離乳食で話題の「BLW」って?SHELLYさんが思う“我が家の選択”
※このコラムはVERY2024年3月号(2024年2月7日発売)に掲載されたものです。
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3人目も「ベビーサイン」、続けています。ベビーサインはアメリカ発祥の、赤ちゃんとの手話のようなもの。言葉が未発達な子でも意思疎通ができるツールです。上の子のとき、ママ友を集めマンションの会議室を借りて講師をお招きして、月1回全6回くらいのベビーサイン教室を開催しました。長女が2歳くらいのとき「ポテト!」と叫んで要求してきたのに、ポテトを出してもずっと泣いていたことがあって。最後に彼女は「トマト」のベビーサインをしたんです。トマトのことを、ポテトと言って泣いていたんですね。もしそのサインがなければ別のポテトを出してもっと泣かれていたし、延々平行線だったでしょう。そうして言葉を覚えていくものかもしれないけど、ベビーサインなら1歳くらいから、意思を伝えて、くみとってもらうというコミュニケーションを積み重ねられるのがいいなと思って。実は小さくても何か意思表示をしたくて泣いているケースも多いのかもと、ベビーサインを通じて感じています。
そして3人目も引き続きやり始めたことといえば、BLW(Baby-Led-Weaning)。イギリス発祥の手づかみ食べ離乳食法で、ピューレ状にせず、柔らかく茹でた野菜などを与えるものです。手づかみなので、親がスプーンで「アーン」することはありません。手作りにしても瓶の離乳食にしても、一生懸命用意するからこそ食べ切ってほしくて「あと一口!」ってなっちゃいますよね。食べきれなかったらつい残念に思ったり。でも本来、赤ちゃんの食欲もそれぞれだし、日によっても違うはず。BLWは、茹でた野菜をスティックにして出すだけで簡単だし、1歳までは基本的にミルクや母乳で栄養が足りているという考え方なので、まったく食べない日があっても、すごく食べる日があっても気にしないでいられます。あなたのお好きなだけどうぞ、と本人の意欲を大切にできる点も気に入っていて。
とはいえ、これまたBLWは少数派。欧米ではレトルトの離乳食やシリアルを水などで溶いたものが多数派ですし、私の姉は言語聴覚士で喉の専門家でもありますが、BLWの考え方には共感できるけど誤飲が怖いから自分には一般的な離乳食が合っていると言っています。大切なのは、親が納得して、自分のフィルターを通して選択することだと思う。世界に目を向ければ離乳食のスタンダードもそれぞれだし、多数派の育児が自分や子どもに合っているとも限らない。「こうあるべき」と縛られる必要はないんですよね。親って、こうしたことも含めて選択の連続。1人目のときは自分の選択に自信が持てなくて当然で、「こうあるべき」とか「これが多数派」と堂々と書いてあったり言われたりすると「それがいいかな」と思っちゃうものだと思います(3人目でも自信がついているわけではなく、ただ『どうにかなることを知っている』という感じです!)。「1歳まで蜂蜜を食べさせたらダメ」のような本当に必要な知識はインプットしつつ、自分でリテラシーを育てて、我が家の選択ができるようになるといいなぁと思っています。
◉SHELLY|シェリー
1984年生まれ、神奈川県出身。14歳でモデルとしてデビュー以後、タレント、MCとして幅広く活躍。8歳と6歳、1歳の娘の母。
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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:羽城麻子
*VERY2024年3月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。