住吉美紀さん52歳、週末は始発で「9代続く米農家の義実家」へ。「素足で泥にまみれる」休日

土に触れ、季節を感じながら作物の成長を見守る「農活」。そのプロセスにヒーリング効果があるとして、今、注目を集めています。そんな農活に魅了され、生き方が大きく変化した女性をクローズアップ。いかにして農業と出合い、本来の自分を取り戻していったか……。ストレス社会を生きる私たちにとって、大切なヒントがそこにありました。

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住吉美紀さん フリーアナウンサー
52歳・東京都在住

家族総出の米作りは素足で田んぼへ!
農作業で育んだ家族の絆と食への想い

平日の帯番組を終え、繁忙期は土曜の始発で夫の実家が営む9代続く米農家の手伝いに岩手へ向かう、住吉美紀さん。都市部育ちで農業が身近でなかった住吉さんは、NHK時代、福島と仙台で5年間、米農家の取材を通して「米農家は経営者」「自分の信念を形にしていてかっこいい」と感じていたとか。その経験が今、義実家の米作りを理解し、手伝いに行く土台に繫がっています。

最初は「できるときに」という距離感も、種まき、田植え、籾摺り――夫とその兄妹一家が集う繁忙期を重ねるうちに、家族総出でないと回らない、といつしか自分も米作りの一員に。

インタビュー好きな住吉さんは、「何にこだわって作っているのか」と義父に根掘り葉掘り取材。すると、義父が有機農法を勉強し、丈夫な稲に育てる研究や工夫など、米作りと向き合ってきた哲学を聞き出せました。米作りは一年に一度しか答え合わせができない、長い研究の世界。毎年学び直し、試行錯誤を止めない姿に、農家は経営者であり研究者でもあると感銘を受けたそう。

そして何より、収穫時に立ちのぼる新米の香り、そして作業の合間に、家族みんなで新米を食べる至福の時間が訪れます。米を育てた土地の水で炊いた白いご飯は、最上級のパワーフード。重労働の疲れも一気に吹き飛びます。

また、農作業で一緒に汗をかく時間を共有するうちに、チーム意識も生まれ、家族の距離も縮まりました。夫婦の関係も、より強く固くなったそう。さらに住吉さんが義父へ興味津々に質問を重ね、脳内に蓄積された考えや経験値を聞き出すことで、家族自身もその価値を再発見する、心地よい循環も起きているそうです。

さらに、たびたび岩手へ通ううち、この美味しさを多くの人に届けたいと、夫の飲食店やネットショップで産直販売を開始、今では定期購入する人も出てくるほどの人気商品に成長。買った方の喜ぶ顔や反響が見え、米作りへの一層の励みに。

一方で、家族規模の経営では厳しい点、担い手不足、続けたくても続けられない構造に、危機感を募らせてもいます。「田んぼは一度荒れると復帰が難しいのですが、食糧を生み出していることは、これからは必ず力になると信じています。講演などでは、生まれながらの米農家でなく、結婚して当事者になった私の視点から、米作りの素晴らしさを語るようになりました。主食を自給することの価値が再評価され、稲作で生計が立つ社会構造が作れれば米作りをして暮したいという方は増えるはず」。

泥に足を取られながらも、食の原点に触れる体験を〝外から来て〟重ねてきた住吉さん。日本の食を支える現場の声を、彼女はこれからも届け続けます。

<編集後記>毎日いただくお米に感謝! 新米ってホントに宝物ですね

恥ずかしながら私は田んぼに入った経験がなく『バケツ稲づくり』をした程度。それでも稲に穂が出、実の入りがスカスカで茶碗の何分の一にしかならない量でも、収穫し自分で脱穀してようやく「お米」になった時の感動を覚えています。生産者の汗と時間、試行錯誤が、一粒一粒に込められていることを、改めて教えていただきました。(ライター 羽生田由香)

シャツ¥49,500(マレーラ/三喜商事)ピアス¥19,800(ヴァンドームブティック/ヴァンドームブティック 大丸東京店)ネックレス¥346,500リング[右手人差し指]¥257,400(ともにヴァンドーム青山/ヴァンドーム青山本店)リング[右手薬指]¥286,000[左手中指]¥58,300(ともにケンゴ クマ プラス マユ/ヴァンドームヤマダ)

撮影/吉澤健太 ヘア・メーク/園部タミ子 スタイリスト/阪本幸恵 取材/羽生田由香 ※情報は2026年4月号掲載時のものです。

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