伊藤沙莉さん(31)が結婚を決めた理由「この人で正解だったと、お互い思えるのが理想」

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ドラマデビューは9歳。昨年のNHK連続テレビ小説『虎に翼』での名演技も記憶に新しい、伊藤沙莉さん。結婚とともに愛犬を迎え、新たな生活がスタートした2025年。結婚の決め手や手放して楽になったこと、Around30に突入してからの取捨選択を聞きました。

結婚したのは隠し事をしたくなかったから。関係性はあまり変わりません

キャリアを継続できたのは「いつ辞めてもいい」という家族の言葉があったから

この仕事を続けるのか、辞めるのか。高校を卒業する18歳の頃、悩んだ時期がありました。オーディションに落ち続けて、たくさんの作品に出ているわけでもないのに、進路希望の用紙に“女優”と書くべきか迷う中で、自分の本心はどうなんだろう、と向き合うきっかけになりました。続ける決断ができたのは、やっぱり役者の仕事が好きだったのと、「いつ辞めてもいいんだよ」という家族の言葉があったから。職業問わず誰しも、可能性に満ち溢れた世界にいるのに、「ここで続けていかなきゃ」と視野を狭めてしまうと苦しくなるし、自分を追い込んで悪循環に陥ることもあると思うんです。もちろん、人に迷惑をかけない前提で、辞めることはいつでもできるし、その選択肢は常に持っていてもいい。そういう心持ちでいると意外と辞めない、というのが今の実感としてあります。私が長くキャリアを続けてこられたのは、いい意味で執着しすぎなかった結果かもしれない、と捉えています。

この人で正解だった、とお互い思えるように与え合える関係でいたい

映画『爆弾』で演じる沙良は、行動的に見えながら、現場で奔走する警察官だからこその冷静さや的確な判断力を持ち合わせる人物。私自身は何かを選ぶ場面でも迷いの時間は少なく、直感で飛び込むので、どちらかというと(坂東龍汰さん演じる)バディの矢吹のように突っ走るタイプです。なので、沙良のしっかりさんなところは、「自分にはないところだな」と感じながら演じていました。理論派よりも感情派。でも、結婚してからは自分の感覚として、以前よりも怒らなくなったし、感情的になることは減ってきたと思います。意識しているのは、楽しいだけじゃなくて、どうしたら彼の生活に彩りや癒しが増すのか、ということ。彼自身、掃除や洗濯が好きで得意なので、元々家のことは彼メインでしたが、責任感が生まれて「支えたい」という気持ちがより強くなった今は、私も率先して家事をするようになりました。

結婚を決めたのは、彼の存在を隠すことが窮屈だったことも理由のひとつ。取材の場でも家族の話はできるのに、自分の一部になっている人のことは話せない。仕事的に仕方ない部分はありますが、隠し事や嘘が苦手だから「どうして、愛した人のことを友達と呼ばなきゃいけないんだ」みたいなジレンマもありました。結婚にこだわっていたわけではなくて、一緒にいられればどんな形でもよかったんです。ただ、悪いことをしていないのに、彼のことを誤魔化さなきゃいけない状況から解放されたかったこともあり、結婚という選択に至りました。付き合っていた頃から関係性は変わらないけれど、彼には私と結婚したことに対して後悔してほしくないし、私を選んでよかったと思ってもらいたい。「幸せにしてください」とか「幸せにします」というスタンスではなく、お互い「この人で正解だな」と思えるのが理想。そのためにも与え合える関係を大切にしていきたいです。

伊藤沙莉さんの〝取捨選択〟

【取】
トイプードルを迎えて、生活が規則正しくなりました

ひとり暮らしだとなかなか叶えられずにいましたが、結婚を機に「一緒に育てましょうか」と話して、念願のトイプードルをお迎えしました。朝食は食べない派でしたが、今は起きて愛犬用のごはんを用意しているので、ライフスタイルが規則正しく整いつつあります。自分では感じていなかったけれど、夫からは「ちょっと変わった」と言われるので、親心じゃないですが、責任感が増しているのかもしれないです。朝から食事の準備をしたり、愛犬のお世話をしている様子が、親っぽく映るんだと思います。

【捨】
誘いを断るのが苦手な「イエスマン」をやめたら、
インプット時間の大切さを感じました

昔から断ることが苦手な、イエスマンでした。誘われたら「行かなくちゃ!」と思い参加していたのですが、オフの場で人前に出ると、頑張って喋りすぎる節があって後悔することも。最近は、“断れない自分”をやめて、休息や自分時間を大切にし始めています。インプットも大事にしていて、旅に出かけて見たことのない景色を見たり、未経験のことにトライしたり、触れたことのないジャンルの映画を観たり。そういったことから刺激を受けるし、「この時間があったから、これが得られた!」とポジティブに自分をバージョンアップさせています。

お酒を飲む時間が本当に幸せ。夜ごはんはおつまみメインです
うちは夜ごはんが晩酌スタイルで、白米+おかずよりもおつまみを何品か作って、夫とふたりでお酒とともに会話も楽しむのが定番。この日のメニューは、茄子の煮浸し、ネギトロユッケ、舞茸のバターソテー、冷しゃぶ。夫やスタッフ、友人たちとお酒を飲む時間は、まさにご褒美。今は、ビール→ジンor焼酎→またビールの流れにハマっています。

伊藤沙莉さん/ITO SAIRI
1994年生まれ。千葉県出身。2003年9歳でドラマデビュー。以降、ドラマ、映画、舞台で活躍。2024年には、NHK連続テレビ小説『虎に翼』でヒロインを演じ、同年のNHK紅白歌合戦の司会を務めた。近年の主な出演作は、テレビ朝日『シッコウ!!〜犬と私と執行官〜』、FOD『ペンション・恋は桃色』、映画『探偵マリコの生涯で一番悲惨な日』、『風のマジム』など。10月31日公開の映画『爆弾』では、猪突猛進かつ行動派の巡査・倖田沙良を熱演。

【衣装クレジット】ジャケット¥490,600ニット¥168,300スカート¥322,300ブーツ¥328,900(すべてトッズ)

撮影╱佐藤航嗣〈UM〉 ヘアメイク╱岡津愛子 スタイリング╱吉田あかね 取材╱坂本結香 編集╱越知恭子 再構成/Bravoworks,Inc.
※CLASSY.2025年12月号「私たちの取捨選択」より。
※掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。