お笑い芸人・虻川美穂さん(50)「40代は出産と更年期でホルモンバランスが崩れっぱなし」

40歳で出産した虻川美穂さんにとって、40代はホルモンバランスの乱れとの闘いだったそう。高齢出産が増えている今、彼女から学ぶケアには多くの気づきがありそうです。

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虻川美穂さん PROFILE

1974年9月11日、東京都生まれ。スクールJCA4期生。1995年、お笑いコンビ・北陽を結成、バラエティ番組や情報番組で活躍しながら俳優としても幅広く活動中。「北陽YouTubeチャンネル」が毎週火曜日・金曜日に配信中。オフィシャルブログ「はれ時々あぶ」、Instagram(@hokuyou.abukawa)も好評。


中途覚醒から始まった更年期症状

私の更年期症状は中途覚醒(*)から始まりました。11時くらいにベッドに入ると夜中の2時か3時に目が覚めて、それから眠れなくなります。どうせ眠れないのだから動画を見たり筋トレをしたりしようと思っても体力が追いつきません。無理して起きていると日中だるくなったり、眠気に襲われたりしていろんな支障をきたします。連日このような状態で体力を消耗しているので、頭は冴えているのに体が言うことをきかないのです。

中途覚醒、睡眠不足、体力消耗の悪循環で日中は倦怠感が抜けません。そのせいか、鼻の調子も崩して鼻炎がどんどん悪化し、気分まで落ち込みがちに。気温の変化にも妙に敏感になって、特に暑さに弱くなってしまって、ガンガン冷房をかけて周囲の人が厚着しなくちゃならなくなったり(笑)。足のつま先はあったかいのですが足全体は冷えていたりしてアンバランスな状態になることも多く、なんとなくどんよりとした不調でスッキリしない日々が続くようになりました。

【*・中途覚醒】

閉経前後の時期はエストロゲンの急激な低下によって自律神経が乱れがちに。入眠に必要な交感神経と副交感神経の切り替えがうまくいかず、睡眠が浅くなって夜中に起きることも頻発します。朝起きたら日光を浴びるようにしたり、日中に十分な運動をしたり、入浴時には湯船につかるなど、生活習慣を見直してみるのもおすすめです。

ホルモンバランスとの闘い

— お笑いコンビ・北陽として様々な番組で活躍する虻川美穂子さんは、今年の9月で50歳を迎えました。2015年に長男を出産した時は40歳。40代は出産と更年期でホルモンバランスが崩れっぱなしだったと言います。

40歳で長男を産んだので、40代は乱れまくるホルモンバランスと必死に闘ってきたような気がします。何もかも初めてのことだらけの子育ては手探りの連続。母乳は出ないし、眠れないし、今までの生活とあまりに違いすぎて戸惑うことだらけでした。

気分的に落ち込むこともしょっちゅうで「また怒ってしまった」「今日も早く寝かせられなかった」「洗い物を溜めてしまった」と凹んでばかり。一個一個は細かいことなのですが、子どもが今より小さい時は、些細なことでも気になってドーンと落ち込んでいました。まるで自分が自分じゃないみたいな感覚です。

その時に思ったのは「出産後にこんなに不安定になるなら、更年期はもっと大変なことになるかも」ということ。実際、怒濤の子育て期を抜けると今度は更年期のホルモンバランスの不調もやってきました。眠れないから睡眠が浅く、朝、目が開かない、無理やり起きても日中がしんどい、だるい、ついイライラしてしまう、などの不調が続き……今も症状は抜けていません。

ホルモンバランスを整えるサプリやストレス軽減の漢方を飲んだりしていますが、症状は一進一退。気長に付き合っていくしかないのかなと思っています。

一念発起して憧れのトレーナーにアプローチ

最近は、真剣に体を見直そうと思って、今年の6月からパーソナルジムに通い始めました。キッカケはぎっくり腰になったこと。その少し前、バスから降りる時に足を捻ってしまったこともあり「これはかなり体にガタが来てるのかも」と危機感を覚えていたんですが、腰をやってしまった後にまたちょっとした段差でこけてしまって。いよいよ「なんとかしなければ」「そろそろ自分の体ときちんと向き合わなくては」と思い始めました。

