ハマトラ、みゆき族、アイビーリーグ…いくつ知ってる?「ちょっと懐かしい!?トラッド用語」6選

「トラッド」と聞いて思い浮かぶものは人それぞれ。ジャケットやローファーなどのアイテム、アイビーやプレッピーなどのスタイル…。そんなわかりそうで実は知らない、「トラッド」とは何かについて、ユナイテッドアローズの栗野さんにお話を伺いました。

“ずっと着られる服”UAが守り続ける「トラッドマインド」

また、トラッドが生き残った大きな理由は、着回しが利くことです。世界のお洒落好きが質の良いものをさりげなく着るクワイエット・ラグジュアリーへと移行しつつある今、サステナビリティ的な観点からも長く着られるトラディショナルなスタイルは時代に合っていると思います。
「トラッド」とは?と聞かれると、直訳すると「伝統」となってしまうので一言では難しいのですが、「伝統的に継承されてきたスタイル」であり、正確には「トラディショナル インフルエンスド スタイル」というのが正しいでしょう。それをわかりやすくファッションにしたのがラルフ ローレンですが、日本では上陸時にすでにSHIPSやBEAMSがあり、アメリカントラッドを提案していました。手前味噌です が、日本でトラディショナルスタイルを支えたのはセレクトショップです。
UAには「トラッドマインド」という言葉がフィロソフィーとしてあるのですが、“ずっと着られる服”を基本にブレずに守り続けています。ジャケットやローファーなど、普遍的で在り続けるものは便利だしありがたいし、あらためてカッコいい。時代が変わってもどこかに在り続けるのが「トラッド」です。

\トラッド用語解説/

    また、トラッドが生き残った大き

    【アイビーリーグ】
    アメリカ北東部にある名門私立大学8校の総称。その学生たちが着ていたのがアイビールック。紺ブレ、ボタンダウンシャツ、コットンパンツ、ローファーが定番で、世界にも影響を与えた。

    また、トラッドが生き残った大き

    【VAN】
    アイビールックを日本に持ち込み、流行を作り社会現象を巻き起こした、’60年代から’70年代に一世を風靡したメンズファッションブランド。VANのショッパーさえもステイタスだった。

    また、トラッドが生き残った大き

    【みゆき族】
    ’64年頃、VANのアイビールックで決めた若者たちが銀座のみゆき通りにたむろする、「みゆき族」というカルチャーが生まれた。女子は白ブラウス×ロングスカートといったニュートラ的なスタイルが主流になっていく。

    また、トラッドが生き残った大き

    【プレッピー】
    アメリカの一流大学進学を目指す予備校生たちの俗称。シャツの裾を出し、裸足にローファーを履くなど、上質なアイビーを着崩した彼らの抜け感のあるスタイルが’70年代後半人気を博す。

    また、トラッドが生き残った大き

    【ハマトラ】
    「横浜トラディショナル」の略。’70年代後半~’80年代前半に流行した横浜元町の女子大生発祥のトレンド。「フクゾー」の服、「ミハマ」の靴、「キタムラ」のバッグが3大アイコン。

\解説してくれたのは…/

◼︎ユナイテッドアローズ 上級

◼︎ユナイテッドアローズ 上級顧問/クリエイティブディレクション担当
栗野宏文さん
1978年、BEAMSに入社し、店長、バイヤー、ディレクター等を経験後、1989年にユナイテッドアローズ創業に参画。常務取締役兼チーフクリエイティブオフィサーを務めた後、現職。LVMHプライズ外部審査員やアントワープ王立芸術アカデミーの卒業審査員を任され、数々の賞を受賞するなど、長きにわたり世界のファッション業界の第一線で活躍中。

イラスト/ユリコフカワヒロ 取材/宮沢裕貴子 再構成/Bravoworks.Inc