日焼け止めだけじゃ足りない?知っておきたい【食べる紫外線対策】5選[医師監修]
春が近づくにつれて徐々に増え出す紫外線。紫外線対策というと、日焼け止めや帽子など外側からのケアを思い浮かべがちですが、実は紫外線に負けない肌を作るためのインナーケアも重要です。紫外線対策に役立つ栄養素と食材、日常に取り入れたい習慣について詳しく解説します。
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1.紫外線対策は内・外の両側から!
紫外線を防ぐには日焼け止めや日傘による紫外線対策が欠かせませんが、汗などで日焼け止めが落ちてしまったり、日傘で防ぎきれない日差しが肌にあたったりして紫外線を完全に遮断することは現実的に難しいものです。
また、紫外線は体内でのビタミンD合成に関わっており、紫外線を過度に避けるとビタミンD不足を招いて骨の健康などに影響する可能性があります。
そのため、過度に紫外線を防ごうとするのではなく、インナーケアをして浴びすぎてしまった紫外線によるダメージを修復できる環境を整えることが重要です。肌のターンオーバーを整えたりダメージケアをしたりする栄養を摂取し、紫外線の影響を受けにくい健やかな肌を目指しましょう。
2.紫外線対策のためにとりたい栄養素とおすすめ食材
紫外線ダメージを軽減するには、抗酸化作用をもつ栄養素や肌の再生を助ける栄養素を意識的に取り入れることが大切です。ここでは、紫外線対策に役立つ代表的な栄養素と、日常に取り入れやすい食材を紹介します。
①ビタミンA
ビタミンAには、皮膚や粘膜を健康に保ち、紫外線によるダメージから肌を守る働きがあります。肌のターンオーバーを促進させる効果も期待できます。
ビタミンAはレバーやチーズ、卵などに多く含まれる栄養素です。また、人参やほうれん草、カボチャなどの緑黄色野菜に含まれるβ-カロテンは、体内で必要に応じてビタミンAに変換されます。チーズや卵を使った料理をプラスしたり、サラダや汁物に緑黄色野菜を使ったりして取り入れましょう。
②ビタミンC
ビタミンCは抗酸化作用を持ち、活性酸素を除去してシミの原因となるメラニンの過剰生成を抑制する働きがある栄養素です。また、肌のハリに必要なコラーゲンの生成を助ける働きもあります。
キウイやいちご、柑橘類などの果物やブロッコリー、ピーマンなどのビタミンCを多く含む食材をとることで、健康的な肌を保つ効果が期待できます。
なお、ビタミンCは水に溶けやすく熱に弱い性質を持つため、生のまま食べるか、スープなどにして汁ごと摂取するのがおすすめ。デザートに果物を摂ったり、スープにブロッコリーを入れたりして効率良くビタミンCをとりましょう。
③ビタミンE
ビタミンEは「若返りのビタミン」とも呼ばれ、強い抗酸化作用で血管の健康を保ち、血行を促進して肌のターンオーバーを整える効果が期待できます。メラニンの排出をスムーズにし、シミやそばかすの生成を防ぐのに役立つ栄養素です。
ビタミンEはごま油やオリーブ油などの植物油や、うなぎやぶりなどの魚類、大豆製品などに多く含まれます。脂溶性のビタミンのため、脂質と一緒に摂ると吸収効率を高められます。炒め物など油と一緒に調理する料理に取り入れて、効率的にとりましょう。
④ポリフェノール
ポリフェノールは強い抗酸化作用を持つ成分で、紫外線によって発生した活性酸素を除去する働きがあります。
ポリフェノールには以下のように様々な種類があります。
カテキン:緑茶、紅茶
アントシアニン:ブルーベリー、赤ワイン
カカオポリフェノール:チョコレート、ココア
フェルラ酸:玄米
緑茶や紅茶で一息ついたり、チョコレートを間食にとったりして、こまめに摂取しましょう。
⑤L-システイン
L-システインはアミノ酸の一種で、メラニンの生成を抑えるとともに、肌のターンオーバーを促進してメラニンの排出を助ける働きがある栄養素です。抗酸化作用によって活性酸素を減らす効果もあり、日焼け後の肌の回復にも役立ちます。
L-システインは小麦や大豆、卵などに多く含まれています。ただし、食材に含まれるL-システインの量は微量のため、L-システインの合成に必要なメチオニンをとることも重要です。メチオニンは肉や魚、大豆製品などに含まれるため、これらの食材を積極的にとることを意識しましょう。
