安藤優子さん「やって欲しいのは、自分に負担をかけない程度に経済を回すこと」
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結婚に出産、キャリアだって築きたい…人生の選択が多いCLASSY.世代。正解がわからないからこそ、指針が欲しいもの。特に気になる分野の有識者の方に、この先10年、世の中はどう変わっていくのか、どう行動すべきかを伺いました。
この先10年、日本経済が急激に回復することは見込めない今、資産を守りながら増やす方向へシフト
安藤優子さん(キャスター/ジャーナリスト)
──まず、私たちのお金に対する価値観はどう変わっていきますか?
〝たんす預金〟に象徴されるように、元々日本人はお金を少しでも自分の手元に置いておこうとしますよね。持っていることに安心して投資をしない傾向にありました。〝投資〟はギャンブルを連想してしまい、真っ当なお金の使い方ではないと考えている人もたくさん。一方アメリカ人はお金をどう増やそうかということを考えます。少しでもお金が入ったら投資に回して、最大利益を得ようとするのです。どちらが正しいということではなく、日本とはリスクテイキングの考え方が根本的に異なります。また、アメリカだけでなくイギリスもフランスも小さな頃からお金に関する教育に注力しています。これにより、欧米とのマネーリテラシーの大きな差が生まれているんです。現状そういった差がありつつも、今後は日本も欧米の価値観に近づいていく傾向にあります。
──物価高が続く今。日本の経済はどうなっていくのでしょうか。
日本の経済に関して、残念ながらすぐに回復することは期待できそうにないのが現状です。〝もしトラ〟〝まじトラ〟というように、アメリカ大統領選でトランプになるかバイデンになるかによっても日本経済が大きく変わると、いま専門家の関心の的になっています。そして、増税が続き、物価がこれだけ高くなってしまうと、平均年収が上がったとしても、実質賃金は見合わずに貧しくなる一方。1000万円の貯金を持っていても、実は800万円や700万円に目減りしているわけです。
だからこそ、〝いかにして増やすかを考えること〟が大切。欧米のようにお金の教育がまだまだな日本ですが、今は、新NISAの影響でお金を増やすという考え方に、ようやく風向きが変わってきています。今後はその流れのまま、さらに自分の稼いだお金を守りながら増やすという方向へシフトしていくはずです。
──マネーリテラシーを高めるために何から始めたらよいでしょうか?
お金と向き合うためには、まず10年後の自分がどうなっているかを想像してみましょう。結婚して子供が2人いるのか、このままキャリアを積んでいくのか…とはいえ10年先のことを考えてきっちりと何千万円貯めるなど計画を立てられる人の方が珍しいのが現状です。
CLASSY.世代に始めてほしいのはやはり少額でもいいから「投資」をすること。今、政府は若い人たちにもお金を回してほしいと思っています。だからこそ、国の制度として新NISAを推進したり、少しずつ銀行が金利を上げたりしていますよね。アプリでの資産形成も100円からできるので、まずは練習と思って始めるのも手。投資を始めるメリットは、お金を増やすことだけでなく、世の中の動きに敏感になること。例えば半導体を作る会社の株を買っていると、会社の業績から国際情勢まで意識することになりますよね。株を買うということは、その領域に関心を持つことに繋がります。これこそがいま若い世代がすべき〝生きたお金〟の使い方だと思います。とはいえ、投資や株に抵抗がある人は、まずは〝ポイ活〟をするのはいかがでしょう。自分に負担をかけない程度に経済を回すことが、この10年先を明るくするはずです。
安藤優子さん
大学在学中にスカウトされ、報道番組「BIG NEWS SHOW いま世界は」(テレビ朝日)にレギュラー出演。以降多くの番組でリポーター、キャスターを務め、民放連賞、ギャラクシー賞個人奨励賞を受賞。現在は椙山女学園大学で教鞭もとる。
撮影/イ ガンヒョン ヘアメーク/徳田郁子 取材/棚田トモコ 編集/鈴木日向 再構成/Bravoworks,Inc.