白髪ケア、どう選べばいい?“おうちケア”アイテム5選も【美容ジャーナリスト・毛髪診断士の伊熊奈美さんが解説】
髪質や頭皮環境が変わり始める美ST世代は、白髪ケアの見直しどき。白髪に追われるストレスを最小限にして“いい距離感”で付き合っていくには、自分に合う白髪ケアを見つけることが大切です。白髪ケアのエキスパートである美容ジャーナリストの伊熊奈美さんに、そのポイントを聞きました。
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■美ST世代が求めているのは自分に“しっくりくる白髪ケア”
白髪ぼかしなど、「白髪を隠す」から「生かしておしゃれに魅せる」方法が注目されはじめ、これまで以上に白髪ケアの選択肢が増えてきました。とはいえ、「自分に合うケアがわからない」「髪や頭皮へのダメージが気になる」「セルフでできるよりよい方法は?」といった声も聞かれ、まだまだ“しっくりくる白髪ケア”を追い求めている大人の女性は多いようです。
そこで、ヘアケアを知り尽くした美容ジャーナリスト・毛髪診断士の伊熊奈美さんに、美ST世代が知っておきたい白髪ケアの選択肢と最適解の見つけ方をアドバイスいただきました。
■「めんどくさい」「ダメージが気になる」なら試したい6つの選択肢
――白髪についてどのような悩みを抱えている人が多いですか?
「白髪が増えると染める頻度も増えてきて、それがストレスという悩みが多いですね。『1か月で根元が真っ白になる』という方も多く、『染める→生える』の追いかけっこが続き、忙しい日々の中で染め続けるのが大変になってきます。20代後半から白髪と付き合ってきた私も、これが何よりストレスでした。
また、サロンや自宅で使うおしゃれ染めは酸化染毛剤と言われ、アルカリ性のカラー剤。薬剤でキューティクルを開いて染料を入れるため、染める頻度が増えればどうしても頭皮や髪はダメージを受けます。更年期世代は肌(頭皮)も敏感になるので、それまでは薬剤に触れても大丈夫だったのに突然皮膚トラブルが起こる場合も。大人の髪はキューティクルももろくなるので、内部成分が流れ出てパサつきやうねりにつながります」
――白髪は一刻も早く染めたくなりますが、ダメージを考えると頻度を減らしたほうがいいのでしょうか?
「そうなんです。残念ながら、若い頃と同じような強い髪・頭皮ではありません。それなのに頻繁にヘアカラーをしていたら、ますますダメージを受けてしまいます。幸いにも、近年は髪や頭皮に負担をかけない方法や、数か月は染めなくても白髪が目立たない方法が増え、白髪ケアが充実。白髪染めの頻度とダメージを減らしつつ、美しくオシャレに見せてくれる選択肢を紹介しますので、参考にしてみてください※」
※参考:『脱白髪染めのはじめかた でもいきなりグレイヘアは無理!』(グラフィック社刊)
1.大人のおしゃれ髪に!「ハイライトカラー」
「毛束を一定の間隔で引き出して、ベースの色より明るく施術するのがハイライト。白髪と黒髪の間に中間のカラーが入ることで白と黒の明暗差が和らぎ、伸びてきても白髪が目立たなくなる方法です。頭皮から浮かせて染められるので、頭皮へのダメージが少ないのはメリットですが、髪のダメージはあるのでケアを忘れずに」
2.遊び感覚で白髪を生かす「ブリーチの応用」
「白髪のある部分に、あえてブリーチ剤を使い、白髪になじむ明るい色を意図的に増やすワザも有効です。カラーデザインに目が留まり、白髪をカモフラージュできます。最近は、傷みを減らして補強する『プレックス剤』を使うプロの技術が一般的になり、以前よりは髪に優しい施術が可能に」
3.髪と頭皮をケアする「優しい染め方」
「近年、自然界由来成分を多く配合したカラー剤など、髪や頭皮へのダメージを軽減するアルカリカラー剤が増えてきました。それだけでなく、根元に塗るときに頭皮につかないように寸止めで塗る『ゼロテク』も広がり、美容師の技術も進化しています」
4.敏感肌の現代人に人気「ヘナ&ハーブ染め」
「『ヘンナ』という樹木の葉で染めるヘナ染め。従来から敏感肌やアレルギーのある人の選択肢でしたが、大人世代の白髪染めの方法としても支持を集めています。白髪部分がオレンジに染まりますが、インディゴなどほかのハーブパウダーを重ねて染めることで自然な色に仕上がります」
5.究極の脱・白髪染め「グレイヘア」
「白髪染めをやめ、白髪をそのまま楽しむグレイヘアは、究極の脱・白髪染めです。染めなくていいからラクになると思われがちですが、実は素敵に魅せるには清潔感を保つケアが必須。ツヤと潤い、ボリュームを出すためのホームケアやスタイリングを取り入れると上質な印象に」
6.自宅で自由に染める「セルフカラー&リタッチ」
「サロンカラーと、自宅でのセルフカラーや根元のリタッチを併用するのも一つの手段。その際、使い勝手がいいのがカラートリートメント。キューティクルを開かずに髪の外側を染めるため、ダメージが少なく、商品によりますが1~2週間程度で落ちるので色合わせの失敗もそれほど神経質にならなくても大丈夫。またこの場合は、サロンで使っているカラー剤との相性がいいかどうかも大切。担当美容師さんにも相談して」
■最適解を見つけるには?「優先したいこと」を考えて白髪ケアを選ぶ
――さまざまな白髪ケアの選択肢がある中で、自分に合う最適解を見つけるにはどうしたらよいでしょうか?
