【セックスレス AND THE CITY -女たちの告白-】「40代母でその性欲は異常」 レスが嫌で泣いて抗議した45歳が言われた暴言

日本では半数以上の夫婦がセックスレスに陥っているといわれています。ピラティス講師のあやめさん(仮名、45歳)も、夫である証券会社勤務の次郎さん(仮名、49歳)と性交渉がない状況。8歳と3歳の男の子を育てているあやめさんですが、夫婦水入らずの時間を作って夫を誘ってみたところ、断られるのみならず「性欲が強い」扱いを受け、絶望してしまったそうです。

◆あわせて読みたい

【セックスレス】【離婚】人気記事BEST5|夫婦仲に悩んだら

■地域猫保護の会で出会った夫

あやめさんと次郎さんは11年前、地域猫保護の会で出会いました。
「私は30代になってからずっと結婚を焦っていました。婚活イベントに何度か足を運んだのですが、いいと思うと友達の付き添いで来た既婚者だったりして……。その頃は黒猫を1匹飼っていたので、どうせ独身なら保護猫ボランティアをしたいと足を運んだ団体で出会ったのが夫です。夫はどちらかというと犬派なのですが、会員の妹に頼まれて車を出すために来たそうで、その時、一時保護する猫を家まで運んでもらって親しくなりました」。
その後、たまにLINEで近況を報告する仲になり、あやめさんから映画に誘うことで急接近。
「彼は寡黙なほうですが、映画や本の趣味が合って会話は途切れませんでした。どちらかというと私のほうが前のめりになって交際することに。その後は順調で、交際一年目には結婚式場を探していました」。

結婚当時、あやめさんは35歳で次郎さんは39歳。次郎さんの母親の勧めもあってすぐに妊活を始め、体外受精で長男を授かりました。
「妊活のなかで卵子凍結もしていました。やっと長男の子育てが少し落ち着いた頃、私は第2子がほしいと思ったのですが、夫は『年齢的にも経済的にも1人っ子でいいだろう』という意見。でも私が『卵子を破棄するのは嫌。流産したらあきらめる』と懇願して再び妊活を始めました」。
タイミング法と並行して行った体外受精が成功し、42歳で次男を出産。
「本当に嬉しくて、産後に性交渉がないことも忘れるくらい、育児に集中していました。私は母性が強いのか、赤ちゃんはかわいいし、お兄ちゃんが赤ちゃん返りするのもまたかわいいし、幸せでした。中古のマンションも購入し、スポーツジムのピラティス講師の仕事にも復帰して、去年までは何の不満もなかったはずなんですけど……」。

■ふたりきりでホカンスに誘う

ふと気がついたら、およそ4年セックスレスだったというあやめさん。
「夫はイクメンというタイプではありません。それでも、言えばやってくれる性格で料理も掃除も手際がいいので、不満を言ったらバチが当たると思っていました。ただ、40代半ばになって急に『性交渉がまったくない』ことが気になってきて。体から『妊娠するなら閉経前のいまが最後のチャンス』というアラートが鳴りはじめたのか、『一生このままは嫌だ』とモヤモヤし始めました。第3子が欲しいわけじゃないんですけどね」。
あやめさんは次郎さんの誕生日に、実家に子供2人を預けて、ふたりきりでホカンスに行くことを提案したそう。
「たまには夫婦で贅沢してリラックスしたいと言ったら快諾してくれて、都内のラグジュアリーホテルで日本酒を飲みながら鉄板焼を食べました。でも、部屋に帰ったら子供のように『よく眠れそう』と眠る気満々。さすがにそれはないだろうと私が後ろから抱きついて迫ると、最初は『ママやめてよ』と笑っていましたが、だんだん本気で『狭いしあついから自分のベッドに戻って』と言われてしまいました」。
嫌な気持ちになったあやめさんは、半泣きで抗議をしたそう。
「お酒も入っていたので感情的になっていたのかもしれません。『なんでせっかくホテルまで来て邪険にされるわけ? 夫婦なのに』と責めるように言ってしまって」。

■40代母親で性欲がある女性は異常なのか?

次郎さんはめんどくさそうな様子で、「落ち着いて。もうそういう年じゃないでしょ。そろそろ息子もそういうのわかる年齢だよ。40代後半でイチャイチャとか生々しすぎるでしょ」と諭すように言ってきたそう。
「私は本気で頭に来て、『私は一生誰ともそういうことできないの? 正直しんどいんだけど、外でなんとかしろってこと?』と言ってしまいました。夫はそのあたりから不機嫌になって『非常識にもほどがある。まっとうな家庭は父親も母親も外で浮気なんかしない。セックスレスが不満なのも、子供が欲しい若い夫婦ならわかるよ。でも40代後半でそんなに性欲があることも、子育て中の家族の間に性欲を持ち込むことも異常だよ』と私に非難の言葉を浴びせてきました」。
その日は「もういい。わかった」と、隣のベッドで背中を向けて眠りについたというあやめさん。
「次の日も、気まずい空気でしたが、夫は『頭痛い。酒飲みすぎた』とごまかすように忘れたふりをしていました。私も二度とこっちから誘う気にはなれません。その後も私が生返事をしていると、『3年生になったら塾どうする?』『保育園から幼稚園の転園はする?』とか、息子のことを聞いてきたり、会話はしようとしてくれますが。正直、プライドはズタズタです」。
今現在はオンラインカウンセリングを予約して、「まず子育てができるメンタルを保つことに必死」な状況だそうです。

※本記事では、プライバシーに配慮して取材内容に脚色を加えています。

取材・文/星子 編集/根橋明日美 イメージ写真/PIXTA

◆こちらの記事もおすすめ

美ST