を込めて。一般的には花嫁の手紙が定番ですが、この日は新郎からの手紙も用意しました。
「家族に感謝を伝えるのがテーマだったので、『手紙書きなよ』って私から提案したんです。当日は号泣しながら読んでくれました」(七海さん)

また、両親だけでなく祖母や義理の兄にもそれぞれ花束とプレゼントを贈ったそう。両親には2020年の刻印入りバカラのグラス、義理の兄にはバーニーズのギフトカード、祖母には花束と贈り物を。
式の後も余韻を楽しむ、ふたりだけのフォトセッション
披露宴後は、ホテルの部屋でフォトセッションを実施。
「もう一回、ガリアラハヴのドレスで思い切り写真を撮りたくて。家族の前では見せられなかった雰囲気を、ここで発散しました(笑)」(七海さん)
家族への感謝を胸に。今だからこそ思う、“やってよかった”という気持ち
「延期すればよかったかなと思うことも正直ありました。でも、あのときにベストを尽くしたと思うので、後悔はしていません。改めて写真を見返すなかで、『このときの気持ちって大事だな』って、やっぱり思います。結婚式を挙げてよかったです」(七海さん)

コロナ禍という制約のなかでも、細部まで想いを込めた空間をつくり上げたふたり。
「100人を招く華やかな式ではなかったけれど、家族一人ひとりとしっかり向き合えて、本当に特別な時間になりました」(七海さん)
これから式を挙げる人へ——奈良さんからのリアルなアドバイス
最後に、これから結婚式を迎える人へのメッセージをいただきました。
◆やってよかったこと
「SNSでいろんな情報が出てくるけど、最初に〝何のために結婚式をするのか〟をふたりで話し合っておくことが大切。軸が決まっていれば、取捨選択も楽になるし、準備の過程でもめることもありませんでした」
◆やっておけばよかったこと
「小物や装飾など、人物以外の物撮りをたくさんお願いしておくといいです。当日は思った以上に余裕がないので、小さなディテールこそ写真で残しておくと、後から見返すたびに思い出がよみがえります」
取材・編集/藤井由香里