国仲涼子さん(46)朝ドラ後の苦労秘話「もうダメだ。沖縄に帰りたい」と思ったことも【ドラマ『終幕のロンド』出演中】
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2001年の朝ドラ『ちゅらさん』でヒロインを務め、一躍国民的女優となった国仲涼子さん。昨年は大河ドラマ『光る君へ』で主人公・まひろの母親役を演じ、改めて注目を集めました。秋ドラマ『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』では、ミステリアスな絵本編集者を演じています。プライベートについて語っていただいた前回に続き、今回は、働く女性としての国仲涼子さんにクローズアップ。人生の先輩としてのヒントをたくさん教えていただきました。
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Profile
1979年生まれ。沖縄県出身。地元でスカウトされ99年に女優デビュー。人気シリーズとなった01年のNHK連続テレビ小説「ちゅらさん」でヒロインを務め、ゴールデン・アロー賞、エランドール賞などの各新人賞を受賞。主な出演作にドラマ『結婚できない男』(06年)、NHK大河ドラマ『光る君へ』(24年)、映画『366日』(25年)などがある。プライベートでは現在2児の母。
朝ドラヒロインの掟や、俳優として大切なことを学んだ『ちゅらさん』
――私たち世代にとっては、国民的ドラマ『ちゅらさん』がとても印象に残っています。その頃のことを教えてください。
当時20代でしたが、与えられたもの、目の前のことをがむしゃらにやり続けた時期でした。『ちゅらさん』で、父親役の堺正章さんと、母親役の田中好子さんには本当にたくさんのことを学びました。スタッフさんにも「新人はどうあるべきか」「朝ドラのヒロインは、誰よりも早くスタジオに入りなさい」「リハーサルでは台本は持ってはいけない」といったことを全部教えていただきました。
お芝居はまだまだ新人だからこそ「セリフだけは、とにかく完璧に頭に入れろ」と言われていて。「こんな膨大なセリフ、どうやって入れるの ?」って思っていたのですが「やればできる」ということにも気づけました。あの時、現場でしっかりと教えてくださる方がいなかったら、きっと迷いや甘えが出てきていたんじゃないかな。そう思うと、本当に周りの方たちに恵まれた20代でした。でも、その時は、ただがむしゃらで「あの時に経験したことが今プラスになってるな」と実感できたのは、少し時間が経ってからですね。
――『ちゅらさん』の頃の経験が今も活かされている、というのは、具体的にどんなことですか?
朝ドラの時の大量のセリフがあったから「セリフがどんなに来ても大丈夫」って自信がついたんです。その時の経験は今でもすごく大きくて。たとえば舞台で長台詞が出てきても「あ、全然『ちゅらさん』より少ない」って思えるんです。『ちゅらさん』のときは、山田孝之くんと2人で受験勉強のようにセリフを一緒に書いて覚えたり、ずっと掛け合いをしたりしていました。あの経験が、今につながっています。
時代劇で監督に怒られ続けて、沖縄に帰ることも考えた
――20代の頃、一番苦労したことはなんですか?
