なぜ腸活がダイエットにいい?「デブ菌・痩せ菌」の正体と、太りにくい体質の作り方5選[医師監修]

「食事量はそこまで増えていないのに、なぜか脂肪が蓄積しやすくなった」「少し食べただけですぐに太ってしまう」などの悩みを抱えていませんか? 実は、肥満には腸内環境が深く関わっており、腸内環境を整えることで太りにくい体質を目指すことができます。あんしん漢方所属の医師で腸活に詳しい後藤利夫先生に、腸内環境と肥満の関係や太りにくい体質作りをするための腸活を伺いました。

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1.腸内環境と肥満の関係

腸内には多種多様な腸内細菌が生息しています。腸内細菌のバランスが崩れて腸内環境が悪化すると、腸の働きが低下して便秘になりやすくなるだけでなく、栄養の吸収や代謝機能にも悪影響を及ぼします。その結果、代謝が落ちて脂肪が蓄積されやすくなるのです。

高カロリーな食習慣が続くと、太りやすさに関わる“デブ菌”が増えやすくなります。
一方で、腸内環境を整えて“痩せ菌”を増やすと、肥満予防につながります。これは、腸内細菌の代謝によって作り出される短鎖脂肪酸に、食欲抑制や脂肪蓄積抑制などの効果が期待できるためです。

2.デブ菌・痩せ菌の正体って?

腸内細菌は善玉菌・悪玉菌・日和見菌という3つに分類され、その中でも肥満に関係するデブ菌・痩せ菌は主に日和見菌に分類される腸内細菌です。

デブ菌と呼ばれるのは、主に「ファーミキューテス門」というグループに属する細菌。高カロリーな食事が好物の腸内細菌で、増加すると脂肪の吸収率を高める性質があります。
一方、痩せ菌と呼ばれるのは主に「バクテロイデス門」というグループに属する日和見菌。バクテロイデス門は低カロリーな食事が好物の腸内細菌で、脂肪の吸収を抑え代謝を高める働きがあります。また、ビフィズス菌など、短鎖脂肪酸を産生する善玉菌も痩せ菌の一種です。

日和見菌は、腸内の善玉菌と悪玉菌のバランスによって働き方が変わる菌で、デブ菌は悪玉菌の味方をしやすく、痩せ菌は善玉菌の味方をしやすい性質があります。悪玉菌が増えるとデブ菌の働きが強まる一方、善玉菌が多い環境では痩せ菌の働きが活発になりデブ菌の働きは抑制されます。
そのため、太りにくい体質に近付くには、腸内環境を整え、腸内細菌のバランスを保つことが大切です。

3.太りにくい体質を作る!腸活5選

太りにくい体質を作るために取り入れたい腸活方法を5つ紹介します。

①腸内の善玉菌を増やす食事を心がける

腸活の王道は「善玉菌を入れる+育てる」こと。ヨーグルトや納豆、味噌、ぬか漬けなどの発酵食品には善玉菌が含まれているため、食べることで直接的に腸内の善玉菌を増やすことにつながります。
ただし、食べ物から摂った善玉菌は数日で体外へ排出されてしまいます。そのため、食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌を育てるために必要な栄養を摂ることも意識しましょう。
特に、さつまいもやじゃがいもなどのいも類などに含まれるレジスタントスターチ(難消化性でんぷん)には、腸内細菌に代謝される際に短鎖脂肪酸を産生し、善玉菌や痩せ菌といった腸内の有用な菌を増やす働きがあります。
また、調理法を工夫することも大切。「揚げる」など油を多く使う調理法は高カロリーになりやすいため、「蒸す」「茹でる」などのカロリーを抑えやすい調理を意識しましょう。

②間食を控える

間食を抑えて腸の動きを整えることも大切です。間食が増えると、その都度食べ物が胃腸に入って何度も消化吸収を行わなければならなくなり、腸を休めることができません。これにより腸の活動リズムが崩れて腸内環境の悪化を招く可能性があります。
また、甘いお菓子やスナック菓子などはデブ菌の好物です。間食はできるだけ控え、食事の間隔を一定に保つようにしましょう。どうしても空腹を感じて辛いときには、低カロリーなヨーグルトやナッツなど、腸内環境を整える効果が期待できるものを食べましょう。