「白髪ケアにおいて『何を優先したいか』を考えると、自分にしっくりくる方法が分かってきます。例えば、おしゃれに魅せたい気持ちが強いならハイライトカラーやブリーチの応用テク、最も気がかりなのが髪や頭皮のダメージなら優しい染め方やヘナ染め、サロンに行く時間が限られるならセルフカラーの併用を選ぶ、というように、目的やこだわりを考慮して決めるのがおすすめです。自分に合う最適解を見つけられると、『また伸びてきた……』という落ち込みが減り、白髪ケアに対するストレスが和らいでくると思います」
――白髪ケアで、伊熊さんが今注目しているトピックはありますか?
「サロンではハイライトを入れた白髪ぼかしが定番となってきましたが、染め方にバリエーションが増えてきました。例えば、髪の表面は少し明るめの8トーン、内側は日本人の平均的な髪色の6トーンにするなど、カラートーンを変え、染め方でハイライトを入れたように見せるヘアスタイルも人気です。ブリーチを使用せずおしゃれ染めや白髪染めだけでカラーをするとダメージが抑えられます。ぜひ美容師さんに相談してみてください。
また、セルフカラーには酸化染毛剤だけでなく、洗髪から染毛、トリートメントまで、すべてを1本で完結できるクリームタイプのカラーシャンプーや、髪や頭皮へのダメージが少ないカラートリートメントもあります。手間がかからず時短できるのがいいですね。ただし、サロンでカラーリングしている方は、カラーシャンプーはサロンに行く1週間前、カラートリートメントは商品により1~2週間前には使用を控えましょう。サロンに行く直前はワンデイリタッチを活用して」
――そもそも白髪は一度生えてしまったら戻らないのでしょうか? 染める以外に白髪に有効なアイテムがあれば使ってみたいです。
「販売や宣伝、説明書などに『白髪改善』は表記できない決まりがあるので、白髪に効く製品を目にする機会は少ないかもしれません。しかし、各メーカーなどで研究は着実に進んでいて、サンショウエキスやホップエキス、キノコ由来のレイシエキスから始まって、近年ではフラボノイドの一種やペプチド成分など、抗白髪効果が期待できる成分がわかってきました。頭皮美容液としてそれらの成分が入っている製品もあります」
■伊熊さんはヘナで白髪染め。濡れたままにしないで美髪をキープ
――伊熊さんは、ハリ・つやのあるロングヘアが印象的です。ふだんの白髪ケアや美髪ケアを教えてください。
「私自身、20代後半で白髪が出始め、36歳で出産した後は、産後の脱毛に加え白髪も激増しました。伸びるたびにサロンで根元を染めてもらい、これまでホームカラーもたくさん試してきました。年齢を重ねると、カラーリング中に頭皮が染みたり、髪がパサついたりして悩みが増えてきたので、ダメージの軽減を求めて、今は月1回、ヘナ専門の美容師さんにお願いしています。私は自然な髪色が好きですが、ヘナで染め続けると、髪色を明るくしたいと思ってもそうすることが難しいので、出家するくらいの気持ちで(笑)。2~3回くらいヘナで染める程度なら問題ないので、お試し期間と思って判断するといいでしょう。
髪のために気を付けているのは、洗ったらなるべく早く乾かすこと。濡れたままだとキューティクルが開いた状態が続き、乾燥の原因になります。しっかりタオルドライをしたうえで、髪の根元から乾かします。半乾きで寝ることはないですね。
髪が生えてくる土壌(頭皮)を健やかに保つためには、体の内側から整えることも大切。タンパク質を多く摂取する食事を心がけ、サプリメントでも栄養を補っています」
■ヘアカラーは体調を最優先に。健康な体があるから美しくなれる
――美ST世代が白髪ケアで注意しておきたいことはありますか?
