「大人が恋愛で自分の意見を伝える方法」をプロに聞いてみたら…【セックスをして欲しいと言えない】

仕事では自分の意見をきちんと伝えられるのに、恋愛だとつい受け身になってしまったりNOと言えずにモヤモヤしたりする…。そんな関係は長い目で見ると、損かもしれません。少し勇気はいるけれど相手に想いを伝える方法、コミュニケーションの専門家に聞いてきました。

<CASE>SEXについて

女性である自分がセックスすることに対して意欲的という風に見られたくなく、完全に受け身であったため、タイミングもやることも彼に全部任せています。そのため、物足りないと思っても何も言えなくてモヤモヤ…。(S.Uさん)

自分の身体は自分のもの。SEXにどう向き合うか、決定権は自分にあります

「そもそもCLASSY.世代のみなさんに知っておいてほしいのは、〝私たちは性に関する権利を持っている〟ということ。アサーティブコミュニケーションの第一人者=アンディクソンの『第四の生き方―「自分」を生かすアサーティブネス』でも、性にまつわる6つの権利が提示されています。その中のひとつに『SEXのときにしてほしいことを求めていい権利』があります。

今回のケースのように、タイミングやどうしてほしいかを伝えることに躊躇う女性は多いと思います。でも、自分の本心を抑えたまま、相手のためだけにSEXするということは、自分の性の権利もおろそかになり、自らの価値を引き下げてしまうことにつながります。女性が性を語ることに抵抗があるかもしれませんが、私たちにはSEXをどう楽しむか自分で決める権利もある。だから相手にしてほしいことを伝えていいし、そうすることでSEXにも対等に関わっていくことができる。

リクエストする際のポイントは、自己開示しながら率直に。『○○くんのことが好きだから』とか『ふたりの関係をもっとよくしたいから』など、自分の気持ちも添えるとベスト。具体的な要望は『もっと上』のように短く簡潔に、を意識して。

さらに私たちは、気持ちを変えていい権利も持っています。その気になれなかったら途中でやめてもいいし、そもそも気分が乗らなかったらしなくてもいいんです。SEXを断るシーンでも求められるのは率直さ。『そばにはいたいけど、今はそういう気分じゃない﹄と素直に話す。その際、永遠にNOではないことをきちんと伝えること、『今日は疲れてるから、週末にしない?』と相手に寄り添う姿勢も大事です。特に女性はSEXに積極的と思われたくないあまり受け身になりがちですが、自分の体は自分のもの。その体をどうするかは自分で決めていい。情報を得たり、人と話して性にまつわる知識をアップデートし、自分の性と向き合ってほしいと思います」

【会話例】

\SEXをしたくない/
(彼が求めてきて)
彼女:ごめん、今日は疲れすぎちゃってできないや。

彼氏:いいじゃん、しようよ。

彼女:ごめん、ヘトヘトすぎて今日はどうしてもその気になれないの(凛と、くり返す)。土曜の朝か週末の他の時間にしない?

彼氏:(しぶしぶ)わかった。

彼女:ありがとう。それじゃおやすみ(相手の感情に責任を感じすぎない)

\してほしいことを言えない/
(SEXが始まる前に)
彼女:○○くんのことが大好きだから勇気を出して言うね。顔から火が出るほど恥ずかしいんだけど、今日はもう少し~~してほしいの。

彼氏:(とまどいつつも)う、うん、わかった。

彼女:ありがとう。

教えてくれたのは...

◼︎鈴木早苗さん(実践女子短期

◼︎鈴木早苗さん(実践女子短期大学日本語コミュニケーション学科非常勤講師)
自分も相手も大切にするアサーティブ・コミュニケーションの講師歴19年。日本不妊カウンセリング学会認定不妊カウンセラーの資格も有し、自身の不妊治療経験をもとに、2017年、ブログ「心が軽くなる不妊治療中のコミュニケーション」を開設。著書に『不妊治療成功のカギ!夫婦の妊コミBOOK 心・体・お金のダメージを解消する』(河出書房新社)。

\CLASSY.世代 新人ライター/
【篠田の編集後記】
自分本位ではなく思いやりのある言葉で、はっきりと気持ちを伝えることが大切だと感じました。全く同じ価値観の人などいないもの。我慢したり駆け引きすることなく、大切な相手こそお互いの価値観を尊重し、素直に向き合える関係を築きたいと思えるようになりました。

イラスト/kame 取材/坂本結香、篠田夏帆 再構成/Bravoworks.Inc