『パンどろぼう』作家で二児の母・柴田ケイコさん「親も子も、できないことはできなくていい」

多岐にわたる子育てタスク、全部が得意じゃなくって時に頑張れないことがあっても当然なのに「ママなんだから」と完璧を求められちゃうのはなぜ!根強い母への『べき論』にツッコミをいれながらもこなせない自分にいちいち気持ちが揺らいだり…。大人気絵本『パンどろぼう』の作家で二児の母でもある柴田ケイコさんに、子育ての極意を教わりました。

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柴田ケイコさん

『パンどろぼう』も子どもも。
「できなくていい」と
背中を押してあげたい

柴田ケイコさん

1973年生まれ。奈良芸術短期大学ビジュアルデザインコース卒業。イラストレーターとして活動しながら2016年『めがねこ』(手紙社)で絵本デビュー。『パンどろぼう』(KADOKAWA)シリーズ4作が大ヒット中。

絵本作家としてデビューしたのは、長男が11歳、次男が9歳だった2016年、43歳の頃。それまでイラストレーターとして仕事してきて、長男が3歳くらいの時には絵本の構想はあったものの、忙しすぎて手をつけられず。〝お世話〟からだんだん見守りの育児に移り変わる中で時間を見つけ、ようやく絵本を出せたという感じです。

男の子ふたりの子育てでしたが、小さいころ子どもたちと遊ぶのはインドア中心。なぜなら、私が公園遊びやボール遊びが苦手だったから。外に連れて行ってあげなきゃと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、苦手なものを毎日やるのは辛いし、それって子どもにも伝わると思うんです。私はずっと絵を描く仕事をしてきて、絵本が大好きだったから読み聞かせはやってきましたが、それも、早く寝てほしかったから(笑)。仕事が大好きだったので、絵本を読んだら寝るルーティンを作って、21時以降の自分の時間が欲しかったんです。でも、そんな親の得意・不得意が、「我が家」の個性になり、子どもたちの個性にもなると思っています。

今日も子どもについ「片付けなさい!」なんて叱ってしまいました。でも自分だって読みかけの本を出しっぱなしにしていたりしますよね(笑)。子どもはいつも何かをやらかす存在だけれど、悪気はない。その悪気のなさは絵本『パンどろぼう』にも現れています。絵本の中で叱られそうな場面でも叱られないのは、子どもたちは現実でたくさん叱られているかもしれないから。

絵本を読んでいる間くらい、誰も叱られたりせず、日常を忘れてワクワクしてほしいですね。大切なのは、子どものいいところ、得意なことを見つけてあげる努力だったと思います。時にはできないことはできなくていいと背中を押すことも必要なんですよね。『パンどろぼう』もそう。何でも完璧にはできないということをベースにおいて、楽しいこと、いいことを見つける方にシフトすれば、きっと楽しい育児を続けられるんだと思います。

イラスト/ⒸKeiko Shibata/KADOKAWA
イラスト/ⒸKeiko Shibata/KADOKAWA
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イラスト/ⒸKeiko Shibata/KADOKAWA 取材・文/有馬美穂 編集/羽城麻子
*VERY2023年8月号「キラキラインスタに真っ向勝負! 私たちにこれ以上、期待しないで♡ 言っとくけど、完璧なママなんていないからね!」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。