朝ドラが終わってすぐ、初めての時代劇で、撮影の最初から最後まで監督さんに怒られ続けたことですね。『ちゅらさん』の明るくニコニコしている役から、何人も殺めてにこりともしない女性を演じることになり、気持ちの切り替えが全然できなかったんです。監督さんには「台本を全然読み込んでない」と指摘されたり、「今の目は、全然人を殺す目じゃない。そこまで気持ちを高ぶらせないとダメだ」と言われて何テイクもして。「殺したことなんてないから、わかりません…!」という感じでした。
当時は、コテンパンに怒られて、追い詰められて、心が折れてしまって。「もうダメだ。沖縄に帰りたい」と真剣に思っていました。色々と注意されて、OKはもらっても「本当にあの表情でよかったのかな」って、演技力が上がったのかも自分ではわからないで終わった感じでした。どんなに言われても、結局できていないと感じる状態が苦痛でしたね。
――国民的ヒットの後に、そんな苦労があったんですね。
でもその時、監督さんに色々と言っていただけてよかったなと、今になって思います。その時に厳しく言われていなかったら、天狗になっていたでしょうし、怒られて良かったなって感謝しています。とても鍛えられました。
もう一つよかったのは、その後お仕事した、どんな監督さんも優しく感じます(笑)。実は、20年ぶりくらいに大河ドラマの撮影でその方にお会いしたんです。当時の怖いイメージがあって一瞬「どうしよう!」と焦ったのですが「お久しぶりです。あの時、色々と指導してくださって、ありがとうございます」とご挨拶をしました。そうしたら監督さんは「いやいや、素晴らしかったですよ」って言ってくださったんです。「あの時のことを、今でもよく思い出します」と話したら、なんと「ああ、そうですか。僕何か言いました?」と…!「はい。結構厳しいお言葉を」と伝えると「あー、そうですか?」という予想外のやりとりで(笑)。内心「本当に?あの時、めっちゃ怒ってたけどなー」という思いもありつつ、話せて良かったなと。
40代になり、苦手だと思っていたことにも挑戦できるように
――渦中にいる時は大変で、いい経験だとはなかなか思えないですよね。
色々な苦労や経験もして「私、意外と学んでたな」という実感が湧いたのが、 30代でした。 ただ、30代は「もしかしたら、私、これも、あれもできるかも。こんなのに挑戦したい」という思いがありつつ「でも、ちょっとまだなぁ」と踏み出せずにいました。でも 40代になって「私の好きなことをやってみよう。挑戦してダメだったらダメだったでいいし、とりあえずやりたいものは、やってみよう」という自分に変わりました。
――40代で実際に挑戦してみたことは何かありますか?
先日、知人からお仕事の話をいただいて、大学のトークショーに登壇したんです。「トークショーなんて、絶対無理」って思っていたのですが、「ちょっとやってみようかな」と。ちょっとでも「頑張ってみようかな」と感じるものは、挑戦してみよう、失敗したら失敗したで、改善点が見つかるかもしれないし――そんな気持ちで臨みました。
やってみたら、意外にもすごく楽しくて。演劇やミュージカルを学んでいる生徒さんたちに、オーディションや監督さん、共演者、撮影現場について「今まで私は、こんな感じだったから、こういうふうにしたらいいんじゃないかな」と話しました。目の前で自分の話を聞いて学んでもらえて、私自身も直接質問に答えることができて、楽しかったんです。まだまだ勉強中ではありますが、「喋るのも楽しいな」って感じ始めています。
――お話をするのは苦手だと思われてたんですか?
はい。今までは、話すことはすべて台本に書いておいてほしいと思っていました。でも、今まで自分のやってきたことを話したり、生徒さんの質問に答えることなら私にもできるかなと。役者としての私個人の意見として、少しでも何かヒントになればいいなって思ってチャレンジしました。また、やってみたいですね。
大変なときも「私なんか」と思わないで。いつか絶対にプラスになるはず
――最後に、40代のひとりの女性として、人生の後輩であるCLASSY.世代の女性たちに伝えたいことはありますか?
自分を大事にしてほしい。生きていれば大変なこともあるけれど「私なんか」って思ってしまうと、とことん落ちていってしまう気がして。私自身も、逃げたくなるような状況に直面して落ち込んだ時もありました。その時は、なかなかそう思えないのですが、後から思えば、逃げたくなる状況こそ、絶対自分にプラスになるチャンスだと今はわかります。だから、大変な時も自分で自分のことを「私なんか」と思わないで、大事にしてほしいですね。
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撮影/You Ishii スタイリング/仮屋薗寛子 ヘアメーク/高梨祐子 取材/加藤みれい 編集/越知恭子
Information
月10ドラマ『終幕のロンド-もう二度と、会えないあなたに-』
毎週月曜22時~、フジテレビ系にて放映中。男手一つで息子を育てるシングルファザーの遺品整理人を草彅剛さんが演じる、心温まるヒューマンストーリー。国仲涼子さんが扮するのは、絵本作家であるヒロインの担当編集者でありながら、一体何者なのか?と思わせるミステリアスな女性。サスペンスやラブストーリーの要素も楽しめる、この秋必見のドラマ。出演:草彅剛、中村ゆり、八木莉可子、塩野瑛久、風吹ジュンほか