【SHELLYさん】オーストラリアに引っ越して「一番驚いていること」とは?

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※このコラムはVERY2025年11月号(2025年10月7日発売)に掲載されたものです。

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オーストラリアに家族で引っ越しました!最初の3週間は、仮住まい。アリとの戦いに明け暮れるような大変さもあったけれど(笑)、街や人の穏やかな雰囲気に助けられています。家探しは想像以上に難しくて、予算内では古い家が多く、ベッドルームが3つあってもトイレは1つしかないとか、シャワーしかない物件ばかりとか。学校の近さや周辺環境、地域の評判も含めて悩みに悩みながら、子どもたちが寝たあとにパートナーとずっと家の話ばかりしています。正直ストレスもあるけれど、不思議とネガティブにはならない。それは、この国の空気のせいなのかもしれません。

一番驚いているのは、子どもをめぐる社会の姿勢です。スーパーに行けば「子どもたちどうぞ」と入口にリンゴやバナナが置かれていて無料で食べられるんです。子連れウェルカム!なんですね。カートに乗ったまま丸かじりしても誰も怪訝な顔をしないし、むしろ「美味しいでしょ」と声をかけてくれる。日本だと「食べながら買物なんて」と周りの目を気にしてしまうけど、こちらでは「子どもが落ち着いて過ごせるなら当然」という考え方。買物中に子どもがご機嫌でいてくれることで、親が少しでも楽になるなら、それが社会全体の利益なんだという空気が自然にある気がします。

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街を歩いていても、我が家の末っ子を連れていると、嘘じゃなく100%の確率であらゆる人が声をかけてくれます。おばあちゃんだけじゃなく、中高生くらいの若い子たちまで「こんにちは」って声をかけてくれる。犬を散歩中のおじさんに立ち話で鳥の生態を教えてもらったり、カフェに行けば必ず子どもが遊べるおもちゃスペースが用意されていたり。子どもを連れていることで肩身が狭くなるどころか、むしろ歓迎されている安心感がすごくて。これまでは「子連れは迷惑をかけないように」と構えていたけれど、ここでは「子どもがいるのは当たり前で、みんなで見守ろう」という空気に包まれていて、それが涙が出そうになるくらいありがたい。

もちろん不便や大変さは山ほどあります。食材は日本のものが約3倍の値段、家探しもまだ落ち着かず、さらに私たちの住むパース周辺は水不足が深刻という話も。それでも街全体が子どもを大事にしてくれる雰囲気があるから心が折れない。子育ては親だけが背負うものではなく、社会全体が「ウェルカム」と言ってくれる。そのスタンスが、どれだけ母親の気持ちを軽くするか、今本当に身をもって感じています。そしてこの経験を発信していくことも、私にできる大事な役割のひとつだなと思うのです。

◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。9歳と7歳と3歳の娘の母。

オーストラリアはまだまだ寒いので、お散歩だけでも…とビーチへ。どこも本当に綺麗!

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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:中台麻理恵
*VERY2025年11月号「SHELLYのこれってママギャップ?」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。