北山宏光さん(40)が挑む、伝説の黒澤作品『醉いどれ天使』!「無骨さの中に艶っぽさを表現したい」
11月7日から上演される、巨匠・黒澤明の名作を舞台化した『醉いどれ天使』で主演を務める北山宏光さんにインタビュー。9月17日に40歳の誕生日を迎えた北山さんは、まさにSTORY世代ということもあり、さまざまな活躍を通して私たちにたくさんの元気を届けてくれています。40代への挑戦についてお話を伺いました。(第1回/全2回)
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北山宏光さんprofile
1985年9月17日生まれ。2023年9月にTOBEとともに新しいエンターテイメントに挑戦していくことを発表。1st Single「乱心-RANSHIN-」でソロデビュー。楽曲制作やライブの演出も手掛けるほか、俳優活動など幅広く活躍している。24年8月26日には1st Album「ZOO」をリリースし、全国9都市を巡るライブツアー「HIROMITSU KITAYAMA 『ZOO』」を開催。近年の主な作品に【ドラマ】『君が獣になる前に』(24 TX)『DOCTOR PRICE』(25 ytv)がある。25年6月16日には2nd Album「波紋-HAMON-」をリリース。全国11ヵ所でツアーを開催した。
伝説の名作を演じる責任感と同時に、ワクワク感を抱いています
STORY編集部(以下同)―――黒澤明監督の伝説的名作『醉いどれ天使』を舞台化した本作で、6年ぶりの主演舞台に挑む北山さん。戦後の混沌とした時代に生きる人々の葛藤を描くなか、北山さんは若きやくざ・松永を演じます。まずは、『醉いどれ天使』の脚本を手にしたときの感想からお聞かせください。
この歴史ある作品を自分が演じるという不思議さと、背負うべき責任を強く感じています。ただ同時に、令和のこの時代にそれを演じられるという大きなワクワク感もあります。
戦後の荒々しくも繊細な人間模様を、現代に落とし込んだときにどう表現できるのか。そして観てくださる方がどう受け取ってくれるのか……そんな期待で胸が高鳴りました。
この時代にこの作品をやるということ自体が、まず面白いと思ったんです。黒澤監督が描いた当時の人々の生き様を、令和を生きる僕たちが舞台にのせる。
時代はまったく違いますが、「生きたいけど死にたい」という心の揺れや、葛藤を抱えながらも戦後を必死に生き抜く人たちの力強さは、時代を超えて観る人の心に響くものがあると思っています。
コロナ禍を経て強く感じたこと。「舞台という生モノは、本当に尊い」
―――主演舞台は6年ぶり。どんなお気持ちですか?
「もう6年も経ったんだ」と驚いています。この6年でいろんなことがあって、コロナ禍もあったし、エンタメ自体もいろいろ変化して環境も大きく変わりました。だから今回は6年ぶりというより、1年目に戻ったような、初めて挑むくらいの気持ちでいようと思っていて。
舞台に立つことって、僕は“生モノ”としてすごく好きなんですよね。コロナ禍を経てあらためて強く感じたのが、ステージという“生モノ”は、本当に尊いものだということ。数字では表せない価値がそこにはあると思うし、その場に来てくれるお客さんに何を届けられるのか楽しみです。
僕にとって理想なのは、舞台を観たお客さんが「帰りの扉を出て、電車に乗って、家に帰って、ご飯を食べて、寝る瞬間まで、思わずため息が出てしまう」ような作品。ずっと余韻が続いて、感動でため息が止まらない、そんな舞台を届けられたらいいなと思います。
受け取り方はもちろん人それぞれですが、観終わったあとに心に残り続ける作品にしたいですね。

「自分が演じる意味」を模索中。荒々しさの中にある“艶っぽさ”を表現したい
―――北山さんが『醉いどれ天使』で演じる松永は、戦後の混沌とした闇市で生きる若いやくざ。虚勢を張りながらも心の奥には弱さや孤独を抱える、人間味あふれる人物です。そんな松永に、北山さんご自身はどんな共感を覚えましたか?
