「将来の夢はお金持ち」でいい。お年玉から始めよう、子どもの本格投資 【15歳から目指せ資産1億円!子どものための最強マネー教育 短期連載】vol.1

元・外資系投資銀行のトレーダー/池澤摩耶氏がゲストティーチャーに。

――子どもたちには「お金と仲良くなる力」を持ってほしい。

親として令和を生きる子どもたちのマネーリテラシ―をどう形成・後方支援していくべきか。世情がものすごいスピードで変化していく中、私たちが知っていた“お金の常識”は通用しなくなっているのかも。これからの人生に必要なものは、センスと戦略。マネーセンスは将来的に子どもの武器に、そして、お金を増やす戦略は子どもの盾に。「お金を貯める」「節約」だけではない、「お金を増やす」ことに関する知識不足の親にこそ知ってほしい、子どものための本格的な投資術。

STORYチーム親子が元・外資系投資銀行のトレーダーであり親子資産形成のアドバイザーでもある、池澤摩耶さんに体当たりの質問をぶつけました。子育て観点からのリアルなマネーアドバイス…略してキッズ・マネバイスは、すぐに私たちが動き出せる起爆剤になってくれるはず!

第1回目は、この秋、編集長に就任した中山佳奈子と中学2年生の息子さんが登場です。

池澤摩耶さん profile

会社経営者、投資家。実家はアメリカ。代々の文学一族に育ち、小学校を卒業後、カナダに留学。ブリティッシュコロンビア大学卒業後、ウォール街でのインターンを経て、東京の外資系投資銀行に金利トレーダーとして入社。現在はベンチャーを立ち上げ、不動産、マーケティング会社の運営をしながら、インフルエンサーとして活動中。息子(17歳)、娘(11歳)を持つ二児の母

編集長・中山親子の場合

親のマネーレベル…-1

「NISAは少し理解しています。「貯金」「節約」とは違う「運用」の重要性は感じているものの、元本の補償がないことに恐怖感が。周りのマネーライフの充実ぶりを耳にすればするほど、時代に乗り遅れている感が。できれば子供には自分以上にマネーセンスをつけてもらいたいけれど、どのように教えようか?二の足を踏んでいます。これから子どもが15歳になる前に親子で本格的にマネーリテラシーを学びたいです。」

中山

Q1. 貯金主義から抜けられず、投資にマイナスなイメージしかありません

キッズマネバイス1 まずは親の金銭感覚のアップデートを!

池澤さん

もっと家庭内でお金にまつわる話をしましょう。「お金の話をするなんてはしたない」という古い価値観は乗り越えるべき。欧米では子どもたちの教育現場でも、経済の感覚を持ち、日常的にお金を学ぶ機会がしっかり設けられています。その意識の違いにお金の感覚への格差とともに経済格差が生まれる可能性もあります。親の方から進んでお金を語るようにすることが子どものマネー教育の大きな一歩となります。身近な経済といえば日々のお買い物からも話題が振れます。今まで100円で買えていた駄菓子が物価の上昇で同じ金額では買えなくなっていることなど、普段の生活の中でインフレを話すこともできますしね。それと同時に、インフレが続く限り、お金の実質的な価値が下がることも理解しておかないといけないです。銀行に預けていただけでは、ゼロ金利政策の日本ではメリットがなく、資産は目減りしていくばかり。貯金信仰、一旦リセットしましょう!例えば、銀行預金と投資信託では長期的に運用した場合その差は歴然で10年でも2倍以上の運用の差が出る可能性があります。ただ日本のゼロ金利を活かす方法もあります。金利が低い分、事業を始めたり不動産を買ったりする時は手持ちの現金を多く出すよりも借入金の割合を増やし、その分投資に回す方が効率的。そして投資に対する見方もアップデートを。投資をギャンブルと思っている方もいるかもしれませんが、パチンコ・競馬・カジノなどは運営する側の手数料が必ず入っているので参加者全体の資金が必ず減ります。つまり『マイナスサムゲーム』っていうこと。対して投資は企業が成長し市場全体が活発化して社会が豊かになることで、参加者全体が利益を得られる可能性がある『プラスサムゲーム』。まさしく、“お金を活かす”ことに繋がると思いませんか?子どもが「お金持ちになりたい」というなら、ぜひ応援してあげてほしいですね。そのための後方支援としても、親が知識を持つことが何よりも大切なんです。