「一般に白髪染めやおしゃれ染めに使われるアルカリカラー剤は、素敵な髪色を実現してくれる一方で、頭皮や髪にダメージを与えてしまうもの。美ST世代は肌がゆらぎやすくなり、更年期にさしかかるとますます敏感に。カラー剤による皮膚トラブルは、年齢を重ねるほど気をつけなくてはいけません。だからこそ、白髪を染めてきれいにすることと同時に、頭皮や皮膚の健康にも気を配ってほしいと思います。
根元が気になって、あ〜早く染めたい! と思っても、体調がすぐれないときにカラー剤を使うと、トラブルが起こりやすくなります。生理前後や更年期症状がつらいとき、また花粉症やアトピーなどのアレルギーが出ているときは、サロンでも自宅でも、カラーリングはお休みを。アレルギー反応があらわれやすくなり、その染毛方法で染められなくなる、なんてこともあり得ます。
美しさは健康という土台があって初めて実現します。今きれいになることを求めすぎると、未来にやってみたい色やヘアスタイルができなくなってしまう可能性も。そうならないために、40代以降は無理なく続けられる“持続可能な”白髪ケアを見つけ、自分らしい美しさを求めていきましょう」
■毛髪診断士・伊熊奈美さんセレクト「セルフ白髪ケア」おすすめアイテム5選
忙しい美ST世代は、自宅で好きなタイミングで白髪ケアができると少し気持ちがラクになります。セルフケアのおすすめアイテムを伊熊さんに教えてもらいました。
1.【COLORIS/カラリス】(ヘアカラー)
パーソナライズヘアカラーを自宅で好きなときに
⑧カラリス●商品画像
⑨カラリス●色見本
Webでカウンセリングを行うと、約1万通りの薬剤の組み合わせから、自分に合ったヘアカラー剤とトリートメントが自宅ポストに到着。なりたい髪色や髪の状態に合わせた高発色&ダメージレスなカラーリングを好きなタイミングで楽しめます。白髪染めはもちろん、おしゃれ染めにも対応。
カラリス 白髪染めヘアカラー(プロ仕様のカラー小物6点付き) 定期購入 ¥3,940/通常購入 ¥4,378(カラリス)
2.【RISHIRIA Furel /リシリアフレル】(カラークリームシャンプー)
1本で洗髪から白髪ケアまで完結
⑩リシリアフレル●商品画像
⑪リシリアフレル●色見本
白髪やパサつき、うねりなどの悩みに、利尻昆布エキスで髪や頭皮をいたわりながらケアできる、クリーム状のカラーシャンプー。洗う、染める、ダメージ補修がワンステップでできて便利。新色のミルキーベージュなど全4色。
RISHIRIA Furel ワンステップカラークリームシャンプー ¥3,960/240g(ピュール)
3.【プリマローズ】(カラートリートメント)
放置時間3分でOK!白髪を一度で深染め
⑫プリマローズ.カラトリ●商品画像
⑬プリマローズ.カラトリ●色見本
白髪ケアと傷みやパサつき、ボリューム悩みなどのケアができるカラートリートメント。3分の放置時間で、最大15日間、髪色が長持ち。バラ由来の美髪成分配合で、髪の保湿とダメージケアをしながら、ハリ・コシ・ツヤのある、ふんわり指どおりのよい髪に。優雅なバラの香り。ダークブラウン、ナチュラルブラウンの2色。
プリマローズ ディープカラートリートメント プロ ¥2,288円/170g・ブラシ付き(ウィルミナ)
4.【リコヘナ】(ヘナカラー)
サロンクオリティーのヘナパウダーをホームカラーで
⑭リコヘナ●商品画像
⑮リコヘナ●色見本
現役のヘナ美容師が開発したサロンクオリティーのヘナパウダー。オーナー自らインドのヘナ畑を視察、オーガニック認証を得た畑で育った新鮮で上質なヘナを、オリジナルでブレンド。サロンケアとの併用、自宅オンリーでのケア共に使える。マロングラッセなど全3色。
リコヘナ マロングラッセ ¥2,970円/ヘナパウダー30gパウチ×4(コロリエ)
5.【ビゲン】(頭皮用エッセンス)
黒髪を美しく保つための頭皮ケア
⑯ビゲン頭皮美容液●商品画像
乾燥した高地に生息する“聖なるハーブ”ヤーバサンタの抽出エキスを配合。髪にうるおいを届けながら頭皮環境を整えます。なめらかに肌になじむテクスチャー、リラックス感のある香りと使いやすさが、心地よい時間を演出してくれます。
ビゲン スキャルプエッセンス ¥6,900円/120mL(ホーユー)
教えてくれたのは…美容ジャーナリスト・毛髪診断士 伊熊奈美さん
美容ジャーナリスト、日本毛髪科学協会 毛髪診断士指導講師。美容記事を中心に、女性誌の編集・執筆に25年以上携わる。特にヘアケア領域では、トレンドからマーケット傾向、皮膚・毛髪科学のアカデミア分野まで多くの取材経験を生かし、生活者視点の美容メソッドを提案。著書に『頭皮がしみる、かゆいは危険信号 いい白髪ケア、やばい白髪ケア』(小学館)、『脱白髪染めのはじめかた〜でもいきなりグレイヘアは無理!』(グラフィック社)など。インスタグラム:@namiikuma_hairista https://www.hairista.net/
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取材・文/釼持陽子