【葵わかな(26)】“心に癒しをくれる“リフレッシュ方法は?「美味しいお酒。ジンと日本酒にハマっています」
連続テレビ小説『わろてんか』のヒロイン役など、数多くの有名作品に大抜擢され、さまざまな世代から注目を集めている女優・葵わかなさんがJJnetに登場!葵わかなさんが主演を務める舞台の最新作『セツアンの善人』の公演を記念して、主役を演じるにあたっての苦悩など、舞台の裏側が垣間見えるような質問をたくさんお聞きしました。また、趣味の読書に関するお話や、多忙なスケジュールの中で“心の拠り所”としているリラックス方法についても詳しくお話していただきました!
葵わかな(あおい・わかな)
1998年6月30日生まれの26歳。神奈川県出身。2009年に女優デビューし、最近の主な作品にTVドラマ『キッチン革命』や『Dr.チョコレート』、『ブラックペアン シーズン2』などに出演。2017年には連続テレビ小説『わろてんか』で、ヒロイン・藤岡てん役を演じる。2019年にミュージカル『ロミオ&ジュリエット』で舞台にも活躍の場を広げたり、第43回エランドール賞新人賞を受賞。現在放送中の『おいち不思議がたり』にも出演中。
Q1.葵わかなさん主演の舞台『セツアンの善人』では、シェン・テとシュイ・タの二役をお一人で演じられていますが、二役演じられるにあったっての苦悩や大変だった部分はありますか?
葵わかな そうですね。じつはまだ台本も確定していなくて、稽古も始まっていないので、どんな風に進んでいくのか想像でしかないんですけど、このお話の中では、女性のシェン・テと男性のシュイ・タの二役を演じ分ける必要があって。シュイ・タが出てきた時、観ている方に「あ、男性に切り替わったんだな」ってちゃんと気付いていただけるように、男性らしく振舞わなきゃいけないんです。それが動きなのか、声の高さなのか、表現の仕方が難しいなと思います。もちろん衣装に助けられる部分もあります。それでも説得力を出すためにはどうすればいいんだろう、演じ方の正解を稽古場で見つけたいなと思います。あと、『セツアンの善人』は音楽劇なので、劇中に歌が出てくるのですが、シェン・テとして歌う部分とシュイ・タとして歌う部分、そこの差もどうつければいいのか全く分からなくて(笑)。そこも練習中に見つけたいと思います。きっと男女の差がはっきり見えた方が観ている人にとっても楽しいと思うので、この演じ分けが課題ですね。
Q2.演出家の白井晃さんが「貧困と不正義に満ちた社会で善良であり続けることの難しさを描いた作品」とコメントされていましたが、ご自身はこの作品をどんな風にとらえていますか?また、これから観る人にはどんな部分に注目してもらいたいですか?
葵わかな テーマとしては確かに“善と悪”や“本当の幸せって何?”など、そういう答えの出ないテーマが隠されています。女性のシェン・テは良い人すぎるがゆえに不憫で、住人にいろいろなことを押し付けられてしまう役なのですが、男性のシュイ・タはその真逆で、人間関係に固執しない冷たい役なんです。私からしてもシェン・テは善人に見えますが、善人というよりかは、ただ言いたいことを言えない人に見えてしまう瞬間もある。本当にシェン・テって良い人なのかなと思いますし、逆にシュイ・タは冷酷だと言われていますが、ある意味合理的だとも思います。彼の言動はちゃんと理にかなっていて、ただただ冷たくて悪い人だとは思えないんですよね。この劇は観る人によって捉え方が変わるのではないかなと思いました。他のキャラクターたちも全員良い人とも、悪い人とも言い切れないんです。そういう部分を楽しんで欲しいなと思います。テーマとしてはものすごく深いのですが、音楽もありポップな感じがして、キャラクター同士の会話も「この人変なこと言ってるな」みたいな、エンタメとしても楽しいものになればいいなと思います。
Q3.今作は葵わかなさんをはじめ、木村達成さんなどの豪華な俳優が出演されると思いますが、これから始まる舞台稽古についてどう思われますか?
葵わかな 木村達成さんとは5年ぶりの共演で。お互い違う仕事をしているなかで、5年という時を経て、また共演できることがすごく楽しみです。あとは今回の舞台に出演されている全員が舞台だったり、お芝居の道をしっかり歩まれてきた人たちなので、結構緊張しています(笑)。せっかく錚々たる方々とご一緒できるので、気づいたら稽古が終わっていたとか、自分のことでいっぱいいっぱいにならないようにしたいと思います。普段皆さんはどんな風に稽古をされているのか、どうやって役作りをしているのか、吸収できるようなことを見つけていきたいです。皆さん本当に良い人なので、これからの稽古が楽しみです。
Q4.葵わかなさんの趣味は“読書”と伺いました。最近読まれて印象に残っている、心に響いた作品がありましたら教えていただけますか。
葵わかな 最近、辻村深月さんの『傲慢と善良』っていう本を読んだのですが、面白かったですね。善良な人と傲慢な人って“表裏一体”だよね、というところが、今回の舞台とも似ている部分があるなと思いました。ストーリーとしては、主人公の婚約者である女性が消えてしまうところから始まり、どこに行ったのかを探しに行くお話です。探していく中で、その女性のことがだんだんと分かっていき今まで隠されていた一面が明かされていくんですよね。ざっくりとした説明になるのですが(笑)。20代後半の女性には刺さると思うので、ぜひ読んでいただきたいですね。
――本はどういうタイミングで読まれていますか?
