「“男の子ママは大変”と思われがちなのはなぜ?」作家・夏生さえりさんが回答!
どんな時も全力で遊ぶ男の子をもつママたちは、いつだって大変。笑ったり、泣いたり、怒ったり、感情を爆発させる彼らを理解するのは大変だけど、未知だからこそ楽しいと思えることもたくさん!2歳の男の子ママである作家の夏生さえりが、そんなママたちにエールを送ります。
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たしかに男の子は〝大変〟だ!
文・夏生さえり
忘れもしない、妊娠5カ月の話。心のどこかで「女の子だといいな」と思っていた私に、エコーを見る医者が言った。「これ、おちんちんですね」って。普段は顔や腕の位置を把握するのさえ難しいのに、教えてもらったそれはたしかに〝おちんちん〟で、ていうか性別告知ってこんな感じなの!? 思えば、あの滑稽な瞬間から、私の〝未知〟は始まった。
男の子がわからなさすぎて、その日から公園でボーイズウォッチングをはじめた、勉強熱心な(?)私。ふむ、なるほど、壊れたおもちゃみたいに走りまわる男児、キックとパンチを繰り出し続ける男児、変顔しすぎて顔が赤くなっている男児……。お店に入れば、キラキラで馴染みある女児コーナーとは打って変わって、黒・青・緑、車・電車・怪獣・ロボット……。待って、む…無理かも……って、思ったこともたしかにあった。
それが、いまやなんてことでしょう。「消防車の服だ!」と嬉しそうに声を上げる、私。遠くの鉄道博物館に行く日を楽しみにしている、私。「ドゥクシュッ!」と息子に攻撃する、私。こんな私、知らなかった!で溢れている。
「男の子、大変そう」と思っていたけれど、うん、たしかに大変。だって、面白すぎて、目が離せない! 「お化粧した? かわいいね」と手の甲にチュッと甘い王子になった直後に、白目を剝いて変なダンスを披露する道化に変身。そのあとは冒険者になって、埃だらけの通路を探索。かと思えば研究者になり、1時間も石を拾い続け……、と、思ったら、「ママ。大好き。しあわせ」と、一瞬で甘えん坊に! ころころくるくる、七変化。可愛くて、愛おしくて、笑えて、泣けて、時に呆れて(笑)、私の感情も七変化!
「男の子は大変」と思われがちなのは、きっと、女の子以上に想像がつかないからだろう。でも、大丈夫。息子は松明のように明るくて、彼といると勇ましい気持ちで、未知をずんずん進んでいける。
「いっぱい食べて、ママよりもおっきくなるの」と息子が言う。きっと、そうなるね。足もどんどん速くなって、あっという間に追いつけなくなるね。この先、彼のことがもっとわからなくなるだろう。けれど、わからないままでいいじゃない。わからないほうが、面白いんだから。
「大変そう」と言われたら、笑いながら「たしかに大変よ」と答えよう。こんなに可愛くて、こんなに面白くて、こんなにも世界を広げてくれるなんて贅沢すぎて、ほんと、大変だもの。
機能だけじゃない!
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セレモニーからお仕事服まで、きちんとシーンでも使えるオールインワンが2024年は気分。トレンド感もきちんと網羅した洗える服があれば、オシャレにも我慢なし。
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◉Profile
夏生さえりさん
’90年生まれ。出版社勤務を経て独立。脚本・エッセイ・小説・コピーライティングなど多岐に活動。映画『MONDAYS/このタイムループ、上司に気づかせないと終わらない』の企画と脚本を担当。2歳9カ月(取材当時)になる男の子ママ。
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撮影/西崎博哉 スタイリング/竹村はま子 ヘア・メーク/福川雅顕 モデル/青木裕子 取材・文/塚田有紀子 編集/石川穂乃実
*VERY2024年4月号「男の子ママのカジュアル服にときめきでエールを♥」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。商品は販売終了している場合があります。