心の内にある弱さと、虚勢を張って強がったり荒ぶったりする部分。その二面性は、男なら多かれ少なかれ誰でも持ってるんじゃないかな。
僕自身が松永に似てるかどうかと聞かれたら、今のところ似てはいないと思うんですが、人間として理解できる部分はありますね。
―――松永を演じるにあたって、「こんなふうに見せたい」「こんな松永にしたい」など、イメージはありますか?
「僕がやる意味」を探している最中です。台本を変えるわけではないけど、演技を通してどうやって自分らしさを出していけるのか……そこはまだ模索していて。
荒々しく燃えるように人が生きていた時代の中で、松永もやっぱり無骨さと荒々しさを背負った人物だと思うんですよね。もしそこに、少し「艶っぽさ」を加えて演じてみたらどうなるんだろう? とか、そんなふうにも考えていて。無骨なんだけど、どこかに艶がある。令和で演じるからこそ、新しい松永を見せられたら面白いんじゃないかな、と思っています。

30代後半でソロに。40代はさらなる挑戦と、ブラッシュアップを重ねたい
―――9月17日に40歳のお誕生日を迎えられました。まさにSTORY世代の北山さん。30代後半ではソロとして活動スタートされましたが、40代はどんなふうに歩んでいきたいですか?
30代後半で始めたことのブラッシュアップを、40代ではどんどん積み重ねていきたいと思っています。お芝居や音楽もさらに挑戦していきたいし、日本に限らず外の世界にも目を向けたい。
今年初めてツアーで京都と岡山に行ったんですよ。そしたらすごく喜んでもらえて、本当に温かく迎えてもらったんです。それがとても嬉しくて、ライブやツアーでまだ行ったことのない土地にもっと行きたいと思いました。
今はまだ、やらなきゃいけないこと、やったほうがいいこと、そして純粋にやりたいことが混在している状態です。そのバランスを探りながら、40代を歩んでいきたいですね。
後編では…
40歳を迎えたばかりの北山宏光さん。
北山さんがイメージする「理想の40代の姿」とは?
さらに、アンチエイジングや体づくりの秘訣、そして惹かれる女性のタイプまで……
STORY世代の心に響く本音トークをお届けします!
北山宏光さん主演! 舞台『醉いどれ天使』は2025年11月7日(金)より上演スタート!
黒澤明と三船敏郎が初めてタッグを組んだ伝説の映画『醉いどれ天使』。戦後の混沌とした東京を舞台に、人々の葛藤や希望を力強く描いたこの作品は、公開から75年以上経った今も世界中で語り継がれています。
今回の舞台版では、6年ぶりの主演舞台となる北山宏光が、三船敏郎が演じた闇市を支配する若きやくざ・松永に挑戦。脚本は前回に続き蓬莱竜太。演出はジャンルを越えて活躍する深作健太が新たに務める。
戦後の人々が命を燃やすように生きた姿が、現代に問いかける衝撃の話題作にご注目ください。
『醉いどれ天使』
原作 黒澤明 植草圭之助
脚本 蓬莱竜太
演出 深作健太
出演 北山宏光
渡辺大 横山由依・岡田結実(Wキャスト) 阪口珠美
佐藤仁美 大鶴義丹
公式サイト https://www.yoidoretenshi-stage.jp
【東京公演】 2025年11月7日(金)~23日(日)/明治座
【名古屋公演】 2025年11月28日(金)~30日(日)/御園座
【大阪公演】 2025年12月5日(金)~14日(日)/新歌舞伎座
撮影/古水 良(cheek one) 取材/小澤サチエ
ヘアメイク/大島智恵美
スタイリング/柴田圭
衣裳協力/ジャケット ¥96,800-パンツ ¥59,400-
2点ともMAHITO MOTOYOSHI(JOYEUX)
※全て税込価格
問い合わせ先 JOYEUX tel:03-4361-4464
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