3.食事とあわせて取り入れたい紫外線対策
食事によるインナーケアとあわせて取り入れたい紫外線対策を紹介します。
①日焼け止めグッズを活用する
基本的な紫外線対策として、日焼け止めクリームや帽子、日傘などを活用して紫外線を浴びすぎないようにすることが大切です。
日焼け止めクリームは、散歩や買い物ならSPF10〜20・PA+〜++、炎天下でのレジャーならSPF30〜50+・PA++〜++++など、シーンに合わせて選びましょう。
また、アームカバーや長袖のカーディガンなどで肌の露出を減らすことも有効です。
②こまめに水分補給をする
紫外線を浴びると、紫外線のダメージによって肌のバリア機能が低下し、水分が奪われて乾燥しやすくなります。乾燥は肌荒れや炎症の原因となるため、日焼け後は特に意識して水分補給を行いましょう。
一度に大量に飲むのではなく、コップ1杯程度をこまめに飲むのが理想的。利尿作用のあるカフェインを含む飲み物よりも、水やノンカフェインのお茶がおすすめです。
③漢方薬を活用する
紫外線に負けない健康的な肌を作るには、漢方薬を活用するのもおすすめ。漢方薬は複数の生薬を組み合わせて作られており、心と体全体のバランスを整えて根本的な体質改善を目指すものです。
健康的な肌作りには「血流を改善して肌に栄養を届ける」「肌のターンオーバーを整える」「水分代謝を整える」などの働きがある漢方薬を選びましょう。
<健康的な肌作りにおすすめの漢方薬>
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
肌に栄養と潤いを補い、血行を促進して水分代謝を整えることでシミやニキビなどの肌トラブルを改善する漢方薬です。貧血気味で血色が悪く、疲れやすい人に向いています。
・桂枝茯苓丸加薏苡仁(けいしぶくりょうがんかよくいにん)
血行を促進して、肌に必要な栄養を届けやすくすることでターンオーバーを整え、シミやニキビなどの肌トラブルを改善する漢方薬です。肩こりや冷えのぼせなどがある人に向いています。
漢方薬は自然由来の生薬でできているため西洋薬よりも副作用が少ないとされていますが、体質や症状に合っていないと思わぬ副作用が出ることもあります。漢方薬が気になるなら、医師や薬剤師といった専門家に相談するのが安心です。漢方薬をセルフケアと組み合わせて、紫外線に負けない肌を目指しましょう。
【食事による紫外線対策に関するQ&A】
Q.紫外線を浴びすぎるとどのような影響がありますか?
紫外線を浴びすぎると、肌の細胞が傷付けられ、日焼けやシミ・シワ、たるみといった肌トラブルの原因になります。また、肌の免疫力が低下したり、皮膚がんのリスクを高めたりすることもあります。紫外線は目にもダメージを与え、白内障などの目のトラブルにつながることもあるため、サングラスなどで目を保護することも大切です。
Q.紫外線ダメージを悪化させる食材はありますか?
セロリやキュウリなどの野菜や柑橘類などの果物に含まれる「ソラレン」という成分には、紫外線の感受性を高める「光毒性」があります。ソラレンを摂取してから紫外線を浴びると、シミやかぶれを引き起こしやすくなる可能性があります。ただし、通常の摂取範囲であればそれほど神経質になる必要はありません。気になる場合は、朝食や昼食には控えるなど、食べるタイミングを工夫しましょう。
Q.日焼けした場合のアフターケアの方法を教えてください
日焼けは肌が軽いやけどを負っている状態です。まずは濡らしたタオルや保冷剤などで患部を冷やし、ほてりを鎮めましょう。 熱が引いたら化粧水などで念入りに保湿を行い、乾燥を防ぎます。そして、ビタミンA・C・Eなどの紫外線ダメージの修復に必要な栄養や水分を積極的にとり、内側からの修復をサポートしましょう。
<参考文献>
※ 環境省「紫外線環境保健マニュアル2020」
都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。
編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか
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