日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』裏話 福山雅治が18歳・奥智哉に伝えたバラエティの秘策
春ドラマを牽引する作品といえば、福山雅治さん主演のTBS系日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』は外せない。14日に放送された第4話の視聴率も、平均世帯視聴率が12・4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と好評である。同ドラマに刑事・長谷川壮太役として出演する奥智哉さんは「福山雅治さんに大泉洋さんなど、現場で360度どこを見ても主演級の俳優さんばかりの特別な現場です」と話す。
奥智哉
2004年7月18日生まれ 神奈川県出身 2020年、蜷川実花監督のNetflixドラマ『FOLLOWERS』で俳優デビューを果たす。以降、ドラマ『青のSP―学校内警察・嶋田隆平―』、『仮面ライダーリバイス』、『みなと商事コインランドリー』、『大奥』、映画『ラーゲリより愛をこめて』などの話題作に出演。現在はドラマ『ラストマン-全盲の捜査官-』で、刑事・長谷川壮太役を演じている
「大泉洋さんには初対面からガッツリいじっていただきました(笑)」
『仮面ライダーリバイス』に出演し、老若男女幅広い世代から知られるようになった奥智哉さんは、今年注目の新進俳優のひとり。日曜劇場『ラストマン-全盲の捜査官-』への出演が決まったときのことを振り返る。
「出演が決まって嬉しかったというのはもちろんですが、キャストを聞いたときの衝撃はそれ以上でした。福山雅治さんと大泉洋さんが同じ画のなかに入るんですよ。しかも、その周りを固めるのが、上川隆也さんや吉田羊さんをはじめ、永瀬廉さんや今田美桜さんなど、最前線で活躍する方ばかり。どこを見ても主演級しかいません。自分は18歳という若さで、この現場でお芝居ができて幸せだなと思いましたね」
『ラストマン-全盲の捜査官-』は、視力を失ったFBI捜査官・皆実広見(福山雅治)と警察庁の人材交流企画室長で刑事でもある・護道心太朗(大泉洋)がバディを組んで、事件を解決していくサスペンスドラマ。息もつかせぬ展開で視聴者のハートを鷲掴みにしている。
「このドラマで扱う事件は、旬な話題やニュースで取り上げられる社会問題を織り交ぜて作られています。だから、どの世代の方が観ても、考えさせられるところがあるんじゃないかと思いますね。盲目の皆実捜査官がその難事件を華麗に解いていく姿は、鮮やかの一言。現場にいても、福山さんが推理するシーンは引き込まれますよ」
撮影現場は非常に和気あいあいとしており、「必ずキャストやスタッフの笑い声が聞こえてくる」ほどなのだとか。
「大泉さんは率先してムードを作ってくださる方。初対面のときには、僕が出演していたドラマ『大奥』を観たという話でいじっていただきました。『『おっくん、猫殺したらダメだよ〜』と(笑)。おもしろいのはもちろん、優しい方だなと思いました」
福山雅治、大泉洋から教わった必殺ギャグを引っ提げ、バラエティ番組に出演するも……
奥さんは、ドラマの番宣番組に出演する際に、福山さんと大泉さんから、直接バラエティ番組での振る舞い方を伝授してもらったという。
「福山さんには『バラエティ番組は立体的に組み立てていかないとおもしろくならないよ』と教えていただきました。『オチに向かう展開を考えて話を組み立てていこうね』ということのようなのですが、初バラエティの僕にはレベルが高すぎました(笑)」
悩む奥さんを見かねた福山さんは必殺技を授けてくれた。
「アピールポイントを聞かれたときに使える1ネタを考えてくださいました。まず、『美肌が武器です』と答えて、カメラがグーっと寄ってきたら、決め顔で『ラストマン』とタイトルコールしよう、と。そこに大泉さんが『おっくんなら、うなじでもいけるよ!』と乗ってきてくださって。『うなじが武器です』と言って、カメラが寄ってきたら、振り向いて『ラストマン』だよ、と」
実際に、奥さんは番宣番組で秘伝のネタを披露したそうなのだが……。
「せっかく教えていただいたので挑戦したのですが、カメラが寄り切る前にタイトルコールをしてしまって、大スベりしました(笑)。頭のなかが真っ白になって、テンパってしまったんですよね。もちろんO.Aではばっさりカット。幻のギャグとなってしまったのが残念です(笑)」
写真・木村哲夫 取材・小石原悠介