長谷川京子さん(45歳)一男一女の母としての実感「同性の子育てはややこしい」
私たちが抱く長谷川京子さんのイメージはキュートで大胆、自分に正直な女性というもの。でも実はナイーブで繊細、感受性が強いゆえに、考えすぎて壊れそうになることもしばしばだそう。そんな長谷川さんが「45歳になって少しだけ考え方のフェーズが変わった」と語ります。
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物事に完璧なんてないし、人の数だけ視点がある
《Profile》
1978年7月22日生まれ。雑誌『CanCam』専属モデルとして活躍し、2000年に女優デビュー。ドラマ、映画、舞台CMなど多数出演するほか、TV番組のMCも努める。自身のブランドESS byではプロデューサーとして新たな分野にチャレンジしている。
40代半ばになって思うのは、完璧な物事も完璧な人も完璧な人間関係もないということ。周囲で何かトラブルがあったとしたら、私はまずはそれぞれの立場にいる人の意見を聞くことにしています。
立場の数だけ見方や言い分がありますし、一方が悪いということはありませんから特定の人だけを責めたくないんです。できるだけ中立、ニュートラルな視点で物事を見てバランスをとるのが大切だと考えています。
仕事の人間関係でも友人関係でも同じです。何かが起こると、自分が悪かったり誰かが悪かったりケースは様々ですから、偏った捉え方はしないように気をつけています。それは家族、親子関係にも言えますね。
息子と娘。2人とも自分の子どもだけれど異性と同性では接し方が全然違います
うちには中2の長男と小6の長女がいますが、息子や娘にも、親の思いだけを一方的にぶつけることがないよう、気持ちや考えを聞くように努力していますね。
それにしても子どもって面白いですよね。
長男は、普段はそんなにかまってちゃんではないのに、私がリビングでオンライン打ち合わせみたいなことをしていると急に何か言ってきたりするの(笑)。アテンションプリーズ!みたいな感じで今じゃなくてもいいことをわざと言ってくるんです。今はまだ長男長女ともママ大好きモードが継続中で、これから本格的な思春期反抗期が来たりするのかなとも思ったりしますが、もしかしたらお兄ちゃんの方は来ないかも(笑)。本当にママっ子ですからね。
一方で妹の方はすごく〝ムーディ〟で難しい。女の子の方が難しいですね。私が困るようなポイントを知って攻撃してくる感じです。たぶん私に似ているんだと思うんですが、エモーショナルな部分があるんですよ。わかってあげられる分、見過ごさなければならないのに、スルーできなくて許せなくなるときがあります。
男の子って単純でシンプルだし、どうせ異性だから細かいことまでわからないし、許せるというか、諦められる。それと比べると、母親と娘ってなかなかややこしいんだなと感じます。
30代前半での出産。当時は早いかもと感じたけれど今思うと体力的には良かったのかな
私は子どもを30歳と32歳で産みました。なるべく早いうちがいいとか思っていたわけではないんですが、今思うとベストタイミングでした。
個人的には40代になったときに、子どもが小学校に行ってくれているというのはよかったなと思います。自分の時間がある程度取れるし、やりたいことに集中することも可能ですから。若さの分、元気ですし、子どもと向き合う体力もあるかも(笑)。
美ST世代で小さなお子さんを育てていらっしゃる方にはリスペクトしかありません。子どもに手がかかる時期が40代後半や50代になってくると自分ならかなりしんどかったかも、と思いますから。自分の体調やご両親の健康のこと、そして子どものことが重なるとかなりハードだと思うので、皆さん、無理しない範囲で頑張って乗り切って欲しいです。
すき間時間をムダに過ごすのは「悪」だと、いまだに思ってしまうんです
私は1分でも時間があるとLINEの1本でも打てるんじゃないかと考えてしまう「時間をツメツメにするタイプ」なんです。でもそういうときってアウトプットの作業ばかりで、インプットができていないんですよね。
最近思うのは、生きていく上でも仕事する上でも家族といい関係を築く上でもインプットがすごく大事だということ。インプットって頭を空っぽにしてぼーっとした時にできるものだとも思います。
でも今の時代、ただぼーっとするって難しい。何も考えずに空っぽでいようと思っても次々と雑念が湧いてきて、心がさまよい始めますから。
なかなか邪念雑念とは縁が切れない私(笑)。今年こそは、心穏やかに頭の中をクリアにして、そこから創造的なものを生み出していきたいと思っています。とはいえ、それもなかなかできなくて落ち込むこともしばしばです。
私は何事も考えすぎて突き詰めちゃうところがあるので、落ち込むととことん落ちちゃう。中途半端に気を紛らわすことができなくて気分転換も苦手なんです。
落ち込むときのリカバリー法がまだ見つけられていないのも課題の一つ。でも同じようにお芝居のお仕事をされていて、ある程度の年齢を重ねて一線で活躍されている方は、人としてちゃんとしている方。自分自身のトリセツもわかった上で自己コントロールができている方だと感じます。どこの世界でも成功して生き残れる人って結局そういう方なんじゃないでしょうか。
私も時に落ち込み、悩みながら自己研鑽を重ねて、内面を豊かにしなやかにし、それが演技や外見に滲み出るような俳優、女性になっていきたいですね。
《衣装クレジット》
カーディガン¥27,500(デターム/ザ・ウォール ショールーム)パンツ¥74,800(ハルノブ ムラタ/ザ・ウォール ショールーム)チョーカー¥121,000、ピアス¥220,000、リング¥56,100(ともにエネイ/エネイ松屋銀座)パンプス¥124,300(ジャンヴィト ロッシ/ジャンヴィト ロッシ ジャパン)
撮影/須藤秀之(TRIVAL) ヘア・メーク/美舟(SIGNO) スタイリスト/竹岡千恵 取材/柏崎恵理