中山

Q2. 投資に興味はありつつも、何から始めていいかわからず、子どもにどう教えて良いかもわかりません

キッズマネバイス2 すぐに作るべきは学びの場となる「未成年証券口座」

池澤さん

では、何から始めたらいいの?ですよね!まずは家族の証券口座を開設しましょう。実は子ども名義の証券口座は0歳から作ることができるんです。未成年のうちは勿論親が代理で運用を行いますが、満15歳からは本人主導で取引もできるようになります。現時点では、手数料も安く、スマホアプリが使いやすいSBI証券や楽天証券の未成年証券口座がおすすめ。これはまだ18歳以上の大人限定の話ですが、NISAは年間最大360万円分の投資金と運用利益含めて非課税になるラッキーな制度。親こそ、ここから始めるべきです!さて、ではどの企業に投資するのか?というお話に続きますが、ゲーム好きなら任天堂、スポーツ好きならNIKEなど、子どものイチ押し企業を「個別株」として単発で買うのもありです。いろんな企業に一気に投資できる「投資信託」もおすすめ。投資信託は人気企業の株が色々詰まったバラエティパックと考えればわかりやすいですね。中でもFang+は、AmazonやNetflixなどアメリカの“イケイケの10社”が入っているのでどのような企業が入っているのか見ておくのもすごく大事です。ニュースを家族で見ながら、株がどう繋がってくるのか?話してみると経済への面白い視点が生まれます。子どもが自分で運用を始める前の親子で学ぶ場としてぜひ未成年証券口座を活用してみてください。

中山

Q3. 子どもには私たちのようにゼロ知識になってほしくありません。お金に強い子に育ってほしいのですが…

キッズマネバイス3「推し活」こそ投資!ヒントは子どもの「ハマりもの」

池澤さん

株を始めるからといって、難しい本を読まなくても大丈夫!親が頑張って子どもに教えるよりも楽しむことが第一です。子どもたちが好きなアイドルやゲーム、服や音楽などなど、そこに投資のヒントが隠されていますから。例えばK-POPアイドルの推し活をしていて、「〇〇ブランドのCMに出る」と情報が出た瞬間、そのブランドも気になっちゃいますよね。投資というのは、推し活と一緒で、自分の好きなことや物を応援することでもあります。また、スポーツ好きの子であれば、好きな選手とのコラボスニーカーに目をつけるのも良いですよね。商品にプレミアがついて、通常の金額よりも高値で取引されることもありますが、これもまさしく投資にも通じること。株価が爆上がりするのは、それだけ価値が高くプレミアだからってこと。そんな視点から投資先を見つけても良いですし、流行り物やトレンドって若者発信でもあるので、最強の情報は、実は子どもたちの教室に転がっているということも!親目線での投資だと、どうしても安パイなつまらない投資内容に偏りがち…。せっかく子どもが投資を主体的に始めるのであれば、子どもの“好き”に任せても良いのでは?と思います。

中山親子の感想は?

中山「お金に対する考えの距離感が近くなったように感じます。株の取引を推し活と考えることになる程と思いました。」

息子「投資はしっかり勉強してからすることだと思っていました。僕はNetflixが好きなので、俄然Fang+に興味を持ちました。今までのお年玉、使わずに貯めていることに意義があると思っていました。でもお金って、好きな企業に応援として投入する資金にもなるということも驚きましたし、しかもそのお金を増やしてももらえるって、すごいことだと思いました。」

中山「家族間でも、今回のお話をきっかけにしてニュースから株の話までできるようになりました。まずは軍資金5万円でスタートしてみようと思っています。」

 

もっと詳しく知りたい方はぜひ本を!

『元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育』著:池澤 摩耶/光文社

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元外資系投資銀行トレーダーママが伝授 子どもを人生ゲームの勝者にする最強マネー教育

撮影/吉澤健太 取材/竹永久美子

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