俳優・成田凌さん、今の時代に欠かせないSNSとどう付き合う?
妻がワクチン接種した翌日に亡くなり、それを担当医へ抗議する姿が話題になったことを機に、
「反ワクチン」の象徴として祭り上げられていく男を描く 社会派サスペンス 映画『#拡散』。
カオスな社会の中、メディアやSNSに翻弄される男を演じるのが、
モデルから俳優に転身して10年、個性派俳優として確固たる存在感を放つ成田凌さん。
そんな成田さんに、今作のカギとなった「SNS観」からプライベート話まで
じっくりと聞いてみました!
▼合わせ読みたい
成田凌さん、“ちょっとしたこだわり”で 「何かイヤなヤツ」を体現しました
“自分”が“自分”でいられる場所は――?
今作は、富山の“美しい自然”と“人間の欲”とのコントラストが象徴的。
僕演じる浅岡は、自身の承認欲求や周囲の人間の欲によってまるで別の人物へと変貌していきますが、
そんな彼もソロキャンプをしている間はホッと息をつき、
自分が自分でいられる時間を過ごしていたのではないかと思います。
演じながらそう感じていましたし、
僕自身も登山をしたり自然に触れたりすることでリフレッシュをしているので、
浅岡の気持ちがわかるんですよ。
自分が自分でいられる場所は、誰にとっても必要ですよね。
僕の場合、そんなふうに一人の時間を過ごすことも大切だけれど、
仲間と過ごす時間も、また大事。
OFFの日は、高校からの友人でもあるスタイリストさんや、編集者さんといった
大人になるまでのルートが違う方たちと過ごすことも多いです。
異なるジャンルに自分を理解してくれる人がいるということが、
僕にとって大きなチカラになっています。
僕がSNSをやるのは、、たくさんの人に作品を観てもらいたいから
それにしても、僕が演じた男・浅岡が“本来の自分”を見失ってしまったのは、
SNSとの距離感を誤ってしまったことも要因のひとつ。
今の社会において、SNSは個の考えや表現を多くの人に届け、
たくさんの情報を得られる便利なツールとして、もはや欠かせない存在です。
ただ、それを生かすも、自身に刃を向ける危険なものとしてしまうのも
SNSを使う自分次第なのかもしれません。
僕は、SNSを見るのが好きで。
例えば、美容師免許を持っているので、ヘアスタイリストさん達が
髪を切っている動画とか、料理動画もめちゃくちゃ見ています。
でも、発信することは実はあまり得意じゃないので、
Instagramも頻繁にはアップできていないんです。
僕自身のことは何も知らないまっさらな状態で
演じる役、作品を観た方が楽しんでいただけるのではないかという思いがあるんですが、
「何を食べてる?」「何を着てる?」といった投稿をすることで
ありがたいことに僕に興味を持って、作品を観てくださる方もいるんですよね。
そんな矛盾を抱えてはいますが、
やっぱり作品をたくさんの人に届けたいという気持ちに勝るものはないので、
自分なりのペースにはなってしまいますが、
これからも発信を続けていきたいと思っています。
モデルから俳優に転身して12年、 この先をどう思い描く――?
「俳優になりたい――」、そう胸に抱いて俳優になる階段の一歩として
モデルのオーディションを受け、そこから俳優に転身して今年で12年めになります。
ここまでの時間は、本当にあっという間。
何だか、自分ごとじゃないみたいに感じます。
でも、最近どこか焦るんです。
急がないと、会いたい人、共に演じたい人と出会えなくなってしまうのでは……、と。
リスペクトしている方が亡くなられたニュースを耳にすると、
「ああ、会えなかった」「ああ、共演できなかった」、と焦燥感があって。
だからこそ、主役じゃなくても僕が出ることで作品が少しでもよくなるのであれば
出たいと思うし、たくさんのいい作品に出会いたい。
そんな気持ちがある限り、これからもずっと俳優を
続けていくんだと思います。
ブルゾン¥220,000シャツ¥113,000トラウザー<参考商品>シューズ¥113,000
(すべてエンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社)
お問合せ先:ジョルジオ アルマーニ ジャパン株式会社 03-6274-7070
Ryo Narita
1993年11月22日生まれ。
2013年「MEN’S NON-NON」のモデルとしてキャリアをスタート、2014年ドラマ「FLASHBACK」で俳優デビュー。2018年映画『スマホを落としただけなのに』『ビブリア古書堂の事件手帖』での第42回アカデミー賞新人俳優賞受賞を皮切りに、2019年『チワワちゃん』『愛がなんだ』『さよならくちびる』『翔んで埼玉』『人間失格 太宰治と3人の女たち』の計5作品で第93回キネマ旬報ベスト・テンを、同年『カツベン!』では毎日映画コンクール男優主演賞を次々受賞。さらには2020年『窮鼠はチーズの夢を見る』『糸』などの演技で第63回ブルーリボン賞助演男優賞を受賞。以降も2022年『くれなずめ』『まともじゃないのは君も一緒』、2022年『ニワトリ☆フェニックス』、2024年『雨の中の慾情』、2025年『ブラック・ショーマン』など幅広いジャンルで存在感を発揮。
『♯拡散』
成田凌、沢尻エリカ
淵上泰史、山谷花純、赤間麻理子、
船ケ山 哲、DAIKI、高山孟久
脚本:港岳彦、監督:白金
地方の小さな町で静かに日々を積み重ねていた介護士・浅岡信治の人生は、妻・明希がワクチン接種の翌日にこの世を去ったことで、その慎ましい生活は音を立てて崩れ去る。「なぜ、彼女は死んだのか?」その答えを求めて浅岡は、担当医の高野に対する抗議活動へと踏み出す。その姿が記者・福島美波の目に留まり、地方の片隅で始まった小さな声は、メディアからSNSへ、リアルからネットへと火が付き、浅岡の意志とは裏腹に、彼はいつしか“反ワクチンの象徴”として祭り上げられていく……。2026年2月27日(金)TOHO シネマズ日比谷ほか全国公開
撮影/田頭拓人 ヘアメイク/高草木剛(VANITÉS) スタイリスト/カワセ136(アフノーマル) 取材・構成/河合由樹