【どんどん肌がキレイになる!?】美容液を塗ったようなモチモチ肌になる温泉宿|美ST
某人気バラエティ番組で「日帰り温泉の世界」を紹介するなど、温泉への深い愛と知識を持つ温泉ソムリエの小松歩さん。今回は小松さんが、全国の温泉宿の中から“肌がどんどんキレイになる温泉宿”を紹介してくれました。秘密にしたくなるほどの宿だから、キレイに差をつけたい人は要チェックです。
今回紹介するのは【肌がどんどんキレイになる温泉宿】
温泉それぞれに成分や特徴が違いますが、成分の分析なども無いような昔から、入浴後の肌実感の高い温泉は「美人の湯」と呼ばれたり湯治に使われるなど人々が繰り返し訪れ語り継がれています。そんな特別な温泉のあるお宿をご紹介します!
【川中温泉 かど半旅館】(群馬県)
八ッ場ダムまで車で10分ほどの山あいにある静かな一軒宿で、宿泊者だけが入れる特別な温泉。旅館前を流れる雁ケ沢川の川底から湧き出しているという珍しい温泉なので川中温泉と呼ばれているそう。川中温泉は「日本三美人の湯」の一つですが、日本三美人の湯は1920年に当時の鉄道院が編纂した「温泉案内」の中で効能に「肌を白くする」と記載されていた3つの温泉で、実際に通った方々の経験値から選定されたものなので説得力がありますね。
泉質はカルシウム-硫酸塩泉で、純粋な泉質が珍しく、カルシウムの鎮静効果と硫酸塩の保湿効果で、入浴直後もまるで美容液を塗布した後のように肌がしっとりもちもちします。内湯は女湯・男湯の他に混浴もあり、混浴には露天風呂を併設。露天風呂に行きたいけど混浴はちょっと、という方は女性専用時間になる午前6時〜7時と午後8時〜10時を狙ってみて下さい。
日本三美人の湯の一つである川中温泉。昔からの湯治の仕方として、先に近くにある高温で高酸性な泉質の草津温泉に入り肌を殺菌した後に、源泉35℃でアルカリ性のかど半旅館のゆるめの温泉で仕上げるのが理想的。冷泉で夏場の暑い時期でも湯あたりしにくいので、夏場がオススメです。
食堂でいただく夕飯は、鯉の洗いや岩魚の塩焼き、野菜蒸し焼きなどに加え、名物の「おっきりこみ」という郷土料理のうどん。「材料を切って、煮込む」→「きり、こみ」→「おきりこみ」になったという説もあり、素朴な味ながら絶品。
鎌倉時代には見つかっているという歴史ある温泉。かど半旅館の前にやっていた宿が鉄砲水で流されてしまい、唯一残った薬師堂が今も敷地内にあります。
【川中温泉 かど半旅館】
群馬県吾妻郡東吾妻町大字松谷2432
一泊二食付き(税・サービス料込):¥13,350〜/1名 *不定休
アクセス:【車】渋川伊香保インターから約1時間草津温泉方面へ【電車】川原湯温泉駅を最寄りとした送迎になり、要問合わせ。
温泉ソムリエの考える【体にいい温泉】とは?
私の考える体にいい温泉は「鮮度の良い温泉」で、それは「源泉かけ流し」がほとんどです。
湧きだした温泉をそのまま循環させずに使っているのが「源泉かけ流し」の温泉。湧き出し続ける温泉は鮮度がよく、温泉の鮮度が効果効能に繋がります。天然温泉と書かれていても源泉が少ないと循環ろ過してお湯を使うことになり、循環しているうちにお湯が酸化して劣化し鮮度が落ちて、お湯の個性が発揮されなくなってしまうのです。特に硫黄ガス、炭酸泉は抜けやすいですね。
自分自身も湯治を経験しているので、いかに体に効く温泉か鮮度の良い温泉かにこだわって選んでいます。源泉かけ流しは天然温泉の2~3割。大浴場も気持ちいいのですが、湯船が広いぶんお湯の鮮度が失われやすく循環濾過が必要になることも多いので、温泉を選ぶ際にはお湯の鮮度も意識してみてください。
温泉ソムリエ/マスター★、温泉入浴指導員、温泉観光実践士。交通事故で頚椎骨折し、後遺症のリハビリでの湯治体験を通し、温泉に目覚める。現在、総入湯数は2,400以上。2021年美ST2月号の連載「Mr.シングルのプロポーズ」に出演し、ここでも熱く温泉愛を語る。
取材/菊池真理子