スタッフの間でも人気が急上昇中!時代に左右されないデザインを追求したドレス【今月のウェルビーブランド】
編集室長・水澤が毎月気になるウェルビーブランドに注目してその成り立ちや背景、理念までリサーチする連載。今月は日本のアパレルで初めてB Corp※認証を取得した、CFCLのExecutive Advisorを務める岡田康介さんにインタビュー
今月のウェルビーブランドは…「CFCL」
時代に左右されないデザインと製造過程を追求した革新的ドレス
CFCLのシグネチャーであるポッタリードレス。今季はベルスリーブがシアーになって登場。ブラックドレス¥68,200 実は小物も手が届きやすいプライスで人気が高いそう。フレッシュなグリーンが印象的!サコッシュバッグ¥23,100 構築的なデザインが存分に楽しめるシルエット。ホワイトドレス¥78,100(すべてCFCL)
【CFCL】
「Clothing For Contemporary Life」の頭文字を取ったCFCL。代表兼クリエイティブディレクター・高橋悠介が提唱する3Dコンピューター・ニッティングの技術を中心とした時代に左右されないアイテムを発表。同時に衣服としての機能性、環境への配慮、最適な国産素材の選択、流通経路の透明性までも追求しながら現代生活に求められる衣服を提案。
CFCLのExecutive Advisorを務める岡田康介さんにインタビュー
水澤:日本のアパレルで初めのBe Corp※認証。どういう経緯で認証を取られたんですか?
岡田:ブランドを立ち上げる時から認証取得を前提にスタートしました。当時は2020年コロナ禍真っ只中、人々の行動変容や不要不急という全ての基本となるテーマに直面し、ただエコな素材や再生可能エネルギーを使うだけではなく、服作りという仕事全てを通して「会社の存在意義」を徹底して考えました。
水澤:ニットを選んだのも理由があるんですか?
岡田:3Dニットはデザイナー高橋の原点です。その原点に向き合いながら〝社会と地球環境への負荷が極めて高い現代のモノづくりを客観視し、逆により良いインパクト(=ベネフィット)を具体的にもたらすことができるか〟というB Corp※の視点で捉え直すことが出発点でした。再生素材100%の糸一本のみで多くの工程を削減して衣服を作ることができる3Dニットは無駄な端切れが出ません。水使用も染料も少なく環境負荷を減らせます。CFCLのシグネチャーであるポッタリードレスは私達の「衣服を作る意味」を体現しています。具体的にはライフサイクルアセスメント(LCA)という分析を行って、ドレス作りの各生産過程で排出される温暖化ガスの量を厳密に数値化、見える化しました。その結果、1着あたり4.99㎏(CO2e)の排出量であること確認。日本の一般的な衣服を作る時の排出量は25.5㎏(CO2e)ですから温暖化影響を非常に少なく抑えられています。現時点では自然エネルギーの使用を進めたことで排出量が30%削減し、3.49㎏にまで低減されました。このものづくりは関東や北陸など日本各地の信頼のできる工場や職人さんの生産技術と社会と環境への影響を熟慮したデザインの融合であり結晶です。現代社会に本質的に必要なデザインとスペックを追求することで素材のロスだけでなく、エネルギー効率や生産性の向上にも繋がります。
水澤:新しいことを始めるには会社と作り手との信頼関係が大切なんですね!
岡田:メイド・インジャパンだからできたことであり、こういった新しい取り組みを多くの工場様とより近い距離感で推し進めることに、新しいものづくりの価値があります。これら全てを総括して世界的に最も厳しいSDGs審査と言われる〝B Corp認証※〟での高評価を得られました。
水澤:でもそれだけコストもかかりますよね。
岡田:なので基本的に私たちは工場さんから要請のあるご請求を尊重します。必要な賃金を支払うことでニット業界という地域コミュニティの環境を共に向上させるのもアパレルの大切な役割です。
水澤:では、今後の目標を教えてください。
岡田:社員全身でいかに長期的にこれらの取り組みを強く継続できるかが焦点になります。忙しさの中でQOLも考えながら〝高くてもしっかり選ばれて買っていただける〟ブランド作りに挑戦していきます。
※ベネフィット コーポレーション
【CFCL】エシカル商品の特徴
撮影/五十嵐 洋 取材/佐藤かな子 再構成/Bravoworks.Inc