③ストレッチをする

腸の周りの筋肉を動かすことで腸に物理的な刺激を与え、働きを活性化させることも、腸内環境を整えるのに役立ちます。太ももを高く上げる足踏みやウォーキングなどのほか、体をひねるストレッチも効果的です。

<体をひねるストレッチ>

(1) 椅子に浅く腰掛ける

(2) 右足を左足にかけて足を組み、お腹をねじるように右側へ体をひねる

(3) ゆっくりと呼吸を繰り返し元に戻る

(4) 足を組み替えて反対側も同様に行う

体をひねるストレッチは、寝転んだ状態で行ってもOKです。仕事の合間や就寝前などに習慣として取り入れてみましょう。

④質の高い睡眠をとる

腸と自律神経は互いに関係し合っており、自律神経が乱れると腸内環境も乱れやすくなります。そのため、腸内環境を整えるには質の高い睡眠をとって自律神経を整えることが大切です。
寝室は光と温度を調節してリラックスできる環境を整えましょう。また、就寝前にはスマホやパソコンなどのデジタル機器の使用を控えて読書やアロマなどを楽しむリラックスタイムを設けることで、寝付きを良くする効果が期待できます。

⑤サプリメントを活用する

腸内環境を整えるために、乳酸菌や食物繊維を含むサプリメントを活用するのも一つの手です。サプリメントはのむだけでいいため、毎日の食事を工夫するのが難しい場合でも必要な栄養や成分を摂れます。
ただし、サプリメントはあくまで補助的なもの。「食事で足りない部分を補う」という位置づけとして、表示された目安量を守って活用しましょう。

【肥満と腸活に関するQ&A】

Q.腸内環境が悪化しているサインはありますか?

腸内環境をセルフチェックする際にわかりやすい目安となるのは、お通じの変化です。腸内環境が悪化していると便が黒っぽい色をしている、硬い、臭いが強いなどの状態になりやすくなります。逆に、腸内環境が良ければ、便は黄色〜黄褐色のバナナ状で、臭いはあまり気にならない状態になります。高カロリーな食事が続いていると腸内環境が悪化して便の状態が変化しやすく、肥満にもつながりやすいため注意しましょう。

Q.どんな善玉菌を摂ると肥満予防に効果的ですか?

善玉菌の代表格としてビフィズス菌や乳酸菌が知られていますが、腸内細菌は種類ごとに働きが異なるため多様性を保つことが重要で、ひとつだけに偏らないのがポイントです。発酵食品の種類を日替わりにしたり、主食や副菜に様々な食材を取り入れたりして、多様な腸内細菌を増やして腸内フローラ全体の層を厚くする意識が、結果として太りにくい体質作りにつながります。

Q.腸内の善玉菌を育てるにはどのような食材がおすすめですか?

腸内の善玉菌を育てるには、水溶性食物繊維やオリゴ糖、レジスタントスターチを多く含む食材がおすすめです。水溶性食物繊維を含む海藻類を味噌汁に入れる、オリゴ糖を含むバナナを朝食に摂るなど、無理のない方法で日々の食事に取り入れましょう。また、レジスタントスターチはいも類や冷やご飯などに含まれます。これらの食材を取り入れて腸内の善玉菌を育てることで、太りにくい体質作りを目指しましょう。

監修してくれたのは…医師・後藤利夫さん

1988年、東京大学医学部卒業。独自の無麻酔・無痛大腸内視鏡検査法「水浸法」を開発。大腸内視鏡6万件以上無事故のベテラン医師。大腸がん予防から始まった腸内細菌や乳酸菌にも造詣が深く、菌のパワーを使って健康になる方法を各所で伝授し続けている乳酸菌の専門家。サプリメント「今日から腸活!」の監修も務める。

編集/根橋明日美 写真・イラスト/PIXTAほか

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美ST