俳優・田中麗奈さん「産後は仕事をしたいという気持ちと周りの空気にずれを感じることも」

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43日公開の映画『黄金泥棒』で、秀吉の金茶碗(きんちゃわん)を盗もうと企む平凡な専業主婦・藤根美香子を熱演する田中麗奈さん。俳優として幅広く活躍する田中さんは1児の母でもあります。そんな田中さんが子どものいる日常から感じたこととは? 産後に直面した葛藤や子育てからもたらされた変化についても聞きました。

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仕事も子育ても人と人とのつながりで両立できる

――ここ数年、映画やドラマへと精力的に出演されている田中さんですが、プライベート面の子育てについてお伺いできますか?

子育ては、まず率直に楽しいですね。仕事の両立ややりくりの難しさもあるんですが、その難しさも含めてやっぱり楽しい。私自身、子どもを持つ前から忙しい状況が好きなこともあり、休日にはあれこれスケジュールを立てるほうでした。子どもが生まれてこれまで通りにはいかないことが多くなりましたが、子育てを人に助けてもらうことで私自身も得るものがたくさんありますし、人と人との繋がりで子育てもお仕事もできていることを実感する日々です。

子どもからもらったプレゼント。絵などは額に入れて飾っています。

限られた時間の中で「自分らしさ」が明確に

――時間のやりくりはどう変わりましたか?

人のときは撮影や仕事がない休日には茶道や日舞など習い事へ出かけたり、映画や舞台を観たり、体や美容のメンテナスに行くなど、自分の好きなように予定を組んでいました。でも、子どものいる生活になってからはみなさんもそうかと思いますが、時間の使い方が大きく変わりましたね。
平日の仕事がお休みの日には自分の予定も子どものお迎えまでの時間になります。だから休日や自分時間には、限られた選択肢の中でどうやって時間を過ごすか考えて、習い事を調整して映画を観に行ったり、アクティングクラスで演技の勉強をすることに特化したり。今まで以上に、仕事をしていない時間に役者としてどう成長できるかを考えて時間を使うようになりました。
以前は自分優先でできることを幅広くなんでもやりたいと思っていたけど、子どもと生活をする中で自分の優先順位が明確になってきて。「これがないと生きられない!」とか「これが私なんだ!」と思う演技に関わることに優先して時間を使うようにしています。それが自分にとって自分らしく生きることに繋がると思っています。

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私はここにいて、働きたいんだ!と意思表示している最中

――映画に関するインタビューでも「自分らしさ」についてお話しされていましたが、俳優としてのお仕事は田中さんにとって不可欠だと感じます。産後、どのくらいで復帰されたんでしょうか?

実は明確に産休をとっていたわけではないのですが、出産に伴って俳優業を落ち着かせると思われていたのか、仕事をしたいという私の気持ちと周囲の認識に少しずれがありました。それには出産当時の私も焦りましたし、「私は終わりだと思われているのかも?」と思うことも。だからこそ「私はここにいるんだ!」「働きたいんだ!」ということを見せていきたいと考えましたし、今もまさにその最中だと思っています。

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母親になることで広がった想像力、そして仕事への熱意もさらに

――田中さんご自身は、世の中の見え方や俳優としての在り方の変化はありましたか?

今から7年前にともさかりえさん、佐藤江梨子ちゃんと「土曜時代ドラマ ぬけまいる~女三人伊勢参り~」というドラマに出演させていただきました。当時、佐藤江梨子ちゃんにはまだ小さいお子さんがいて、ともさかさんも学生のお子さんがいたんです。でもそのときの私はお2人がどういう生活をされていたのか、深く想像できずに現場へ行っていたことを思い出します。
江戸女3人が伊勢神宮を目指してお遍路するお話だったのですが、ロケ撮影の多い現場でした。そんな中でお2人は子育てしながら、撮影されていたんだなと。ご家族による協力やお子さんの年齢によっても細かな違いはあると思いますが、朝からお子さんを預けたりお世話したりして現場へ来ていたお2人にもっとしてあげられることがあったのではないかと今は思います。もっと話を聞くことができたんじゃないか、助けになれたんじゃないか、相手を思いやる気持ちや優しさが足りていなかったのではないかと。
今は自分が子どもを持ったことで初めて知ることがたくさんあります。人に助けてもらう体験を通して、自分ももっともっと人を助けたいと思うようになりましたし、想像を巡らせるようになりました。そして仕事をするにしても、子育てをしていると朝からいろんなことがあります。それを超えて私は仕事がしたい、頑張りたいという強い気持ちにも気付きました。まだまだ知らないことばかりですけど、そんな中でも良かったなと思える変化だと思います。

PROFILE

たなか・れな 1980年5月22日福岡県久留米市生まれ 1998年初主演映画『がんばっていきまっしょい』で第22回日本アカデミー賞新人俳優賞、第41回ブルーリボン新人賞受賞。その後も多くの映画や舞台、ドラマなどで活躍。今後は4月28日放送開始のNHKドラマ10「コンビニ兄弟 テンダネス門司港こがね村店」(毎週火曜22:00~)への出演が控えている。

平凡な主婦・美香子に共感できる!? できない!? 100億の金茶碗(きんちゃわん)を巡るクライム・コメディ

「黄金泥棒」

2013年、とあるデパートで発生した主婦による金(金)盗難事件をもとに、時を経てまさかの映画化。普通であることがコンプレックスの主婦・藤根美香子は金(きん)のおりんをきっかけに、周囲を巻き込んで盛大な犯罪を計画。思いもよらない展開の連続に自分らしさを炸裂させる美香子を田中麗奈さんが熱演。4月3日(金)TOHOシネマズ日比谷他全国公開。

撮影/堺 優史<MOUSTACHE> ヘア・メーク/RYO<TRON> スタイリング/岩田麻希 取材・文/松倉和華子
ジャケット¥53,900(ヴェニット/ハルミ ショールーム)スカート¥29,700(デ・プレ)ネックレス¥105,600(エンド カスタム ジェエラーズ×ハイク/ボウルズ)ピアス¥2,750リング¥3,630(シースキー/ロードス)

SHOP LIST
デ・プレ ☎︎0120-983-533
ハルミ ショールーム☎︎03-6433-5395
ボウルズ ☎︎03-3719-1239
ロードス ☎︎03-6416-1995

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