ボディビルダーの宮田みゆき先生が都内でパーソナルトレーニングを始められると知って「シャイをかましてる場合じゃない!」と一念発起。思い切って宮田先生(Instagram:alive.m.y.k)のジムに入会することに。

先生は今年のボディビルの大会、日本マスターズ選手権大会で準優勝されている方なので、超初心者の自分にはハードルが高かったのですが(笑)、ここでひるんでいては何も始まらない! と覚悟を決め、今は2週に1回トレーニングしています。学生時代はソフトボールをやっていましたし、キックボクシングジムに通っていたこともありましたが、体を動かすことに関してはかなりのブランクがあリます。今は〝立て直す〟ことを目的に少しずつですが体を呼び覚ましているようなイメージ。ダイエットというよりも、しばらく放置してしまっていた自分の体を見直すような感じで、筋肉はもちろん、食事なども大事にしつつ、改めて健康管理に取り組んでいます。50歳手前で、ちょっと諦めかけていた時に、ようやくスイッチが入りました(笑)。

宮田先生が肩甲骨のストレッチで使われていた器具を見て、もしかしたら日用品で代用できるかもと思い、100均で布団たたきを購入。気づいた時に肩甲骨ほぐしをしています。

夫の影響から食にも興味が

— 2010年に結婚したイタリアンシェフ・桝谷周一郎氏の影響もあってか、日々の食にも興味がどんどん湧いてきたと言います。シェフはYouTubeチャンネルも大好評。遠方からのファンが席を埋め尽くすこともしばしばだそう。

夫がイタリアンのシェフということもあって、もともとあった食への興味がどんどん深まってきました。小豆島の金両さんという会社の蔵で作っている特撰丸大豆醬油や、Mo3 リポバランスオイル、アコメヤ トウキョウのごま和え胡麻など、体に良くて、日々の食事をちょっと格上げしてくれるような食品も日常的に取り入れています。

また、レストランの仕事が忙しく、不在がちなうえに、家での様子にイラッとしがちな夫ですが、彼のレストラン「オステリア ルッカ 東4丁目」に食べに行くとやっぱり美味しくて(笑)、ちょっと見直してしまいます。

それから、子どもができてからよく公園に行くようになりました。子どもの習い事を待っている時や休日など、あえて何もしないでボーッとする時間を作っています。湘南の稲村ヶ崎公園で海と空を見ている時間も落ち着きますし、日常の慌ただしさを忘れて心をオフにする時間を大事にするようにしています。

浮き沈みへの対処法

— 心をオフにする時間を作り、少しずつ体を立て直し、健康管理を見直しながらモヤモヤとした不調と折り合いをつけている虻川さん。それでも、ちょっとしたことで漠然とした不安感が拭えなくなるそう。小学生のお子さんのサポートも、仕事の合間をぬって全力で頑張っていらっしゃいます。そんなメンタルの浮き沈みへの対処法は?

更年期は誰にでも訪れる時期だということを理解しつつ、ホルモンバランスが乱れる期間は心を大らかに開いて、落ち着くのを待つことが大事だと思います。更年期は永遠に続くものではなく、いつかは終わるわけですからその時まで美味しいものを食べたり、筋肉を鍛えたりして健やかな生活を心がけたいですね。

最近ますます食に対して興味が湧いてきたので、50代は自分で野菜も育ててみたい。知り合いが長野で野菜を作っていて、その農園・meu tempo(めうてんぽ農園) から野菜不定期便を取り寄せています。こちらの農園はご夫婦二人で地球環境に配慮しながら運営していらっしゃって、お米も野菜も力強い生命力を感じる味わい。野菜本来の味、食感、香りがあって体が生き返るようなパワーをもらえるんです。いつか自分でも作ってみたいと思いつつ、農作業も頑張れる体力作りに励みたいですね。

撮影/田頭拓人 スタイリスト/上野真紀(アップワード) 取材/柏崎恵理 撮影協力/R personal studio(麻布十番)、オステリア ルッカ 東4丁目 ※衣装はすべてスタイリスト私物 ※情報は2024年12月号掲載時のものです。

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