葵わかな 私は小説を読み始めるとその世界に入り込んでしまうタイプなので、お休み期間に溜めていた小説を一気に読んでいます。お仕事が入ると台本などを読むので、そういう時はマンガを選んでいます。
――好きなマンガはありますか?
葵わかな マンガも大好きなので、本当にたくさん読むんですよ(笑)。昨日読んだのは『日本三國』です。少年マンガなんですけど、令和が終わり、日本が滅亡するところから始まって(笑)。そこで日本が3つの文明に分裂して、それぞれが争い合うんです。平和を取り戻すために全国統一しよう!と主人公が立ち上がる話なんですけど、とても面白いです。
Q5.6月に26歳を迎えられ、忙しい日々を送る葵わかなさんですが、“ご自身をリフレッシュさせるもの”や、生き詰まった際の”心に癒しをくれるもの“はありますか?JJ読者と同世代ということで、息抜きの方法などがあれば教えてください。
葵わかな お酒とご飯です。結局、美味しいものを食べることに行きつきますね(笑)。お酒だと最近はジンにハマっていて、市販の缶も、クラフトジンも飲みます。ジンは種類がたくさんあるので、よく集めていますね(笑)。買ってきて家で作って、つけ合わせにご飯も作って。家でまったり飲むのも好きですし、友達と外で飲むのも好きです。
――お酒は何割がお好きですか?
葵わかな ジンだったら炭酸割りですね。ビールやワイン、日本酒も好きなので、その日の気分で変えています。でも飲みすぎると太ってしまうので、運動も欠かさずしています。あと、最近は香りものも気になっていて。仕事場で疲れた時とか、緊張をほぐしてリラックスしたい時に香りものを使うといいよと友達から聞いたので、まずは手軽な香水にチャレンジし始めました。今度その友達と新しい香水を買いにいく約束をしています(笑)。
――香水も気分によって変えられるんですか?
葵わかな 香水は仕事場でしか使ったことがなかったんですよ。この舞台の時にはこれを使おうとか、このシーンの時はこれにチャレンジしてみようとか、そういう限定した使い方をしていたのですが、最近は日常使いもするようになりました。外に遊びに行く時とかもよく使っています。常に新しいものを開拓したいなと思っていて。香りはアロマのような植物系のものが好きですね。
舞台『セツアンの善人』が10月16日(水)にスタート
数々のブレヒト作品を手掛けた白井晃が、満を持して挑戦した『セツアンの善人』。
物語は畏怖すべき神様たちが、人間臭い立ち居振る舞いで下界に現れ“善人探し”をするという奇想天外な設定からスタート。“人はどこまで善人でいられるのか”、“人はお金で幸せになれるのか”という現代社会に生きる我々にも通じる痛切な問いかけが、葵わかなが一人二役で演じ分ける、心優しき女性シェン・テと、ビジネスに徹する冷酷な青年シュイ・タという真逆な人物を通して描き出されていく。シェン・テを中心に、アジアの都市とおぼしき「セツアン」に棲息する人々の息遣いを、今日的な視点からすくい取り、繊細かつダイナミックな空間で表現した。
【公演名】『セツアンの善人』
【公演日程】2024年10月16日(水)~ 2024年11月4日(月・休)
【会場】世田谷パブリックシアター
〒154-0004 東京都世田谷区太子堂4丁目1番地1号
【チケット料金】一般:S席(1階席)9,500円 A席(2階席)8,500円 B席(3階席)5,000円
【チケット発売日】一般:2024年8月25日(日)~
【作】ベルトルト・ブレヒト 【音楽】パウル・デッサウ 【翻訳】酒寄進一
【上演台本・演出】白井晃 【訳詞・音楽監督】国広和毅
【美術】松井るみ 【照明】齋藤茂男 【音響】井上正弘 【衣装】伊藤佐智子
【ヘアメイク】川端富生 【振付・ステージング】山田うん
【演出助手】豊田めぐみ 【舞台監督】田中直明
【宣伝美術】秋澤一彰 【宣伝写真】山崎伸康
【宣伝衣装】伊藤佐智子 【宣伝ヘアメイク】川端富生
【出演】
葵わかな 木村達成 渡部豪太 七瀬なつみ あめくみちこ
栗田桃子 粟野史浩 枝元萌 斉藤悠 小柳友
大場みなみ 小日向春平 佐々木春香
小林勝也 松澤一之 小宮孝泰 ラサール石井
【演奏】
磯部舞子(Vn. 東京公演) 島津由美(Vc.) 熊谷太輔(Perc.)/加藤優美(Vn. 兵庫公演)
ブラウス/27,500円、パンツ 26,400円 共にNOUNLESS(IMNK inc. 03-6277-0378)
サンダル/55,000円 Paraboot(Paraboot 青山店 03-5766-6688)
リング(小指)/19,800円 Y.M.Walts(MARVIN&SONS 03-6276-9433)
リング(人差し指)/15,400円 ete bijoux(ミルク 0120-10-6616)
ピアス/ 4400円 loni (アンティローザ 03-6431-9431)
撮影/まくらあさみ スタイリング/武久真理江 文/滝口真実 編集/齋藤菜月