【メンズモデル】記録ではなく記憶。日常を撮り続けたい
南中将志さん「ひとり時間の過ごし方」
男性ファッション誌をはじめ、HONDAやdocomoなどの広告で大手企業のイメージモデルとして活躍する南中将志さんは、フィルムカメラで写真を撮る瞬間瞬間が大切な時間だと話します。スマホを忘れてもコンパクトカメラは忘れないというほどの写真愛好者。「新しいカメラを手に入れると、最初の1枚はカメラを構えた自分の姿を写すことに決めているんです」と、照れながら写真とカメラへの愛を語ってくれました。
PROFILE
みなみなか・まさし/1989年6月22日生まれ、三重県出身。身長185㎝。19歳からモデルをはじめ、男性ファッション誌「Gainer」「Begin」をはじめ様々な雑誌に出演。広告やショーモデルとしても活躍する。サッカーやスノーボードなどのスポーツも得意としている。
Instagram @masashi_minaminaka
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フィルム写真は撮影したときの会話まで思い出させてくれる
小学生のころからカメラが好きで、修学旅行などの学校行事があると、「写ルンです」を買ってもらって、パチパチ撮っていました。カメラにのめりこみ始めたのは20歳のころ。父の持っていたキヤノンの一眼レフカメラを触らせてもらったときに、すっかりフィルムカメラに魅せられてしまって。その後、モデルの仕事を始めてからは、本格的に中判カメラで撮るようになりました。
フィルムカメラの魅力は、ファインダーを覗いて見える世界が、映画のワンシーンのように美しく見えるところ。その世界を一枚一枚丁寧に切り取って撮影することが楽しいと感じています。フィルムカメラは、デジカメやスマホで撮影するのと比べて手間がかかりますし、コストもかかります。それでもフィルムが好きだと思うのは、撮った場所や景色が記録できるだけでなく、状況や会話までも思い出させてくれるから。スマホだと手軽にたくさんの枚数が撮れるだけに「あれ? こんな写真撮ったっけな?」ということがしばしば(笑)。記録だけでなく、記憶に残せるところが僕にとってのフィルムで撮る意味なのだと思います。
愛機の中判カメラとコンパクトカメラ。「旅行のときは大荷物になります」(南中さん)
写真一枚一枚に日付をしっかり記録しておきたい
今、撮影するのは家族写真がほとんどです。
4歳ともうすぐ3歳になる娘がいるのですが、2人とも撮られるのは好きみたいなので、いつもカメラを持って彼女たちを追っかけ回しています(笑)。子供の成長は自分が想像しているよりも早いから、「あのとき撮っておけばよかった」と後悔しないようにしたいですね。僕は言葉で思いを伝えるのが得意ではないので、笑顔も泣き顔も全部残しておいて、彼女たちが大きくなって写真を見返したときに、何かを感じてほしいと思っています。
被写体は子供だけではありません。妻のポートレートは結婚する前から撮っているんですよ。今のところ、大々的に発表するつもりはありませんが、彼女がおばあちゃんになるまで、妻との日常を撮りつづけたいなと思っています。
「撮りたいと思った瞬間に撮影できるのがコンパクトカメラのいいところです」(南中さん)
家族を撮影し続けるなかで、コンパクトカメラがいいなと思うのが、日付の印字機能があること。自分が子供のときに親が撮ってくれた写真には、どの写真にも日付が入っていて、それがすごく好きでした。その味わいを子供たちにも感じてもらえたらと思っています。「これは娘が生まれた日」「これは家族で旅行に行った日」と、家族で見返したときに、思い出が鮮明に残るようにしてあげたいです。
これから夏が始まりますし、花火大会や夏祭りに出かけたときに、浴衣姿の写真なんて撮ってあげられたらいいですよね。
「作品のように作り込んだものよりも、日常を残していきたい」(南中さん)
撮影/相澤琢磨 取材・文/小石原悠介