岸谷蘭丸さん【思春期のしくじりこそ、人生の宝!】 まずは小さな目標設定を。その先に夢が見えてくる!

幼少時代の難病、中学受験、第一志望の早稲田実業学校中等部に見事合格するも不登校に……。
そして海外の高校を受験、高校・大学での海外留学を経て起業。
弱冠24歳にして、様々な壁やしくじりを乗り越え、チャレンジをしてきた岸谷蘭丸さん。
そんな蘭丸さんに、計り知れない母たちの思春期子育て悩みのあれこれに
ズバッと歯切れよく答えていただく必読のシリーズ。
第二弾は、夢とお金の関係についてのANSWERです。

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好きなことをやらせるのはいいけれど、それで将来生活していけるのだろうか……と不安です

東京で暮らしていくには、現状年収400万くらいは必要だと思うのですが、
子どもの好きなことだけやらせていたら、ちゃんと稼いで暮らしていけるのか……、と疑問です。
蘭丸さんは、進路をどのように決め、仕事とお金に対してどのように考えていますか?
(中2男子母/O・Tさん  45歳 会社員)

<ANSWER> 「君が幸せになるためには、幾らくらい必要?」と問うてみて

好きなことがあって、それを仕事にして生きていけたら、幸せですよね。
でも、現実的にそれでどんな暮らしをすることになるのか、
いくらくらいお金があれば、自分は幸せになれるのか、
思春期の子なら、そろそろそんな考え方をすることも大事だと思います。

例えば、「これ以下の生活はしたくない」と、下限を決めてみる。
食事を「毎日そうめんだけでも大丈夫」という人もいるだろうし、「絵さえ描ければお金がなくても大丈夫」という人もいるでしょう。
幸せの感じ方は人それぞれ。
それぞれ、自分の幸せに向かって頑張るべき。
そう、何はともあれ思春期は頑張ることが成長の糧で、
何かに向かって頑張るべきなんです。
その上で、「自分は幾らあれば幸せになれるだろう」と考えてみる。
東京に住むことに価値観を置かなければ、平均年収に満たなくても不自由なく
暮らしていけるかもしれない。

僕は、食事や住まいに対して、今の生活をキープしたいから、「人より秀でて人のやらないことを
しなくちゃいけないな」と考えて起業しました。
自分がありたい姿から逆算したんです。
そして、「お金なんかより好きなことしかやりたくない」というお子お金なんかより好きなことしか
やりたくない」というお子さんがいたら、一度問うてみてください。
あなたの理想とする暮らし、自分の将来の家族や子供へにしてあげたいことは、
お金がなくてもできますか? と。

「夢なんてない!」という我が子にショックを受けて……

3人の子どもたちに「将来の夢は?」と聞くと、「ない!」とピシャリと言われショックでした。
蘭丸さんは、「都知事になりたい」と公言していますが、
いつ何をきっかけにそんな夢を抱くようになったのでしょうか?
(小5女子、中1男子、中3男子母/H・Iさん 45歳 派遣社員)

<ANSWER>僕も、中学時代は夢なんてなかった。夢って、小さな目標をクリアするうちいつの間にか目の前にあるもの

僕も、中学時代は全く夢なんてなかった。
小・中学校時代は、できないことができるようになるのが面白くて、
高校生の時は「海外のいい大学に行きたい」とひたすら勉強し、自分がやるといった目標を
昇華させていきました。それで、大学に入ってからは、大きな目標を失って、
何をしたらいいかわからなくなって……。
しばらくはボーッとしていましたね。
それが僕の良くないところだったな、と思います。
まあ、一方で良かったところは「こういうのは嫌だ」「こうはなりたくない」と、
なりたいものがなかった代わりに、なりたくないイメージ像は抱け、
そのためのアクションを起こしました。
いろいろ行動をしていく中で、「これは好きじゃないし、自分に向いてない」「これは俺の能力ではできないな」とか、結果、「これならできるかも」「こっちの方が好きかな」と消去法的に選択肢が見えてきた。
将来の夢は

無理矢理にでも作らなきゃいけない、ってことはないと思う。
小さな目標を積み重ねる中で、夢が見えてくる。
だから、思春期では目標を持つことが大事なんです。

僕の場合、「人とは違う存在でありたい」というのがあって、トップ企業で世界と戦う
サラリーマンの方々には正直本当に憧れるけれども、きっと自分はそうはなれない。
だからといって、学者になれるほど勉強を突き詰められるわけでもないから
会社を興して、そして今となっては色々とお金を稼ぐ方法が出てきたけれども、
世の中のため、人のためみたいな“意義ベース”じゃないと動けないな、と思った。
そんな積み重ねで僕が今、夢に抱くのが、「都知事になること」。
昔、テレビで見ていた石原慎太郎さんの記憶が頭に残っていて、
大好きな東京という街のために、意義のある仕事をしたいな、と。
起業してからは、壁ばかりで力不足を実感する毎日だけど、
一つ一つの目標をクリアして、夢に近づいていこうと思います。

Ranmaru Kishitani

2001年生まれ。俳優・岸谷五朗さんとミュージシャン・元プリンセス プリンセス岸谷香さんを両親に持つ実業家。トキワ松学園小学校、早稲田実業学校中等部を経て渡米。海外の高校へ進学後、現在はイタリアのボッコーニ大学に在籍しながら、海外トップ大学受験の専門塾「MMBH」や海外大学情報Webメディア「留パス」を設立し、自らも学んだ「Liberty English Academy」と業務提携。動画配信も注目を集める。

撮影/西崎博哉(MOUSTACHE)  取材・構成/河合由樹

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