賀来千香子さんが気づいた40代50代の乗り越え方「悲しみや苦しみは栄養になる」

ST世代には永遠の憧れの俳優である賀来千香子さん。いつも一生懸命で明るく健気な役柄とシンクロするように、素の賀来さんもポジティブで真っ直ぐな女性。昔も今も変わらない彼女のチャーミングさの秘密とは?

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お話を伺ったのは…賀来千香子さん

《Profile》
東京都出身。短大在学中に「JJ」でモデルデビュー後、俳優として数々のドラマ・映画で活躍。「あしたも晴れ!人生レシピ」(NHK Eテレ・毎週金曜20時~)、「あなたの知らない京都旅〜1200年の物語」(BS朝日・毎週木曜21時~・月イチレギュラー)に出演中。

自分で言うのもなんですけど、私って〝幸せ発見上手〟なんです(笑)。毎日いろんなことがあっても、可愛い動物の動画や推しの大谷翔平選手の活躍を見ればリセットできますし、ふとしたときに小さいことで「ああ、幸せだなぁ」と思えます。
例えば「今日買ったパンが美味しい」とか「大事な人の誕生日を今年も祝えてよかった」とか。日々のちょっとしたことを尊いこと、ありがたいことと思えれば、それは本当に幸せなことじゃないかしらね。

幸せは大きい小さいではなく、感じる自分の心次第。昔、小林桂樹さんに教えていただいた言葉に「多くを望まなければ幸せはどこにでもある」というのがあるんですが、その言葉はずっと心に留めています。同じようなフレーズが大好きな絵本『喜びの泉 ターシャ・テューダーと言葉の花束』の中にもあるんです。
日々の当たり前と思うことが、もしかしたら当たり前じゃないかもしれない。ちゃんと感謝して「ありがとう」という気持ちを抱けるか、届けられるかが重要。あちこちで戦争、自然災害など様々なことが起こる世の中で、毎日ご飯が食べられる幸せ、今自分が生きていられる幸せに普通に感謝できる人でありたいですね。

40代50代で「私、なんのために生まれてきたの?」と悩むなんてもったいない。人生は楽しんだもの勝ちです

美ST読者の皆さんは40代、50代という、まさに人生の充実期にいらっしゃると思います。そして綺麗の真っ盛り!本当に素敵な年代です。
そんな中で、いろんな立場や環境の方がいらっしゃる。子育て真っ只中であったり、子育てが終わってちょっと手持ち無沙汰で喪失感を持っていらっしゃったり。独身で仕事を頑張っていらっしゃる方、親御さんの介護に奔走していらっしゃる方もいるかもしれません。
ふと「あれ?私ってなんのために生まれてきたのかな」「自分の人生で何か成し遂げたことあるのかな」「子供の手が離れて好きなことをしていいと言われても好きなことがわからない」なんて戸惑うこともあるかもしれませんよね。
でもそういう思いは、どんな人でも多かれ少なかれ抱くものなんじゃないでしょうか?

人生100年時代とも120年時代ともいわれる時代です。せっかくこの世に生まれてきたのなら楽しむことを考えないともったいない。一旦立ち止まるのも大事だけれど、悩む自分をまずは認めてあげて、肯定してほしい。だって自分なりに頑張って来たんだもの。
私も落ち込んだり苦しかったり、葛藤したりしたことがありました。長い人生ですから。でも悪いことばかり考えて落ち込みすぎないように。少し楽しいことがあった時に「あのときは苦しかったけど、今はちょっと楽になって幸せだな」と思えたり、意外と結果オーライで自分にとって必要な出来事・時間だと振り返れる時がある。悲しみや苦しみは自分の栄養になる日が来るんです。
楽しむことを考えましょう。せっかくの自分の人生、自分を大事に。つまらない人生なんてひとつもないはずなのだから。

先輩から一言。 ビジュアル的な美も大事だけれど心の内側を豊かにすることも心がけてほしい

他人と比べたりすることなく、自分自身のうれしいこと、頑張りたいことをたくさん見つけて心の内側を豊かにすることがいちばん大事だと思います。
そしてそれは外見の綺麗にも確実に繋がると思います。若いうちはイケメンも美人もいくらでもいるけれど、最後に〝いい顔〟になるのは顔に〝その人自身〟が表れている人。心から笑ってできる笑いジワや、味のあるお顔って素敵ですよね。
ビジュアル的な美もいいけれど、そればかりを求めすぎないで、感動や感激からくる深みある人間味を大事にしてほしい。それこそが40代以降の〝優しい綺麗〟のもとになってくれるんじゃないでしょうか。

《衣装クレジット》
トップス¥59,400、パンツ¥75,900、靴¥64,900(すべてエンポリオ アルマーニ/ジョルジオ アルマーニ ジャパン)ネックレス¥203,500、ブレスレット¥264,000、リング¥638,000(すべてブチェラッティ) ベルト・イヤリング(スタイリスト私物)

撮影/来家祐介(aosora) ヘア・メーク/森川丈二(gem) スタイリスト/おおさわ千春 取材・文/柏崎恵理

美ST