30代が死ぬまでにかかるお金について、今からできることは…【マネーのプロに聞きました】

止まらない物価上昇に引き換え、上がらない賃金。「貯蓄から投資へ」とする政府のスローガンにもどう対応すればいいのかよくわからなくて不安。それでも服は欲しいし旅行にも行きたい!一体いくらあれば、私たちは安心できますか!?

これからの人生こんなことにお金がかかる!

30歳女性がこれから経験するであろう大きな出来事とそれにまつわるお金を試算してみました。気の遠くなるような数字が出てしまいましたが、このお金を準備するのは「自分」なんです。

全部乗せをしてさらにゆとりのある生活を送るためには...30歳から65歳までの間に“約1億円”が必要!?

【パターンA:貯金でまかなう】
\毎月約23万8,000円を貯金しないといけない!?/

「30歳時点で貯金を0からスタートさせるとして、定年退職する65歳までに1億円を用意するとしたら単純計算でこの金額に。日本の平均年収で考えると非現実的な数字です。当然ですが現金貯金はそれ以上増えることがありません(銀行に預けていれば金利はつきますが100万円を1年間預けていても10円です)。損するリスクがないメリットはありますが、物価上昇などもある中で今のお金の価値がそのまま維持されないデメリットもあります。

【パターンB:投資で資金形成をする】
\新NISAやドル建て保険などを活用し定年後も〝増やし続ける〟/

「パターンAが無理だと感じたらまずは各種NISAを検討してみてください。NISAは金融庁が作った投資の制度。NISAの投資枠で得た利益に対しては非課税という大きなメリットがあります。これまではつみたてNISAと一般NISAがありましたが、2024年からは新NISAが開設され、株式投資と積立投資が併用できるように。これを利用して1億円を35年で形成する場合、運用利回り5%で計算すると、月約88,000円の積立。元本約3,696万円で達成できることになります(金融庁他各証券会社のサイトでシミュレーションできますのでご活用を)。退職後も無理のない範囲で続けていけば増やし続けることが可能です。

「資産なし30歳」の「死ぬまでにかかるお金」を準備するための資産形成プラン

    【パターンA:貯金でまかなう】

    \たとえば…【手取り30万円の場合】/
    2万円以上を【つみたてNISA】に、3万円以上を【現金貯金】に
    「CLASSY.世代の投資初心者はまずは今すぐつみたてNISAを始めてみてください。投資は初動のハードルが高いのですが、ここを越えられたら投資の感覚が掴めて、来年の新NISAもうまく活用できるでしょう。それができたら、その他の金融商品も調べて、いろいろな形で資産を持つことを検討してみましょう」

    【パターンA:貯金でまかなう】

    \プラスで使えるお金に合わせて…/
    【株式投資】
    「日中仕事をしている方は毎日株価やチャートを見ている時間もないと思いますが、配当金を期待して株を買うのもアリ。今は100株単位でなくても1株から買えたり、定額積立購入ができるので気軽に挑戦できて、配当金ももらえます」

    【パターンA:貯金でまかなう】

    \子供ができたら/
    【証券の未成年口座の開設】
    「同じ証券会社に親権者の口座があれば、0歳からでも開設可。運用をするのはもちろん親である自分になるけれど、子供のために金融商品を買って積み立てておくのも手です。親の口座から株の贈与ができる場合もあります」

    【パターンA:貯金でまかなう】

    \気軽に挑戦できる変わりダネ/
    【おつり投資】
    「クレカ等で支払った買物の端数に対して、設定した単位からのおつりを投資に回すサービス。例えばおつりの金額の端数を100円に設定、端数が80円の買物をすると20円が運用資金となり、ひと月で貯まった合計金額が運用されます」

※2025年4月からの「65歳までの雇用確保」に準じ65歳まで働き続ける前提で試算。また一定のリズムで貯める前提の試算であり、必要なときに必要なお金を確実に用意するためには別途時間計画も必要です

漫画・イラスト/谷口菜津子 取材/野田春香 再構成/Bravoworks.Inc