【福地桃子さんインタビュー】話題作『橋からの眺め』で舞台初挑戦!「何かを受け取って頂ける作品になれば」

大河ドラマなど数々のドラマ、映画でその存在感が注目を集めている福地桃子さんがこの秋、舞台に初挑戦! 初めての舞台『橋からの眺め』に対する期待や不安、また自身のパーソナリティについて2回にわたりインタビューをお送りします。

――舞台初出演作となる『橋から

――舞台初出演作となる『橋からの眺め』は20世紀を代表するアメリカの劇作家、アーサー・ミラーの社会派ドラマですが、初めて脚本を読んだ時の印象を教えてください。
1950年代、ニューヨーク・ブルックリンの労働者階級が住む波止場が舞台のお話です。住んでいる環境も世代も違いますが共感できる人間関係が緻密に描かれているので、今の私達の隣で起こっていることのように感じました。どの場面もとてもリアルに感じられたのを覚えています。

――福地さんは伊藤英明さんが演じる主人公エディの姪・キャサリン役ですが、なかなか難しそうな役どころですね。
キャサリンは17歳で、少女と大人の狭間にいるんです。心が揺れていて複雑な感情になり、何が正義なのか見失う瞬間が何度もあります。そのたびに迷ったり自分を責めたりしながら、大人になるための決断をします。そんなキャサリンの揺れ動く心の変化にとても共感し、その繊細な感情を大切に表現したいなと思ったからこそ、演じるのが難しいなと思いました。でも17歳という年齢は一度経験しているので、自分があの頃に抱いていた感情を引っ張り出して表現したいなと思っています。

――英国内外で活躍する演出家、

――英国内外で活躍する演出家、ジョー・ヒル=ギビンズさんの日本初演出作になりますが、ジョーさんの印象はいかがですか?
お稽古は始まっていないのですが(※取材は7月初旬)、春に顔合わせでお会いしました。通訳の方を介してお話ししたのですが、同じ言語で話しているのと同じくらいジョーさんの舞台に対する熱量や気さくなお人柄を感じることができました! とても印象的だったのが、ジョーさんが今までの作品の楽しかった出来事や面白かった体験をたくさん話してくださったことです。お稽古前にしてきてほしい準備などについてお話するのかな?と思っていたので、私の中ではとても意外だったんです(笑)。舞台に立たせていただくのは今回が初めてなので不安もあったのですが、そんな思いが払拭されて期待を大きくすることができました!

――今回の初舞台について「自由にお芝居ができたらいいな」とお話しされていましたが、ジョーさんの印象や人柄を受けてのコメントだったのですね。
はい。お稽古場での温度感が心地よいものになりそうだと感じたので、自由に楽しくお芝居ができそうだと思ったんです。今回のキャストは6人なのですが、毎回皆さんがお稽古場に持ってこられるものや元々のお人柄で作品ができあがっていくと思うので、このカンパニーの色がどうなっていくか今からワクワクしています。

――「(公演の)最後には感じ方

――「(公演の)最後には感じ方も変わっているかも」ともコメントされていました。今回は9月2日から10月15日まで4都市をめぐる長丁場ですので気持ちの変化がありそうですね?
始まってないのでまだわからないのですが、この作品に関しては「感じ方が変わっていくのではないか」と思いました。それは、この作品を純粋な気持ちで読むたびに受け取り方が変わるからなんです。今は一人で台本を読んでいる段階ですが、相手から言葉で言われたら新たな気づきがあると思いますし、キャストの皆さまの感じ方も日を追うごとに変わっていくと思いますので、そんな中で毎日お芝居をしていったら…。最後には自分の心がどう反応するのだろうと思っています。

――最後に今回の舞台を楽しみに

――最後に今回の舞台を楽しみにしている方達へメッセージをお願いします。
これまで客席から舞台を観ていましたが、今回は初めて舞台から客席を観ることになります。でも、参加の仕方が変わっただけで舞台を楽しむことに変わりはないと思っています。私は劇場全体の空気がとても好きで、舞台という一度しかないものを楽しみたい気持ちは同じだと思うからです。舞台に立ったときはどんな気持ちになるのだろうと期待しながら、まずは一生懸命向き合おうと思っています。皆さまには何か受け取っていただける作品になるように頑張りますので、観に来ていただけると嬉しいです!

PARCO PRODUCE 2023 『橋からの眺め』
ローレンス・オリヴィエ賞、トニー賞に輝いた巨匠アーサー・ミラーの骨太な社会派ドラマ。13年振りの舞台出演となる伊藤英明が豪華キャストとともに名作に挑む。【作】アーサー・ミラー【翻訳】広田敦郎【演出】ジョー・ヒル=ギビンズ【出演】伊藤英明 坂井真紀 福地桃子 松島庄汰 和田正人 高橋克実【東京公演】9月2日(土)~24日(日)東京芸術劇場 プレイハウス【北九州公演】10月1日(日)J:COM 北九州芸術劇場 大ホール【広島公演】10月4日(水)JMS アステールプラザ 大ホール【京都公演】10月14日(土)・15(日)京都劇場

福地桃子
‘97年生まれ。東京都出身。’19年にNHK 連続テレビ小説『なつぞら』で夕見子役を演じて注目を集める。最近の主な出演作品は映画『あの娘は知らない』『サバカンSABAKAN』『あの日のオルガン』、ドラマ『家族だから愛したんじゃなくて、愛したのが家族だった』『それってパクリじゃないですか?』『舞妓さんちのまかないさん』、大河ドラマ『鎌倉殿の13人』など。

【衣装】タートルネックトップス ¥16,500 ベスト ¥33,000 スカート ¥39,600( すべてTELA/T-squarePress Room) ピアス 各¥56,100 リング¥77,000(ともに e.m./e.m. 青山店)
撮影/木村 敦 ヘアメーク/秋鹿裕子(W) スタイリング/ゴトウカナエ 取材/よしだなお 構成/中畑有理(CLASSY.編集室)