SHELLYさんが「SNSから少し距離を置くようになった」理由

※このコラムはVERY2024年10月号(2024年10月7日発売)に掲載されたものです。

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今年の夏も酷暑だったぶん、行きたいところが山盛りすぎな秋の到来です。みなさん、いかがお過ごしでしょうか。パートナーの超・長期出張によるワンオペを無事に乗り越えましたが、手を焼いたのは上2人の姉妹のケンカ。ごはんを出せば、どっちの近くに皿を置いてほしい!というレベルでケンカ勃発。パートナー不在の中、思うように出かけられずストレスも溜まっていたのかなと思います。私が小さい頃、姉たちとケンカしているときに親に横入りされると「関係ないでしょ」と反発する気持ちがすごく強かったのですが、この間とうとう一番上の子に同じことを言われました。まだティーンではないけど、思春期の入口にそろそろさしかかっていることも感じます。

そんな中で先日、映画『インサイド・ヘッド2』を観ました。アメリカでも話題になり、とても楽しみにしていて。主人公のライリーが13歳になり、思春期が始まって、そのときに子どもの脳がどう変わるのか。ヨロコビやシンパイ、ハズカシ、イイナー、ダリィなど感情の名前をつけたキャラが出てくるのですが、大人が見ていても「こんな感情あったな〜!」という連続。親の脳内も見せられて、私はこれを娘たちと観て本当に良かったなと思っています。帰りに二人とめちゃめちゃおしゃべりしました。次の日は娘二人と今度はパートナーと三人でもう一度観たくらい!みなさんにも、本格的に思春期に入る前にぜひ観てほしい。年齢が上がるほど汲み取れるものがあると思いますが、6歳でも楽しんでいましたよ。

実は今、心理学の勉強をするのがすごく楽しいのですが、子どもとのコミュニケーションを考える中で、こういう作品があってありがとうという気持ちでいっぱい。「怒り」に操縦されているときは、お互い向き合ってもいい話し合いにならないよねなど娘たちと感覚を共有できたことがありがたくて。『インサイド・ヘッド』の1からみなさんに観ていただきたいな〜(回し者ではありません笑)。

子育てしているとIQではなくてEQが試される日々だし、感情をコントロールすることやインプットすることの大事さも増している気がします。情報を得るため以前は活発にSNSを利用していたのですが、「エコーチェンバー」の影響が強すぎるなと危惧して、少し距離を置いているんです。チェンバーは洞窟という意味ですが、SNSにいると「自分のやまびこばかり聞こえて」きますよね。今SNSはアルゴリズムでフィルタリングされているので、まるで自分の意見が、世間一般の考えと同じだと錯覚してしまう。同じような意見がスマホに溢れかえっているし、それぞれが見たい世界しか見ていないかもしれない。「同じ意見の人がいっぱいいる」と安心して行動を移すきっかけをかえって奪われているかも?とも思いました。
あるとき一定程度SNSを見ないようにしたら、すごく心が平和だったんですよ。私が見ていない間も、女の人やママたちが不当な扱いを受けるニュースはたくさんあるけれど、毎日毎日その情報に接していたときは直接その人を助けられるわけでもないし歯痒くて、ただただ世の中への怒りが増すだけで。子育てに必死な中で、少し疲れてしまった部分もあって。もちろん、SNS上でデモができることもあるし、企業などに気持ちが届く場合もあるからSNSで戦う人を否定するつもりではありません。大切な情報はこれからも発信していきたいけど、発信したところで、同じ意見の人たちのところにしか届いていないのでは?という危機感は持っていたいなと思っています。とはいえ、コロナ禍以降で自分自身もエコーチェンバーの中に入り込んでいないかな、と思っていて。最近大勢で飲む機会が復活してきたのですが、タバコの煙を吸いたくないなとか、ひと昔前だったら聞き流せていた男尊女卑的な話を聞かされるのは嫌だな、とかつい思い、いろんな人が集まる場所に足が遠のきそうなことがあります。コロナ禍を経て、姉たちや価値観の合う親しい友達としか集まっていなかったので、疲れないで済む反面、いろんな価値観に触れる機会が減っているのかもしれないと思うことも。それが良いのか悪いのか…みなさんはどう思われますか?

『インサイド・へッド2』を観に行った映画館で。量り売りのおやつを慎重に、慎重に選んでます!〇〇グラムまで!という約束を守るために必死です(笑)。

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撮影:須藤敬一 取材・文:有馬美穂 編集:中台麻理恵
*VERY2024年11月号「シェリーの「これってママギャップ?」」より。
*掲載中の情報は誌面掲載時のものです。